米ロ両首脳は先週の初会談を経て、取り敢えず協調できるところは妥協することで合意した。その一環でこの程、3ヵ月前にそれぞれ本国に召還されていた双方の大使が帰任することになった。
6月20日付米
『AP通信』:「本国に召還されていた駐米ロシア大使が帰任」
ロシア大使館が6月20日、3ヵ月前に本国に召還されていた駐米ロシア大使が帰任することになったとツイートした。
ウラジーミル・プーチン大統領(68歳)とジョー・バイデン大統領(78歳)は先週半ば、ジュネーブ(スイス)での初首脳会談の席上、それぞれ本国に召還されていた大使を帰任させることで合意していた。
アナトリー・アントノフ駐米ロシア大使(66歳)は今年3月、バイデン大統領がテレビインタビューで、プーチン大統領が“殺人者”だとコメントしたことを受けて、ロシア側の抗議の意味で本国に召還されていた。
同時に、ロシア側はジョン・サリバン駐ロ米国大使(61歳)も米国に戻るよう要求していた。
6月21日付ロシア『タス通信』:「駐米ロシア大使が米国に帰任」
在米ロシア大使館は6月20日、“アナトリー・アントノフ大使が6月20日晩、ワシントンDCにおける職務に復帰した”とツイートした。
米ロ関係は険悪な状態となっているが、バイデン大統領が今年3月のテレビインタビューで、ロシアによる米大統領選介入疑惑に関わり、“ロシア側に代償を払わせる”とコメントしたことを受けて、更に関係が悪化した。
同大統領はその際、テレビ局側から、(野党勢力代表の毒殺未遂事件について)裏で指示したとみられるプーチン大統領は“殺人者”だと思うかと尋ねられて、肯定する回答をしている。
この事態を受けて、ロシア側は3月21日、抗議の目的でアントノフ大使を本国に召還すると発表した。
そしてこの反動もあって、サリバン駐ロ米国大使も4月22日に本国に召還されていた。
そうした経緯の中、プーチン・バイデン両大統領が6月16日、ジュネーブにおいて初の首脳会談を開催し、席上、双方の大使を帰任させることで合意したものである。
なお、両首脳は更に、両国間の関係発展、戦略的な安全保障、新型コロナウィルス問題やその他地域紛争解決に向けた相互協力について合意している。
一方、『タス通信』が、いつサリバン大使がロシアに帰任するのかと問いかけたのに対して、米国務省もホワイトハウスも依然未回答である。
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1月22日付
『ニューヨーク・ポスト』紙(
『AP通信』配信):「IOC:報道内容を否定して、東京オリンピックは予定どおり今夏開催と宣言」
IOCのトーマス・バッハ会長(67歳、ドイツ人弁護士、元フェンシング選手)も東京大会組織委員会も、今夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックは予定どおり開催されると改めて強調した。
これは、英国『ザ・タイムズ』紙が、日本の与党関係者の話を引用して、“今夏に延期された東京大会は、現下の新型コロナウィルス(COVID-19)問題深刻化のために、中止止む無し”と報道したことに反発したものである。
同紙によると、政府関係者は、“誰も言い出さないので敢えて言うが、東京大会開催は困難という考えで一致している”と証言したという。
しかし、これに対して、東京大会組織委員会は1月22日にリリースした声明で、“日本政府、東京都、IOC等大会関係者は全て、今夏の大会開催に向けて最善を尽くしている”と強調した。
更に、“日常の生活が一日も早く正常に戻ることを期待するとともに、引き続き安全第一を主眼とした大会開催に向けて準備を進めていく”とも言及した。
同紙記事は、IOCが既に2024年大会はパリ、2028年大会はロスアンゼルス開催と決定しているので、日本側としては、今夏の大会を中止とする代わりに2032年大会の開催地とすることで決着させたいと希望しているとも報じている。
ただ、2032年開催との案については、今大会開催に当たって既に250億ドル(約2兆6千億円)投下済みであること、今大会用に設けた競技場を11年後まで維持することや関連施設のリース・利用契約を再び結び直すこと等の困難さより、現実的な話とはなるまい。
一方、今月初めに日本政府が東京首都圏はじめ主要都市を対象として、緊急事態宣言を再発出したことに伴い、同紙の他いくつかのメディアが、今夏の大会開催中止の見通しについて報じ始めていた。
しかし、IOCバッハ会長は1月21日、『共同通信』のインタビューに答えて、“現段階で、今夏の大会開催を取り止めるという考えは一切ない”と当該記事内容を全否定している。
IOC最古参委員であるリチャード・パウンド氏(78歳、カナダ人弁護士、元競泳選手)は今週初め、今夏の大会が開催される場合、極端な話として無観客とし、主にテレビ放映用に挙行されることになるのではないか、とコメントしていた。
IOCは、大会開催に当たって、テレビ等の放映権料収入が全収入の73%を占めていることから、大会中止とするよりも開催してテレビ放映だけでも行う方が考えやすい。
何故なら、他のスポーツ競技関連事業に比較して、IOCの収入源は夏季及び冬季大会のみであるからである。
そこでバッハ会長は、大会を予定どおり開催するためには、大胆な変更も考慮する必要があるかも知れないと言及した。
すなわち、オリンピックには約1万1千人、パラリンピックには約4,400人の選手に加えて、それぞれ各国コーチ、大会関係者、招待客、メディア等大勢が関わることから、“ある程度の犠牲は止む無し”とした上で、“あくまで安全第一を主眼として開催する必要がある”と表明している。
更に同会長は、“昨年3月に大会の1年延期を決定した際と、今年の3月では大きな違いがある”として、“感染症の解明、ワクチン開発等、科学的・医学的に大きく進歩しているからだ”と強調した。
なお、日本においては、他欧米諸国に比べて、COVID-19感染者も死者もかなり低いが、IOCとしては、大会開催に当たって、選手団や大会関係者の感染チェック、ワクチン接種、ソーシャルディスタンシングの徹底、また、必要に応じて選手団の隔離等に注力する必要があるとしている。
同日付『ロイター通信』:「日本の首相、メディア報道を否定して東京大会は開催されると断言」
菅義偉首相(72歳)は1月22日、前日の英国『ザ・タイムズ』紙報道に関連して、“今夏の東京大会は、COVID-19に打ち勝ったことの証明として、安全に開催されるよう取り進められている”と強調した。
また、東京大会組織委員会も、“菅首相が大会開催を改めて確認したとおり、政府関係者は一丸となってCOVID-19封じ込めに努めており、また、安全に大会を開催するための対応策も準備中である”と表明した。
ただ、日本にCOVID-19感染の第3波が発生していることから、直近の世論調査では、約80%が今夏の大会開催は無理だと回答している。
同日付『タス通信』:「日本政府、東京大会開催中止との報道を否定」
坂井学内閣官房副長官(55歳)は1月22日、英国『ザ・タイムズ』紙の報道を全面否定した。
同副長官は、報道されている、政府内で大会開催断念の考えで一致といったような話は“一切なく、真実ではない”と強調した。
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