8月21日付米
『ニューヨーク・デイリィ・ニュース』紙(
『AP通信』記事引用):北朝鮮、亡命したテ・ヨンホは“人間のクズ”と呼ぶ」
「●朝鮮中央通信は8月20日、先週ロンドンで韓国に亡命したテ・ヨンホ行使を“人間のクズ”と決め付け、また、これを以て北朝鮮政権を誹謗するプロパガンダに使っていると韓国政府を非難。
●韓国統一部(省に相当)は8月17日、テ行使は亡命者の中では2番目に高い位にある高官だと説明。」
8月20日付米
『Foxニュース』(
『CNNニュース』報道引用):「北朝鮮、韓国に亡命した外交官は“犯罪者”と断罪」
「●北朝鮮は韓国に亡命したテ公司は、“資金横領や機密漏えい”をはたらいた犯罪者と断罪。
●一方、韓国統一部の鄭俊熙(チョン・ジュンヒ)報道官は、テ公司は北朝鮮のエリート・グループの一員だったが、“金正恩(キム・ジョンウン)体制に嫌気”が差して家族と共に亡命したと発表。」
同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「北朝鮮、英国
駐在外交官は懲罰から逃れるため韓国に亡命と発表」
「●北朝鮮メディアは、テ公司は犯罪の訴追から逃れるため韓国に亡命したとするが、韓国政府は、同公司及び家族は正規の手続きを経て韓国に移住したと説明。
●一方、8月19日のメディア報道によると、先月行方知れずとなっていたモスクワ大使館のキム・チョースン三等書記官は、ベラルーシ、ウクライナを経由して韓国に亡命したとの情報。」
一方、8月21日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「金
正恩、亡命事件を受けて海外滞在の韓国人をテロ攻撃するよう“厳命”」
「●韓国
『聯合ニュース』は、英国のテ公司の韓国亡命を受けて、金正恩委員長が、海外滞在中の韓国人を拉致やテロ攻撃含めて、韓国を懲らしめるよう命令を出した模様と報道。
●韓国政府は、海外駐在員や旅行者のみならず、北朝鮮国境付近の中国に滞在している韓国人にも注意喚起。」
同日付韓国
『ザ・コーリア・ヘラルド』紙:「北朝鮮による韓国テロ攻撃の脅威が増大」
「●韓国政府筋によると、北朝鮮による海外での韓国人向けテロ攻撃は、地元のヤクザなどを使って巧妙に行っており、公けにならない場合が多いとコメント。
●一方、韓国政府による注意喚起もあって、今年夏の白頭山(ペクトゥサン、北朝鮮と中国吉林省国境にある標高2,744mの山)の韓国人登山客は昨年(毎日2~3千人)の半分に激減。」
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英国の欧州連合離脱、イスラム過激派によるテロ事件続発に加えて、南シナ海問題に関わる常設仲裁裁判所の裁定をめぐる米中間のつばぜり合いと、何かと国際社会が喧しい。そうした中にあって、世間の注目を浴びたい北朝鮮としては、7月26日開催の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF、注後記)において、韓国外相しか関心を払ってくれないことに立腹してか、同フォーラム初参加の北朝鮮外交部長が、またぞろ追加の核実験を匂わせる発言をして、米国への対抗意識をむき出しにしている。
7月26日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「北朝鮮、朝鮮半島不安定化を引き起こした米国に膨大なツケと発言」
「●ラオスで開催のARFに出席していた北朝鮮の李容浩(イー・ヨンホ)外交部長は7月26日、米国のジョン・ケリー国務長官が北朝鮮の核開発を非難したことを受けて、朝鮮半島の緊張を高めた米国の罪は重く、膨大なツケを払うことになると発言。
●同部長はまた、追加の核実験を実施するかどうかは偏に米国の態度次第ともコメント。...
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7月26日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「北朝鮮、朝鮮半島不安定化を引き起こした米国に膨大なツケと発言」
「●ラオスで開催のARFに出席していた北朝鮮の李容浩(イー・ヨンホ)外交部長は7月26日、米国のジョン・ケリー国務長官が北朝鮮の核開発を非難したことを受けて、朝鮮半島の緊張を高めた米国の罪は重く、膨大なツケを払うことになると発言。
●同部長はまた、追加の核実験を実施するかどうかは偏に米国の態度次第ともコメント。
●同長官はARFで、イラン核合意と同様のことを北朝鮮に望むが、現状では全く無理で、唯一国際社会の中で異端の国だと酷評。」
7月27日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「米国と北朝鮮、非核化交渉で激突」
「●ARFに参加した日米ロ中韓及び北朝鮮を交え、朝鮮半島非核化交渉を持ったが、米朝間で激しい応酬があり、両国間の緊張感は最高潮。
●ケリー長官が、北朝鮮の一連の核開発・ミサイル発射実験は、朝鮮半島のみならず国際社会にとって脅威と諌めれば、李部長は、米国こそ韓国に終末高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備を決定するなどして、朝鮮半島を不安定化している張本人だと非難。」
一方、7月26日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「韓国、在外国民に対して北朝鮮による誘拐や攻撃に要注意と呼びかけ」
「●韓国の外交部は7月26日、中国や東南アジアに居住する韓国人に対して、北朝鮮による誘拐やテロ攻撃の恐れがあると注意喚起。
●同部は、海外在住のキリスト教宣教師、ジャーナリスト、脱北者が特に狙われやすいと警告。
●韓国が今年4月、中国在の北朝鮮レストランで働く12人のウェイトレスと1人のマネージャーの脱北を支援したことに対して、北朝鮮は、韓国が誘拐したと非難声明。
●韓国の
『聯合ニュース』は7月26日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が、少なくとも10組の工作員を中国や東南アジアに送り込んだと報道。」
また、7月27日付韓国
『ザ・コーリア・ヘラルド』紙:「北朝鮮、過去5年間で31発の弾
道ミサイル発射」
「●韓国の国防部は7月27日、金委員長統率下の5年間で、父親の故金正日(キム・ジョンイル)総書記時代の2倍ものミサイルを発射していると発表。
●内訳は、短距離ミサイル16発(射程距離300~1,000キロメーター)、中距離ミサイル・ロドン6発(同1,300~1,500キロメーター)、中長距離ミサイル・ムスダン6発(同3,500~4,000キロメーター)、潜水艦発射弾道ミサイル3発。
●同部によると、総費用は1,100億ウォン(9,700万ドル、約100億円)以上に上ると見積もられ、経済制裁下の北朝鮮にとっては膨大な出費とコメント。
●なお、金総書記統率下の18年間で、発射された弾道ミサイルは16発だったため、それと比較して如何に無謀かが歴然。
●また、3発の長距離ロケット、及び4度の核実験の実施で、更に数千億ウォン(数百億円)が出費されているはずと試算。」
(注)ARF:アジア・太平洋地域の政治と安全保障を対象とする対話のフォーラムとして、1993年7月にシンガポールで開催されたASEAN拡大外相会議で新設に基本合意。1994年7月にバンコクで第一回会合を開催。通常、ASEAN拡大外相会議と前後して開かれる。メンバーはASEAN10ヵ国+日米中ロ印加韓等16ヵ国及び欧州委員会。
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