フランスのラジオ局が集結して、ラジオ局専用のアプリを発表(2021/04/09)
フランスの公共・民間のラジオ局6社が、新アプリ「ラジオプレイヤー・フランス」を立ち上げた。3年の歳月をかけて開発されたこのアプリでは、200近くのラジオ局を聴くことができる。最新のテクノロジーに対応し、番組配信の管理を強化することが目的だ。
仏経済誌
『キャピタル.fr』によると、フランスのラジオの世界で初の試みが実現した。公営と民営のラジオ局が初めて手を組み、ビッグテックやストリーミングサービスとの競争に対応するために、共通のプラットフォーム「ラジオプレイヤー」を立ち上げた。8日からすべてのデジタルメディア(スマートフォン、パソコン、スピーカー、コネクテッドTVセット)で利用できる。アプリには、ラジオ視聴者の90%以上を占める「200以上のラジオ局と600以上のウェブラジオ局」が参加している。...
全部読む
仏経済誌
『キャピタル.fr』によると、フランスのラジオの世界で初の試みが実現した。公営と民営のラジオ局が初めて手を組み、ビッグテックやストリーミングサービスとの競争に対応するために、共通のプラットフォーム「ラジオプレイヤー」を立ち上げた。8日からすべてのデジタルメディア(スマートフォン、パソコン、スピーカー、コネクテッドTVセット)で利用できる。アプリには、ラジオ視聴者の90%以上を占める「200以上のラジオ局と600以上のウェブラジオ局」が参加している。
また、10万以上の番組やコラムなどをポッドキャストで提供しており、すべて無料でアクセスできる。広告は、ラジオ局自体が放送する広告のみ流れる。
フランスの主要なラジオグループ6社による前例のない取り組みは、GAFAや、デジタルラジオやポッドキャストのエコシステムを支配しようとしているストリーミングサービスなどの仲介者に、よりよく対抗することを目的としている。
同アプリのジャン・エリック・ヴァリ会長は、「GAFAやストリーミング・プラットフォームで競争が激化する中、私たちは団結しなければならない。」と、往年のラジオ放送を革新し、ラジオサービスの在り方を再発明していかなければならないと訴えている。
また、1日の平均視聴者数4,000万人のうち、15%にあたる約800万人のリスナーが毎日オンラインで聴いており、特に移動中に聴いている。そのため、利用方法の変化にも対応していくことが求められている。
仏民間ラジオ局『ヨーロッパ1』によると、同アプリは、ヨーロッパの他の13カ国ですでに導入されている技術を活用しており、ストリーミング・プラットフォームのように、ユーザーの聴取習慣に基づいてアルゴリズムがパーソナライズされたコンテンツを提供してくれる。また、ユーザーは、番組名、アーティスト名、タイトルなどの付加情報や、7日間の番組スケジュールをチェックすることができる。
「ラジオプレイヤー」はイギリスに10年前に誕生し、14カ国で展開されているネットワークとなっている。
仏ニュースサイト『01net』によると、「ラジオプレイヤー」はすでに「何百万台ものコネクテッドカー」で利用されているが、BMW、フォルクスワーゲン、ポールスターなど、ヨーロッパ市場に展開するすべてのメーカーに、車内のオーディオプログラムに取り入れてもらえるように交渉が進められている。
閉じる
輸送用コンテナ船不足で、トイレットペーパーが世界的に品薄になる可能性(2021/03/28)
世界最大の紙パルプメーカーであるブラジルのスザノは、今後トイレットペーパーが不足する可能性があると警告している。経済の回復に伴い、世界各地への輸送に欠かせないコンテナや貨物船が不足していることが原因だ。
フランスメディアの
『BFMTV』は、今後トイレットペーパーが品薄になる可能性が再度懸念されていると報じている。原因は、コロナ禍による人々のパニック買いでなく、コンテナ船不足で、トイレットペーパーの製造に欠かせない原材料のパルプの輸送が滞ってしまっているためだという。
中国の経済活動と生産が予想を上回る速さで回復したことで、欧米の中国製品に対する需要が大きく伸びた。しかし、中国は、これらの貨物を世界に運ぶための十分なコンテナ持っていない。...
全部読む
フランスメディアの
『BFMTV』は、今後トイレットペーパーが品薄になる可能性が再度懸念されていると報じている。原因は、コロナ禍による人々のパニック買いでなく、コンテナ船不足で、トイレットペーパーの製造に欠かせない原材料のパルプの輸送が滞ってしまっているためだという。
中国の経済活動と生産が予想を上回る速さで回復したことで、欧米の中国製品に対する需要が大きく伸びた。しかし、中国は、これらの貨物を世界に運ぶための十分なコンテナ持っていない。また、新型コロナウイルスの流行を抑えるための規制により、多くのコンテナ船が港を離れることが出来ない状況も相まって、輸送の遅れが起こっている。
フランスメディア『RTL』は、こうした海運の問題により、十分な在庫がないメーカーは生産を制限せざるを得ない状況に陥り、トイレットペーパーの供給が世界的に滞る可能性が懸念されていると報じている。パルプ生産最大手のスザノのシャルカ社長は、「大量に輸出している南米の全ての企業が、このリスクに直面している」と指摘し、コンテナ船不足と「スエズ運河の座礁事故とが相まって、トイレットペーパーの供給量の減少を引き起こす可能性がある」と述べている。
米『ビジネスインサイダー』は、スエズ運河の事故により、トイレットペーパーだけではなく、コーヒーや家具などの輸入品も不足する可能性があると報じている。コンテナ船専門家のラース・ジェンセンさんは、「基本的に店頭で目にするものすべてが影響を受ける」と述べている。
例えば、パンデミックの影響で在宅勤務が広まったことで、家具業界が潤っている。しかし、家具の納品日に数ヶ月の遅れを伝えている家具メーカーが既に出始めているという。手づくりの家具は、多くのパーツを使用するため、一つでも欠けると生産そのものが止まってしまうためだ。
海運問題の解決の兆しがまだ見えない中、様々な品物の不足の可能性だけでなく、輸送運賃の上昇も懸念材料となっている。露メディア『ロシアトゥデイ』によると、経済コンサルティングの「キャピタル・エコノミックス」シニアグローバルアナリストのマクアダム氏は、コンテナ輸送コストは、2020年1月から2021年3月までの間にすでに250%も高騰しており、今後もさらに上昇することが予想されていると述べている。
閉じる
その他の最新記事