英国;合意なきBrexitリスクの影響で自動車生産・輸出台数が激減【米・英国メディア】(2019/04/30)
これまで何度か報じたとおり、欧州連合(EU)からの離脱協定がまとまらず、合意なきBrexitとなった場合の様々なリスクを憂慮し、日系企業含めて多くの国際企業が英国からEU内他国への本部移転や、英国内事業の縮小に舵を切っている。そして、英国の最も重要な産業のひとつである自動車業界でも、ドイツBMWや日産自動車、ホンダ等が英国での生産縮小を決定した。その影響か、今年3月までで10ヵ月連続で英国内生産及び輸出台数が急減しており、更に、合意なきBrexitが現実となれば、2021年にはかつての“不遇の時代”に逆戻りするおそれがあるとみられている。
4月30日付米
『ロイター通信』:「英国の3月自動車生産台数が14%減少、合意なきBrexitとなれば更に大幅落ち込みと予想」
英国自動車製造・販売協会(SMMT、1902年設立)は4月30日、国内自動車生産台数は今年3月までで10ヵ月連続減少していると発表した。
そして、3月だけでも12万6,195台と、年率換算で14.4%減少しているという。
また、総生産台数の約8割が輸出されてきていることから、EU他への輸出台数自体も13.4%減ったとする。...
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4月30日付米
『ロイター通信』:「英国の3月自動車生産台数が14%減少、合意なきBrexitとなれば更に大幅落ち込みと予想」
英国自動車製造・販売協会(SMMT、1902年設立)は4月30日、国内自動車生産台数は今年3月までで10ヵ月連続減少していると発表した。
そして、3月だけでも12万6,195台と、年率換算で14.4%減少しているという。
また、総生産台数の約8割が輸出されてきていることから、EU他への輸出台数自体も13.4%減ったとする。
更に、SMMTの試算では、このままの傾向でいくと、EU離脱交渉がうまくいくと仮定しても、2018年の実績152万台から、2019年は136万台まで落ち込むという。
そして、EUとの交渉がまとまらない場合、世界貿易機関(WTO)が認める国際ルールに基づく輸出条件が適用されることになると、2021年での自動車生産台数は107万台と、30%前後も減少することになると見込まれるとする。
これは、多くの国際自動車メーカーが英国に進出していく以前の1980年代半ばのレベルである。
なお、英国政府としても、合意なきBrexitの悪影響について深く懸念し、テリーザ・メイ首相は進退をかけて、離脱協定案成立に向け努力している。
また、今月初めには、ジェレミー・ハント外相が日本を訪問し、日本政府及び英国において大きな存在となっているトヨタに対して、合意なきBrexitを避けるので、引き続いての理解ある対応を求めたいと説いて回っている。
SMMTのマイク・ホーズ最高責任者は、ほんの数年前まで、英国での自動車生産台数が2020年には200万台に達すると言われていたが、今では英国の事業環境が非常に悪化しており、この目標値はとても達成が不可能な事態となっているとした上で、関係者一同が一日も早く事態改善に向けて対処していく必要があるとコメントしている。
同日付英国『スカイ・テレビニュース』:「英国自動車業界、生産台数急落に遭って“不遇の時代”の再来を懸念」
SMMTの予測では、Brexitの行方が望ましい形で進めば、英国内自動車生産台数は、2018年の152万台から今年は136万台に落ち込むものの、2021年には142万台まで持ち直すことが期待できるという。
しかし、もし合意なきBrexitとなり、自動車輸出がWTO条件の下で実施されることになれば、2021年の生産台数は107万台へと30%も急落するとしている。
そしてSMMTは、そうなれば1980年代半ばの自動車業界不遇の時代の再来となるとも付言した。
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米・英・ロシア・アジアメディア;最側近辞任でトランプ政権に痛手(2017/02/14)
トランプ大統領は、英国メイ首相、安倍首相に続いて、カナダのトルドー首相というように、立て続けに米同盟国首脳と会談し、新政権の舵取りに支援が得られるように動いている。しかし、トランプ氏最側近の一人である、フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が、正式就任前に駐米ロシア大使と外交関連の討議をしたことを理由に辞任に追い込まれ、痛手となっている。
2月13日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「マイケル・フリン氏の辞任で、連邦法がドナルド・トランプ政権にも適用されることが証明」
「●マイケル・フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は2月13日夜、正式就任前にセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と、対ロシア経済制裁問題について討議した疑いがあることから、補佐官職を辞任。
●これは、古びた連邦法(正式就任前の、言わば民間人が許可なく外交交渉に介入することを禁ずる法律)の違反の疑いが指摘されたものであるが、司法批判もものともしてこなかったドナルド・トランプ大統領にも、同法が適用されることの証明。...
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2月13日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「マイケル・フリン氏の辞任で、連邦法がドナルド・トランプ政権にも適用されることが証明」
「●マイケル・フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は2月13日夜、正式就任前にセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と、対ロシア経済制裁問題について討議した疑いがあることから、補佐官職を辞任。
●これは、古びた連邦法(正式就任前の、言わば民間人が許可なく外交交渉に介入することを禁ずる法律)の違反の疑いが指摘されたものであるが、司法批判もものともしてこなかったドナルド・トランプ大統領にも、同法が適用されることの証明。
●フリン氏は当初、メディア指摘に対して潔白を主張しており、マイク・ペンス副大統領もフリン氏の行動は問題ないとして擁護してきたが、同氏が前言を撤回し、ロシア大使と制裁問題を話した可能性を示唆する発言をするに至り、これ以上カバーできないと判断。」
2月14日付英
『スカイ・テレビニュース』:「マイケル・フリン氏、ロシア大使との協議に関してトランプ側近をミスリードした責任を取って辞任」
「●フリン氏は辞任声明文の中で、“自身のロシア大使との電話協議に関し、副大統領やその他関係者に誤った報告をしてしまった”と述懐した上で、“大統領と副大統領に陳謝したが、両氏とも許してくれた”と記載。
●ホワイトハウス高官の話では、後任として、米中央情報局(CIA)のデビッド・ペトレイアス元長官(元陸軍大将)の指名を検討中。」
同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「米国務省副長官代理、2月14日に駐米ロシア大使と面談予定」
「●米国務省発表では、トーマス・シャノン副長官代理が2月14日、キシリャク駐米ロシア大使と面談予定。
●この発表は、フリン米大統領補佐官がキシリャク大使と正式就任前に電話協議した件に関し、トランプ大統領が問題の重要性について見直しているとのホワイトハウス発表に続くもの。」
一方、2月13日付アジア
『OANA(アジア太平洋通信)ニュース』:「ロシア政府、発足前のトランプ政権高官と制裁について協議とのニュースを否定」
「●ドミトリィ・ペスコフ大統領府報道官は
『イタル・タス通信』のインタビューに答えて、米国内の論議にコメントするつもりはないとした上で、正式就任前の米大統領補佐官と駐米ロシア大使が、オバマ前政権が導入した対ロシア制裁について協議したことはないと否定。
●なお同報道官は、ウラジミール・プーチン大統領はトランプ大統領との会談を心待ちにしており、今年7月に開催される主要20ヵ国首脳会議(G20サミット、7月7~8日、ドイツのハンブルグで開催予定)での首脳会談が計画されているとコメント。」
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