【時流】及びGlobal iで詳報されているとおり、日米を中心として、G7伊勢志摩サミット、シンガポール・ダイアローグ(アジア安全保障会議、更に、米中戦略・経済対話を通じて、中国の南シナ海における海洋活動について集中砲火を浴びられた腹いせか、中国はここへきて、フィリピンに国際仲裁裁判所(PCA)提訴取り下げを強要し、米軍偵察機には戦闘機をニアミスさせ、更に、東シナ海尖閣諸島に軍艦を派遣と、立て続けに逆襲に出ている。
6月8日付米
『ジ・エポック・タイムズ』オンラインニュース:「米国、中国戦闘機が米軍機の飛行妨害と非難」
「・米国太平洋軍司令官は6月7日、中国人民解放軍の戦闘機“成都(チョンドゥ)J-10”2機が、東シナ海の国際空域を飛行中の米軍偵察機“RC-135”の進路を妨害したと発表。
・今年5月に続いて2度目のニアミスで、昨年に米中も署名した“海上衝突回避規範(CUES)”に違反するものと非難。...
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6月8日付米
『ジ・エポック・タイムズ』オンラインニュース:「米国、中国戦闘機が米軍機の飛行妨害と非難」
「・米国太平洋軍司令官は6月7日、中国人民解放軍の戦闘機“成都(チョンドゥ)J-10”2機が、東シナ海の国際空域を飛行中の米軍偵察機“RC-135”の進路を妨害したと発表。
・今年5月に続いて2度目のニアミスで、昨年に米中も署名した“海上衝突回避規範(CUES)”に違反するものと非難。」
同日付英
『UKニュース』:「東シナ海上空で、中国戦闘機が米軍機に“危険な”異常接近」
「・米国太平洋軍司令官が、国防総省から中国に対し、外交・軍事上チャネル経由厳重に抗議したと発表。
・これに対して中国国防部は、調査中としながらも、米国は事態をいつも大袈裟にしようと画策していると反論。」
一方、同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「中国、
南シナ海に最新鋭の深海研究所を建設計画」
「・中国は南シナ海に様々な設備を建設中だが、6月7日の情報では、深海探査等に資するための深海研究所を建設する計画。
・深度9,800フィート(約2,900メーター)に構える予定で、未開発の深海資源の探査、採掘等に当る。
・中国社会科学院の東南アジア地域担当の徐(シュウ)主任研究員は、他国を標的とするものでなく、あくまで民生用の施設であり、他国が深海研究に同様の設備を保有していることと変わりないと説明。」
また、6月10日付フィリピン
『ザ・マニラ・タイムズ』:「(中国の)灯台が領有権争いのある諸島に建設」
「・中国国営メディア
『新華社通信』は6月6日、中国がミスチーフ礁とファイアリークロス礁に築いた人工島の上に、今年中にそれぞれ1基ずつ灯台を建設すると発表。
・この発表は、6月10日から沖縄東方で開催される、日米インドの合同演習に先駆けたもので、中国側の抵抗の表れ。
・なお、両礁は中国が軍事拠点化の中心と位置付け、滑走路を建設済みで、また、ファイアリークロス礁には、最新鋭設備が整った病院も建設中。」
一方、同日付中国
『新華社通信』:「駐米中国大使館、南シナ海に関わるウォール・ストリート・ジャーナル社説を非難」
「・駐米中国大使館の朱海権(チュー・ハイクァン)報道官は6月9日、
『ウォール・ストリート・ジャーナル』の社説は“無謀で憂慮すべきもの”とする書簡を同紙に送付。
・同紙の6月3日社説では、米軍がしばしば航行の自由作戦に基づき軍艦等を南シナ海に派遣しているのは、中国がフィリピン提訴のPCA裁定を拒否するとしているためで、必要な行為と主張。
・中国側は、フィリピンによる一方的なPCA提訴であることから拒否しているもので、また、南シナ海の中国の主権は国連海洋法条約(UNCLOS)発効以前の権利であり、UNCLOSの取決めが許容する範囲内で活動しているものと主張。
・更に、米軍の航行の自由作戦は南シナ海の安定を反って損なうものと反論。」
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6月8日付米
『ロイター通信米国版』:「中国、フィリピンは(南シナ海の)領有権問題について対話の申し出を無視していると主張」
「・中国外交部は6月8日、フィリピンが南シナ海領有権問題について定期的な話し合いを設けるとの申し出を無視していると非難する声明を発表。
・同部声明によると、1995年以来対話を通じての解決を図る旨合意したが、フィリピン側が具体的な交渉に乗ってこず、代わりに2012年に一方的に国際仲裁裁判所(PCA)に提訴したと非難。...
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6月8日付米
『ロイター通信米国版』:「中国、フィリピンは(南シナ海の)領有権問題について対話の申し出を無視していると主張」
「・中国外交部は6月8日、フィリピンが南シナ海領有権問題について定期的な話し合いを設けるとの申し出を無視していると非難する声明を発表。
・同部声明によると、1995年以来対話を通じての解決を図る旨合意したが、フィリピン側が具体的な交渉に乗ってこず、代わりに2012年に一方的に国際仲裁裁判所(PCA)に提訴したと非難。
・フィリピン外務省はコメントを拒んだが、ある高官によれば、今月にフィリピンに有利となるPCA裁定が出ると期待されているので、それまで静観しようとしているとの判断とコメント。」
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「中国、フィリピンに対して南シナ海領有権問題に関わるPCAへの提訴取り下げを要求」
「・中国外交部の6月8日声明で、中国はフィリピンに対して、PCA提訴をすぐさま取り下げ、対話による解決を目指すよう要求。
・PCAが今月中に、中国側に不利な裁定を下すと噂される中、中国はかねてのPCA裁定に従わないとの主張を繰り返し、同時にフィリピンに対して交渉のテーブルに着かせようと躍起。」
同日付フィリピン
『ザ・マニラ・タイムズ』(
『AFP通信』記事引用):「中国、(PCAの)審理結果判明前にフィリピンに対して“一方的”な行動だと非難」
「・中国は6月8日、PCA裁定が下される間際となり、最後の足掻きとしてフィリピンを非難する声明を発表。
・中国とフィリピン両国が、1995年に交渉で解決すると合意したにも拘らず、フィリピンが一方的にPCAに提訴したことで事態は悪化したと非難。」
6月9日付中国
『新華社通信』:「中国、フィリピンに対してPCAへの提訴取り下げを要求」
「・中国外交部の洪磊(ホン・レイ)報道官は6月8日、フィリピンに対してPCA提訴を取り下げ、中国との対話の席に着くよう要求。
・両国が対話で解決するとの合意にも拘らず、フィリピンが一方的にPCAに提訴したことは国際法違反だと非難。
・なお同報道官は、フィリピンが提訴を取り下げて対話の席に着くならば、中国は依然交渉に応じる立場であることを強調。」
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