米メディア;イラク軍、イスラミックステートよりイラク最大精油所奪還(2015/04/21)
4月6日付「イスラミックステート(IS)に安保理がすべきこと」の中で、“イラクのIS制圧地域は、有志連合の空爆に加えて、イラク政府軍及びクルド人戦闘部隊によって奪い返しつつあるが、シリアにおいては、アサド政権、反体制派及びIS 間の三つ巴の戦闘もあって、目下のところISの制圧地域がむしろ広げられている”と報じた。ただ、イラクの拠点であるモスルを攻め落とさない限り、ISの抵抗はイラクにおいても侮れず、一時的にではあるが、イラク最大の精油所がISによって制圧された。しかし、それもイラク地上部隊の活躍ですぐさま奪い返したと米メディアが伝えた。
4月18日付
『サン・フランシスコ・クロニクル』紙は、「イラク政府軍地上部隊は4月18日、過激派組織ISからの攻撃で、先週一時的に制圧を許した、イラク最大のベイジ精油所(バグダッドの250キロメーター北)を再度制圧した。また同日、クルド人戦闘部隊ペシュメルガが、バグダッドに続く幹線道路沿いにあって、多くの油田が存在するキルクーク南部の二つの村落を奪還した。」と報じた。
また、4月19日付
『ニューヨーク・デイリィ・ニュース』紙は、「イラク最大のベイジ精油所は先週、ISの爆弾攻撃で防護柵を破られ同戦闘員の侵入を許したが、すぐさまイラク軍によって奪還された。...
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4月18日付
『サン・フランシスコ・クロニクル』紙は、「イラク政府軍地上部隊は4月18日、過激派組織ISからの攻撃で、先週一時的に制圧を許した、イラク最大のベイジ精油所(バグダッドの250キロメーター北)を再度制圧した。また同日、クルド人戦闘部隊ペシュメルガが、バグダッドに続く幹線道路沿いにあって、多くの油田が存在するキルクーク南部の二つの村落を奪還した。」と報じた。
また、4月19日付
『ニューヨーク・デイリィ・ニュース』紙は、「イラク最大のベイジ精油所は先週、ISの爆弾攻撃で防護柵を破られ同戦闘員の侵入を許したが、すぐさまイラク軍によって奪還された。同精油所は、日産17万5千バレル(2万7,800キロリットル)の生産能力があり、イラク全体の4分の1余りを占める。」と報じた。
過激派組織ISの通称に関して、ISISもCNNニュースなどでしばしば使用されているが、世界気象機関(WMO)は4月17日、北東太平洋で発生する熱帯低気圧(ハリケーン)の呼び名に、“Isis(注後記)”を使うのを今後止めることを明らかにした。この海域でハリケーンが発生すると、毎年アルファベット24文字(Q、U除く)を頭文字とする呼び名が付く。呼び名リストは6組あるため、同じ名前が6年毎に使われる。“Isis”は2016年に使われる見込みだったが、代わりに“Ivette”という女性名が使われることになった。なお、昨年10月初めに報じたとおり、北西太平洋、南シナ海領域で発生する台風についても、140個の固有の名前が発生順に付けられており、ほぼ5年間で一巡している。
(注)Isis:古代エジプトの豊穣の女神“イシス”を意味する女性名。暫く以前、Isis名の米女性からメディアに対して、ISISではなくISILを使うように求める声が挙がっていた。
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米メディア;米の温室効果ガス削減目標に対する厳しい抵抗(2015/04/17)
4月2日付「米の温室効果ガス削減目標」の中で、“オバマ政権は、地球温暖化対策の一環で、米国の温室効果ガス排出量を、2025年までに2005年比26~28%削減するとの目標値を、正式に国連宛提出した”と報じた。しかし、当該目標達成のための具体案策定、実施に当っては、野党が多数派の議会、石炭業界及び同業界を主産業とする州からの厳しい抵抗に遭っていると米メディアが伝えた。
4月15日付
『サン・フランシスコ・クロニクル』(
『AP通信』記事引用)は、「気候変動対策、抵抗勢力の提訴で訴訟の場へ」との見出しで、「米環境保護庁(EPA、注後記)が提出した、地球温暖化の元凶とされる石炭火力発電所に対して、二酸化炭素排出量削減を課そうとする規制案について、抵抗勢力から控訴された二つの訴訟案件に関し、ワシントン特別区連邦控訴審が4月16日に審理することになった。ひとつは、石炭産業を主産業とする15の州の集団訴訟で、もうひとつは、国内最大の石炭生産者のマレー・エナジー社からのもので、いずれもEPAの規制案は違法で、また、同案が実行されると多くの職が失われ、かつ電力料金を押し上げてしまうと訴えている。...
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4月15日付
『サン・フランシスコ・クロニクル』(
『AP通信』記事引用)は、「気候変動対策、抵抗勢力の提訴で訴訟の場へ」との見出しで、「米環境保護庁(EPA、注後記)が提出した、地球温暖化の元凶とされる石炭火力発電所に対して、二酸化炭素排出量削減を課そうとする規制案について、抵抗勢力から控訴された二つの訴訟案件に関し、ワシントン特別区連邦控訴審が4月16日に審理することになった。ひとつは、石炭産業を主産業とする15の州の集団訴訟で、もうひとつは、国内最大の石炭生産者のマレー・エナジー社からのもので、いずれもEPAの規制案は違法で、また、同案が実行されると多くの職が失われ、かつ電力料金を押し上げてしまうと訴えている。昨年提出されたEPAの規制案では、各州に対して、2030年までに二酸化炭素排出量を30%削減する対策立案、実行を求めている。これによって、市民の健康保護、気候変動対応、また(再生エネルギーへの転換などにより)2030年までに電力コストが8%削減可能となるという。」とし、「しかし、野党共和党が多数を占める上院のミッチ・マコンネル議長は先月、50州の知事宛に、EPAの要求を拒否するよう求める書簡を送っている。また、大気汚染防止法(1973年施行)の1990年改正では、産業界に対して既にある規制が掛けられている場合、別の規制を掛けることは許されないとしているため、EPAの規制案は違法であると主張している。なお、関係法の該当部分が明らかでない場合、通常裁判所は当局の解釈を採用している。』と報じた。
既報通り、国連気候変動枠組み条約締約国は、今年11月にパリで開催されるCOP21で2020年以降の温暖化対策の協議、取決めのため、各々の温室効果ガス削減目標の提出が求められている。世界の温室効果ガス排出量は、二酸化炭素で見ると、1990年の210億トンから、2012年の317億トンまで5割も増えている。これは、中国やインドなどの新興国の経済成長に因るところが大きい。各国別の排出量と国別比率は次の通りであり、実質削減しているのはEU27ヵ国とロシアのみである。
・米国:1990年48.7億トン、23.2% → 2012年50.7億トン、16%
・中国:同22.9億トン、10.9% → 同82.4億トン、26%
・EU27ヵ国:同40.5億トン、19.3% → 同34.9億トン、11%
・インド:同5.9億トン、2.8% → 同19.7億トン、6.2%
・ロシア:同21.8億トン、10.4% → 同16.5億トン、5.2%
・日本:同10.7億トン、5.1% → 同12.4億トン、3.9%
(注)米環境保護庁(EPA):米市民の健康保護と自然環境の保護を目的として、1970年にニクソン大統領によって設立された。大気汚染、水質汚染、土壌汚染などが管理対象。
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