【Globali】
米メディア;ロシア、ロケット打上げ再び失敗(2015/05/18)
3月16日付「宇宙開発は米ロ共同で」の中で、“かつての米ソ冷戦は宇宙開発競争にまで及んだが、宇宙開発には膨大な資金と時間を要するため、目下は米ロが相乗りし、協力して取進めている”と報じた。しかし、4月の無人宇宙船を載せたロケット打上げ失敗に続いて、ロシアがまたしてもロケット打上げにつまづいたと米メディアが伝えた。
5月16日付
『サン・フランシスコ・クロニクル』紙(
『AP通信』記事引用)は、「ロシア宇宙庁は5月16日、カザフスタンの宇宙基地から打上げた“プロトンM”ロケットの打上げに失敗したと発表した。同ロケットは、地上から97マイル(約155キロメーター)まで到達したところで、3段目のエンジンに支障を来し、制御不能になって、搭載していたメキシコの通信衛星とともに墜落したという。同ロケットは丁度一年前にも、同じく3段目のエンジンの不具合を引起したが、それ以降6度打上げは成功していた。...
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5月16日付
『サン・フランシスコ・クロニクル』紙(
『AP通信』記事引用)は、「ロシア宇宙庁は5月16日、カザフスタンの宇宙基地から打上げた“プロトンM”ロケットの打上げに失敗したと発表した。同ロケットは、地上から97マイル(約155キロメーター)まで到達したところで、3段目のエンジンに支障を来し、制御不能になって、搭載していたメキシコの通信衛星とともに墜落したという。同ロケットは丁度一年前にも、同じく3段目のエンジンの不具合を引起したが、それ以降6度打上げは成功していた。」とし、「この失敗によって、6月に予定していた、英国の衛星搭載のロケット打上げが延期された。なお、ドミトリィ・メドベーチェフ首相は、打上げ失敗の原因を究明するための特別委員会の設置を命じた。」と報じた。
先にも述べたが、4月に貨物を積んだ無人宇宙船“プログレス”打上げの失敗によって、国際宇宙ステーション滞在中の宇宙飛行士へ食糧を届けることができなくなったが、備蓄は十分あるため、すぐさま問題になることはないという。ただこの失敗に伴い、日本人の油井亀美也宇宙飛行士が搭乗する宇宙船“ソユーズ”の打上げが延期されている。
なおロシアでは、ロケットの打上げの度重なる失敗の他、極東アムール州に新たに建設中の“ボストーチヌイ宇宙基地”において、資金の横領事件が発生し、作業員への給与が未払いになっている。
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米メディア;盗聴は、米国だけでなくドイツもお手のもの(2015/05/11)
米中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデンの2013年6月の暴露によって、米国家安全保障局(NSA)が米市民の個人情報はもとより、日本を含めた38ヵ国の大使館及び主要国の首脳の携帯電話などの傍聴を行っていたことが判明し、大騒ぎになった。その後、英国政府通信本部(GCHQ)も、ロンドンで開催された主要20ヵ国(G20)首脳会議で、関係者のメール傍受を行っていたことが発覚した。そして今度は、米国のスパイ行為を非難していたドイツにおいても、同様な行為がなされていたと米メディアが伝えた。
5月5日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙は、「ドイツもまた、隣人へのスパイ行為で告訴される」との見出しで、「ドイツのアンゲラ・メルケル首相は2013年秋、自身の携帯電話がNSAによって盗聴されていたことについて、友好国間のスパイ行為はあってはならないことと非難した。しかし、今年4月末に、仏・独合弁企業のエアバス・グループ(注1後記)が、産業スパイ行為を理由に被疑者不詳でドイツ地裁に告訴し、同時にドイツ政府に詳細情報を求めたことから、状況は逆転した。...
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5月5日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙は、「ドイツもまた、隣人へのスパイ行為で告訴される」との見出しで、「ドイツのアンゲラ・メルケル首相は2013年秋、自身の携帯電話がNSAによって盗聴されていたことについて、友好国間のスパイ行為はあってはならないことと非難した。しかし、今年4月末に、仏・独合弁企業のエアバス・グループ(注1後記)が、産業スパイ行為を理由に被疑者不詳でドイツ地裁に告訴し、同時にドイツ政府に詳細情報を求めたことから、状況は逆転した。情報を総合すると、ドイツ外国情報局(BND)が、2008年から米NSAの依頼に基づき、欧州の会社や個人を監視していたという。しかも、メルケル政権がその行為を承知していたと報道され、メルケル首相への非難が高まっている。ただ、ドイツには情報収集行為に対して複雑な背景・感情がある。ひとつは、ナチス時代の秘密警察(ゲシュタポ)に対する忌避感と、最近のイスラム過激派組織イスラミックステートやその信奉者による、テロ行為等防止のための被疑者監視の必要性の問題である。」とし、「ドイツ議会専門委員会は今週、2008年当時の首相府担当で、現国務大臣のトーマス・マイツェル氏を召喚して審問する予定で、また、首相府に対しては、NSAに渡したデータ一覧を提出するよう求めている。」と報じた。
一方5月7日付
『サン・フランシスコ・クロニクル』紙(
『AP通信』記事引用)は、「連邦高裁、NSAの通話履歴情報収集を違法と判断」との見出しで、「ニューヨークの米連邦高裁は5月7日、NSAが実施してきた個人の通話履歴情報の収集活動について、根拠とする愛国者法(注2後記)に規定された内容から逸脱しているとして、違法であるとの判断を示した。同高裁は、2013年12月の連邦地裁判決を覆した訳だが、同活動が憲法違反に当るかどうかの判断は示さず、また、活動の差止めも求めなかった。そして、今後について米議会に判断を委ねた。」とし、「同法は今年の6月1日に失効するが、下院では民主・共和両党とも失効させることで同意しているが、上院では、プライバシー保護の問題はあるが、安全保障上からテロ対策を重視する必要があり、収集活動を継続させるための規程を残すべきとの意見も出ている。」と伝えた。
(注1)エアバス・グループ:2000年7月に合併によって設立された、欧州の大手航空・宇宙企業で、米ボーイングに次ぐ世界第二位の航空宇宙企業。本拠地はドイツ/ミュンヘン郊外。国際宇宙ステーションの貢献企業でもある。2013年7月、それまでの欧州航空防衛・宇宙社から改名。
(注2)愛国者法:2001年9月11日発生の同時多発テロを受けて制定。米国内のテロリズムと戦うことを目的として、政府当局に対し、電話・メール・医療情報・金融情報等の記録について捜査する権限を拡大し、また、テロ行為に関係があると疑われる外国人等の拘留、または国外追放などの規制を緩和するもの。
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