親ロシア派ドネツク人民共和国元首、北朝鮮に復興のための作業員派遣を要請【欧米メディア】(2022/08/18)
8月7日付GLOBALi「
北朝鮮;穀物及びエネルギー資源との引き換えに義勇兵10万人をロシアに派遣」で報じたとおり、ウクライナ戦争で4万人以上も将兵を失ったロシア軍を支援するため、北朝鮮が義勇兵10万人をロシアに派遣してもよいと申し出ている。そうした中、今度はウクライナ東部の新ロシア派反政府組織トップが北朝鮮に対して、同地域の復興のための作業員を派遣するよう北朝鮮に要請している。
8月17日付米
『AP通信』は、「ドネツク人民共和国トップ、北朝鮮との“相互利益”関係構築を提案」と題して、ウクライナ戦争で荒廃した東部地域の復興を行うため、親ロシア派反政府組織トップが北朝鮮作業員の派遣を要請したと報じている。
ウクライナ東部ドネツク地域の親ロシア派勢力トップが北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(キム・ジョンウン、38歳)に宛てて、ウクライナ戦争で荒廃した同地域の復興作業促進に必要な作業員派遣を要請する書簡を送付した。...
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8月17日付米
『AP通信』は、「ドネツク人民共和国トップ、北朝鮮との“相互利益”関係構築を提案」と題して、ウクライナ戦争で荒廃した東部地域の復興を行うため、親ロシア派反政府組織トップが北朝鮮作業員の派遣を要請したと報じている。
ウクライナ東部ドネツク地域の親ロシア派勢力トップが北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(キム・ジョンウン、38歳)に宛てて、ウクライナ戦争で荒廃した同地域の復興作業促進に必要な作業員派遣を要請する書簡を送付した。
北朝鮮は先月、ウクライナ東部のドネツク人民共和国(DPR)及びルハンスク人民共和国(LPR)(注後記)を承認する世界で数少ないグループに加わっているが、その結果、ウクライナは北朝鮮との断交を決めている。
北朝鮮は、核兵器開発や弾道ミサイル発射を理由に国連から制裁を受けていて、経済困窮に喘いでいるが、この立て直しの一環で外貨獲得のために、制裁違反を承知でウクライナ東部における復興作業に労働者を派遣することを検討しているとの噂が立っている。
かかる背景もあってか、北朝鮮国営メディア『朝鮮中央通信』(KCNA、1946年設立)は8月17日、DPRのデニス・プシーリン元首(41歳、2018年就任)が8月15日に、(ウクライナ東部の復興作業のための人員派遣によって)DPR及び北朝鮮間における“相互利益をもたらす互恵関係”が構築されることを望むとしたためた書簡を送付してきたと報じた。
DPR外務省の発表によると、駐ロシアのオルガ・マキ-ワDPR大使(47歳、2022年就任)が7月29日、駐ロシア申紅哲北朝鮮大使(シン・ホンチョル、2020年就任)と会談して経済協力の協議を行ったという。
その際、申大使から、新型コロナウィルス感染問題改善に伴って国境封鎖措置が緩和された暁には、経済連携の一環で北朝鮮からの“労働者の派遣”が“大いにあり得る”と伝えられたという。
北朝鮮は、LPR側とも同様の協議を行っているとする。
本件に関し、駐北朝鮮ロシア大使のアレキサンデル・マツェゴラ(66歳)が先月中旬、ロシア国営『タス通信』(1902年設立)のインタビューに答えて、ドンバス地方の復興作業には北朝鮮の建設労働者が“非常に有益な助け”となろうと語っていた。
これに対して、米国務省のネッド・プライス報道官(39歳、2021年就任)は先月、ロシア側がウクライナ東部での復興作業に当たらせるために北朝鮮労働者を雇用するとの提案を行っていることを非難し、かかる行為は“ウクライナの主権を蔑ろにするもの”だと責め立てた。
なお、『KCNA』報道によると、金総書記宛のプシーリン元首の書簡には、8月15日の祖国解放記念日(日本統治からの解放を祝う日)への祝辞とともに、“北朝鮮人民が77年前に勝ち取ったように、ドンバス地方の人々も自由と正義を再び取り戻すべく戦っている”との記述がなされていたという。
同日付欧米『ロイター通信』は、「自称独立国ドネツク幹部、北朝鮮との“互恵関係”を構築と宣言」として、DPRと北朝鮮間の接近について報じている。
『KCNA』の8月15日報道によると、ウラジーミル・プーチン大統領(69歳)が今週初めに金総書記に宛てた書簡の中で、ロシアと北朝鮮は“包括的かつ建設的な協調関係を発展”させていくことになると言及していたという。
かかる動きを踏まえたものか、DPRのプシーリン元首が早速8月15日、金総書記に宛てた書簡の中で、祖国解放記念日への祝辞とともに、DPRと北朝鮮間の“相互利益をもたらす互恵関係”を発展させていくことを望むとのメッセージをしたためている。
『KCNA』は同元首の書簡内容を更に詳しく報じている。
なお、北朝鮮は7月、DPR及びLPRを正規の独立国として承認する旨発表している。
同声明の中で北朝鮮外交部(省に相当)は、“ウクライナは、米国が主導する不正かつ違法な活動戦略に組すると決めていることから、北朝鮮が行う(独立国承認という)正当な宣言に抗う権利は一切ない”と強調している。
(注)DPR及びLPR:2014年2月のロシアによるクリミア半島強制併合に準じて、同年4月に一方的にウクライナからの独立宣言を行った親ロシア派反政府組織。
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プーチン政権;ロシア人と言えど誰も信じられなくなったか、最新兵器の極超音速ミサイル開発の権威までも反逆罪で逮捕【米・英国メディア】(2022/08/06)
ロシアは、西側諸国との情報戦に苦戦しているためか、自国軍と比較して軍事力が大きく劣るウクライナに軍事侵攻して以来半年近くが経過しても、一向に勝機が見出せない。情報部隊の誤報や情報隠匿等、ウラジーミル・プーチン大統領(69歳)としては自分の部下らを信じられなくなっている可能性がある。そうした中、軍事大国として鎬を削るに当たって必須アイテムである最新鋭極超音速兵器の開発権威が、よりによって反逆罪で逮捕されてしまった。
8月5日付米
『CNNニュース』は、「極超音速ミサイル開発のロシア人科学者トップ、反逆罪容疑で逮捕」と題して、ロシアにとって軍事大国として君臨していく上で必須とされる、最新鋭極超音速兵器開発の責任者であるロシア人科学者トップが逮捕されたと報じている。
ロシア国営メディア報道によると、極超音速飛行研究の分野で主導的な立場にある科学者が8月5日、反逆罪の容疑で逮捕されたという。
逮捕されたのは、ロシア科学アカデミー(RAS、ロシア帝政時代の1725年設立)・シベリア支部の理論応用力学研究所々長のアレクサンデル・シプリュク博士(55歳)で、反逆罪の容疑で逮捕された科学者は今夏で3人目となる。...
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8月5日付米
『CNNニュース』は、「極超音速ミサイル開発のロシア人科学者トップ、反逆罪容疑で逮捕」と題して、ロシアにとって軍事大国として君臨していく上で必須とされる、最新鋭極超音速兵器開発の責任者であるロシア人科学者トップが逮捕されたと報じている。
ロシア国営メディア報道によると、極超音速飛行研究の分野で主導的な立場にある科学者が8月5日、反逆罪の容疑で逮捕されたという。
逮捕されたのは、ロシア科学アカデミー(RAS、ロシア帝政時代の1725年設立)・シベリア支部の理論応用力学研究所々長のアレクサンデル・シプリュク博士(55歳)で、反逆罪の容疑で逮捕された科学者は今夏で3人目となる。
RAS科学部門責任者のバシール・フォーミン氏(71歳)が『タス通信』に語ったところによると、同博士はモスクワにある公判前勾留施設に送致されたという。
同研究所では6月27日にも、アナトリー・マスロフ主任研究員(75歳)が極超音速ミサイル関連国家機密データを第三者に提供したとの反逆罪容疑で逮捕されている。
同研究所のウェブサイトによると、シプリュク博士が率いる技術研究室では、極超音速条件をシミュレーションするための特殊な風洞装置を備えているという。
2人目に逮捕されていたのは、RASシベリア支部・レーザー物理学研究所のドミトリー・コルカー研究員(享年54)で、6月30日に反逆罪の疑いで逮捕されたが、膵臓癌(ステージ4)を患っていたこともあってか、公判前勾留施設に移送される間の7月2日に急死している。
『ロイター通信』報道によると、同研究員は中国の安全保障部門と共謀した疑いが持たれていたという。
世界の軍事大国、例えばロシア・中国・米国は、極超音速滑空体(HGV)を利用した兵器開発で鎬を削っている。
高度な機動性を有するこのような兵器は、理論上音速を超える速度で飛行しながら、軌道や高度を調整することが可能で、レーダー探知やミサイル防衛システムを避けて飛翔させることができる。
専門家によれば、こうした兵器に対する防衛は極めて困難だという。
従って、ロシアはHGV利用の兵器は最新鋭の武器だと捉えており、ウラジーミル・プーチン大統領は2018年、西側諸国の対空防衛システムを“ほとんど無力化できる”と豪語していた。
同日付英国『メール・オンライン』は、「プーチンの“偏執症”に伴う“魔女狩り”が進む中、ロシアの極超音速ミサイル開発権威が反逆罪の疑いで拘束」として、ロシアの国家機密データを外国勢力に漏らした容疑で科学者が次々に逮捕されていると報じている。
極超音速ミサイル開発の権威であるシプリュク博士は8月5日、シベリア西部ノボシビルスク在のロシア連邦保安庁(FSB、1995年設立、前身はソ連国家保安委員会(KGB))防諜部によって拘束された。
ロシア当局は、同博士含めて、極超音速ミサイル開発に関わる科学者らを、国家機密漏洩等の反逆罪容疑で立て続けに逮捕している。
RASのフォーミン科学部門責任者は8月5日、『タス通信』のインタビューに答えて、“当局はRASシベリア支部の各研究所を捜査し、その結果、シプリュク博士含め3人の科学者を逮捕した”と述べた。
これに関して西側外交官は、“プーチン政権は、偏執症の兆しを見せるかのように、至る所で反逆者を見つけ出そうとしている”とし、“これは一種の魔女狩りのような事態だ”とコメントしている。
なお、容疑者らは裁判にかけられることになるが、反逆罪が認定されると最長20年の禁固刑に処せられる可能性がある。
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