国家通貨基金(IMF)が26日に発表した世界経済見通しの改定版で、インドの2021年の成長予測が8%から11.5%に上方修正された。新型コロナウイルスが世界で猛威を振るう中、世界で唯一の二桁成長を記録することが予測されている。
オンラインニュース
『オーストラリア・ニュース』によると、IMFが26日に発表した最新の世界経済見通しでは、インドの国内総生産(GDP)は2021年に11.5%のペースで成長すると予測している。インド経済は8.1%の成長と予測されている中国よりもはるかに高い成長を遂げると予測されており、スペイン(5.9%)、フランス(5.5%)、米国(5.1%)と続いている。
昨年10月、IMFはインドの実質GDP成長率を8.8%と予測していた。しかし、ロックダウンが解かれた後に予想以上に経済が回復しているため、インド経済の成長予測を2.7%上方修正した。
IMFは最近のワクチンの普及により、今年後半の新型コロナウイルスの収束への期待を高めている。一方で、新たな感染拡大の波の可能性と変異種出現で、予測に対する懸念も提示している。見通しが非常に不確実な中、世界経済は2021年に5.5%、2022年には4.2%の成長が見込まれている。
インド日刊紙『タイムズ・オブ・インディア』によると、今月初め、IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は、インドが「パンデミックとその経済的影響に対処するために、断固たる行動と措置を取った」と述べ、人口が非常に密集している大国で、大規模なロックダウンが導入され、その後、より的を絞った規制とロックダウンに移行したことを評価した。
ゲオルギエバ専務理事は、「私たちは、政策支援と組み合わせた移行がうまく機能したようであることを見てきた。モビリティデータを見ると、インドでは新型コロナウイルスの発生前とほぼ同じに戻っており、経済活動が大幅に活性化していることを意味する」と述べた。
国内市場の専門家であるDK ・ミシュラ氏は、新型コロナウイルスのパンデミックは世界中の経済に大きな影響を与えたが、インド経済は政府が取った措置と強い消費者需要により、当初の打撃から抜け出したと述べている。
これは「(日本の消費税に当たる)物品サービス税の徴収が伸びていることや農業の好調な成長を見れば明らかである。IMFによるGDP成長率11.5%の予測も、経済の力強い回復を裏付けるものである。コロナワクチンの普及の見通しも、我々の経済にとって良いものとなる。」と指摘している。
閉じる
日本とインドは、2008年に日印安全保障共同宣言に署名(麻生太郎首相とマンモハン・シン首相)して以降、2012年には海上自衛隊・インド海軍による共同軍事演習(JIMEX)を初めて行い、その後隔年に実施している。そしてこの程、JIMEX 2020をアラビア海(インド洋北方)で行い、対中国牽制で協力していくことを再確認している。
9月28日付米
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース:「日本とインド、アラビア海で共同軍事演習実施」
海上自衛隊とインド海軍は9月26~28日の間、アラビア海においてJIMEX 2020を実施した。
『ザ・タイムズ・オブ・インディア』(1838年創刊)によれば、第4回目となる二国間共同軍事演習JIMEXは2012年から続けられていて、今回の訓練によって、強大化する中国を睨み、両国間の国防協力が更に強化されたという。...
全部読む
9月28日付米
『ザ・ディプロマット』オンラインニュース:「日本とインド、アラビア海で共同軍事演習実施」
海上自衛隊とインド海軍は9月26~28日の間、アラビア海においてJIMEX 2020を実施した。
『ザ・タイムズ・オブ・インディア』(1838年創刊)によれば、第4回目となる二国間共同軍事演習JIMEXは2012年から続けられていて、今回の訓練によって、強大化する中国を睨み、両国間の国防協力が更に強化されたという。
同訓練には、海上自衛隊からヘリコプター搭載護衛艦“かが”、ミサイル駆逐艦“いかづち”が、
インド海軍からはステルス型駆逐艦、ステルス型フリゲート艦、補給艦が参加しており、更に両国のヘリコプター・戦闘機・偵察機等が加わっている。
両国は、6月下旬にもマラッカ海峡で巡航訓練を実施しているが、同月半ばには、正にインドと中国両軍がラダック(ヒマラヤ山脈西部の国境付近)において軍事衝突を起こしていた。
また、9月9日には、日印両国にオーストラリアを加えた三ヵ国間兵站協定(物資の配給や 整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持等の協力)に合意している。
更に、日本は2015年より、米印共同軍事演習マラバル(1992年開始の演習)に正式参加している。
このようにして日本とインドは、機会あるごとに連携して、国防協力を実施してきており、そこには常に中国に対峙するという共通の意思が認められる。
特に、安倍晋三首相が第1次政権を執っていた2007年、インド議会において“両海の合流”と題した演説を行い、インド洋と太平洋を結び付けた共同開発を提唱したことから、インド側は大いに感迎した。
そして、同首相は第2次政権を執ってからの2014年9月、ナレンドラ・モディ首相が就任するや否やインドを再訪し、両国関係の強化を訴えている。
この程、同首相が辞任したことにインド側も落胆しているが、後任の菅義偉新首相も、安倍政権で官房長官として執務していたこと、更に、安倍政権の政策を基本的に踏襲すると意思表明していることから、インド側としても今後に期待している。
ただ、日本側にとっては、特に防衛装備品の対印ビジネスが余りうまくいっていないことが不満であるとみられる。
例えば、新明和工業製US-2水陸両用機について、9年間も協議を続けているのに未だ成約に至っていない。
また、日本側この程、インド海軍のプロジェクト75-I(通常動力型潜水艦6隻の新建造計画)から撤退している。
9月27日付インド『ザ・タイムズ・オブ・インディア』:「インド・日本両国によるJIMEX 2020がアラビア海で開始」
インドと日本両国の海軍の連携強化を目的としたJIMEX 2020が、9月26日から3日間にわたってアラビア海で開始した。
これは2012年に始められて以降、隔年に実施されている。
インド海軍からは、クリシナ・スワミナサン少将の指揮の下、最新鋭のステルス型駆逐艦“チェンナイ”、同じくステルス型フリゲート艦“タルカシュ”、補給艦“ディパック”が参加している。
海上自衛隊からは、今野泰樹海将補の指揮の下、ヘリコプター搭載護衛艦“かが”、ミサイル駆逐艦“いかづち”が参加している。
閉じる