フランス大統領、「他文化を不快にさせるとして表現の自由に関する法律を変えるようなことはしない」(2020/11/16)
フランスのマクロン大統領は16日、オンラインマガジン「Le Grand Continent」のインタビューで、最近のイスラム過激派による襲撃事件に対し各国からの支持が遠慮がちであることを残念に思うと述べた。大統領は「他国に衝撃を与える」という口実で、表現の自由の権利を「変える」ことはないと繰り返した。
『ルフィガロ』 や
『BFMTV』 によると、マクロン大統領は「Le Grand Continent」のインタビューで、5年前のシャルリー・エブド襲撃事件の時には、全世界がパリで行進して表現の自由という権利を守ることに参加していたと振り返った。
しかし先月、フランスの中学校の教師が喉を切られ、教会内でも3人が喉を切られて殺されたことに対し、「多くの哀悼の意は、控えめなものだった」と述べた。
そして、「イスラム世界の一部の地域の政治的・宗教的指導者たちが、フランスが自分たちの法律を変えるべきであると主張し、組織的な方法で、他の地域を威圧してきたことを認めざるを得ない。...
全部読む
『ルフィガロ』 や
『BFMTV』 によると、マクロン大統領は「Le Grand Continent」のインタビューで、5年前のシャルリー・エブド襲撃事件の時には、全世界がパリで行進して表現の自由という権利を守ることに参加していたと振り返った。
しかし先月、フランスの中学校の教師が喉を切られ、教会内でも3人が喉を切られて殺されたことに対し、「多くの哀悼の意は、控えめなものだった」と述べた。
そして、「イスラム世界の一部の地域の政治的・宗教的指導者たちが、フランスが自分たちの法律を変えるべきであると主張し、組織的な方法で、他の地域を威圧してきたことを認めざるを得ない。これは衝撃的である。」と語り、「私は文化や文明を尊重するものの、他の場所で衝撃を与えるからといって権利を変えるつもりはない」と述べた。
マクロン大統領はまた、「ヨーロッパの価値観で憎しみが禁じられているからこそ、人間の尊厳が他のすべてのものよりも優先され、私は相手に衝撃を与えることができるし、相手も私に衝撃を与えることができる。人間の尊厳が何よりも優先されているから、そして手を出して暴力に出ることが禁じられているがゆえに、議論や論争ができるのだ。」と付け加えた。
しかし、「私たちは、指導者、宗教的指導者が、ショックを与えるものと表現を、人の死とテロ行為が、同等であるかのように見なそうとしていることを受け入れる過程にあり、あえてこうした行為を非難することさえできなくなっているほどに怯えてしまっている」と指摘した。
しかし、「違いを尊重しない人たちの陣に閉じ込められてはいけない。彼らは間違った裁きをしており、歴史の操作だ」と述べ、「ヨーロッパでの私たちの世代の戦いは、私たちの自由のための戦いになる。自由が覆される過程にあるからだ」と警告した。
閉じる
パリのエッフェル塔に防弾ガラスのフェンス、オリンピックも見据えた同地域のテロ対策(2017/09/20)
フランス・パリのエッフェル塔の周りに防弾ガラスのフェンスを設置する工事が18日に始まった。パリ市のセキュリティ対策の一環であり、塔をテロ襲撃から守ることが目的である。工期は9カ月、費用は3,000万ユーロ(約40億円)で、塔の足下にある公園を取り囲むように建設する。
本工事は、パリを襲った一連のテロ事件を受けて行われる。2015年に、イスラム過激派を刺激する風刺画を掲載した週刊誌を発行していたシャルリー・エブド本社が襲撃された事件、サッカースタジアム、レストラン、劇場等が狙われた同時多発テロ等が発生したが、これによりフランスでは200人以上が死亡した。
工事は同市のセキュリティが既に高められた中で行われる。フランスは2015年以来、今なお非常事態下にあり、公安に追加権限が与えられている。...
全部読む
本工事は、パリを襲った一連のテロ事件を受けて行われる。2015年に、イスラム過激派を刺激する風刺画を掲載した週刊誌を発行していたシャルリー・エブド本社が襲撃された事件、サッカースタジアム、レストラン、劇場等が狙われた同時多発テロ等が発生したが、これによりフランスでは200人以上が死亡した。
工事は同市のセキュリティが既に高められた中で行われる。フランスは2015年以来、今なお非常事態下にあり、公安に追加権限が与えられている。パリ市内には約7,000人の警備隊がテロに備えて配備されており、街路をパトロールし、観光客が多く訪れる場所を警護している。エッフェル塔は、年間6-700万人が訪れる一大観光地であり、特にセキュリティが厳しい場所だ。既に警察官等が常時巡回している。しかしパリ市議会は、「特にテロの脅威が高い」として、3月にさらに態勢を強化することを全会一致で決定した。実際8月には、10代の若者がナイフで兵士を脅す事件が起きたばかりである。
パリの観光当局は、フランスメディアに対し、新しいフェンスの建設作業は、訪問者の入場を混乱させることは決してないと説明している。観光客は保安検査の後、従来どおり無料で塔に近づくことができる。
128年の歴史があるエッフェル塔は、2018年に再塗装を予定しており、2年を要する。同時にエレベータも改修され、その工事はさらに2年長く続くという。また2021年には、新しいビジターセンターを建設する2年のプロジェクトも始まる。
それらの工事は、2024年のパリ・オリンピックに先駆けて行われる。オリンピックはさらに多くの観光客を市内に呼び込むこととなり、同市のセキュリティ対策に対する懸念に新たなスポットライトが当たることになる。市当局は観光客を減らすことなしに、工事を進めようとしている。今後15年の間に合計で3億ユーロ(約400億円)がエッフェル塔周辺地域のために確保されており、半額は保守に充てられるという。
閉じる
その他の最新記事