COP26:南アフリカ脱石炭の声明に不参加(2021/11/10)
南アフリカは10日、30年以内に石炭生産のための資金調達を終了するという第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)の声明に署名することを拒否した。日本も署名を見送っている。
アフリカメディア
『オール・アフリカ』によると、スコットランドのグラスゴーで開催されているCOP26で、主要経済国では2030年代、途上国では2040年代までに石炭への融資を終了することが提案された。40の国の政府や機関がこの声明に署名した一方で、日本、中国などの石炭依存の国々は署名しなかった。
南アフリカのバーバラ・クリーシー森林・水産・環境大臣は、「交渉における我々の立場は、いかなる決定も、条約を通じた正式な交渉の過程を経てとられる必要がある。...
全部読む
アフリカメディア
『オール・アフリカ』によると、スコットランドのグラスゴーで開催されているCOP26で、主要経済国では2030年代、途上国では2040年代までに石炭への融資を終了することが提案された。40の国の政府や機関がこの声明に署名した一方で、日本、中国などの石炭依存の国々は署名しなかった。
南アフリカのバーバラ・クリーシー森林・水産・環境大臣は、「交渉における我々の立場は、いかなる決定も、条約を通じた正式な交渉の過程を経てとられる必要がある。交渉プロセスの外で、プラットフォームや誓約を設定する傾向が強まっている状況を懸念している。途上国に不利益をもたらすと考えている」と発言している。
大臣のこの発言は、同国のシリル・ラマフォサ大統領が、南アフリカが低炭素経済と気候変動に強い社会への「公正な移行」を支援すると述べたことを受けたものである。公正な移行とは、国家が低炭素経済を導入するにあたり、労働者とその労働組合、雇用者、政府、地域社会の間の社会的対話に基づいて進めていくことを意味する。
米『ブライトバート』によると、クリーシー大臣は、石炭の放棄を急ぐと南アフリカの経済にダメージを与える可能性があると指摘した。「国が座礁した資産を抱えることになる。移行には勝者と敗者がいることを私たちは知っている。敗者はオーナー側ではなく、通常、労働者や地域社会になる」と語った。
大臣は、COP26の主催者は、石炭を使用している国がよりクリーンな化石燃料を使用することなく、再生可能エネルギーに直接移行することを望んでいることに理解を示し、南アフリカ政権が石炭から天然ガスへの移行計画を検討する意思があること、投資家や国際的な金融機関が、移行のための資金を提供する準備ができていると述べた。
一方で、他の多くの発展途上国の政府関係者と同様に、クリーシーは「気候正義」の考えを支持しているものの、2030年または2050年までに二酸化炭素の排出量を大幅に削減するという計画に対して、高いコストと産業の縮小を受け入れる準備ができているアフリカ諸国は少ないと指摘した。
南アフリカでは現在、電力の約90%を石炭発電所に頼っており、その燃料となる石炭の採掘が盛んに行われている。石炭産業はムプマランガ州に集中しており、石炭離れが急速に進むと、34%の失業率を抱える同州で約45万人分の雇用が失われるなど、経済的な打撃を受けることになる。地球温暖化防止活動家によると、南アフリカの石炭発電所は汚染がひどく、国民一人当たりの二酸化炭素排出量は世界最悪であるという。
英『BBC』によると、脱炭素の声明の最大の問題は、米国、中国、インドなどの大国が含まれていないことであると伝えている。なお、日本は脱炭素声明だけでなく、他国での建設に対する政府による直接的な支援をやめるという誓約への署名も見送っている。
閉じる
米・英・ロシア・アフリカ・中国メディア;世界銀行が2016年成長率引き下げ!(2016/01/08)
1月4日付
Globali「2016年の世界及び日本の展望」の中で、中国(経済成長鈍化)リスクや原油安リスクがあるものの、世界及び日本の今年の展望はさほど悲観するものではないと予想した。しかし、年明けから中国株急落、原油価格11年振りの安値、サウジアラビアとイラン国交断絶、更には、北朝鮮核実験実施と不安要素が一斉に噴き出したお蔭で、世界及び日本の市場は大幅な下落となっている。そうしたことを見越したように、世界銀行(WB)が2016年の世界全体の経済成長見通しを、2.9%に引き下げたと各国メディアが伝えている。
1月6日付米
『NBCニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「WB、2016年世界の経済成長率を2.9%に下方修正」との見出しで、次のように報じた。
「・WBは1月6日、2016年の世界全体の経済成長率見通しを、2015年6月の前回予想の3.3%から2.9%に下方修正。
・中国経済の減速や、原油などの資源安の影響で、新興国の経済が想定以上に伸び悩むとみたため。
・新興国全体は、2015年実績の4.3%より若干上昇し4.8%の見通し(但し、前回予想は5.4%)。...
全部読む
1月6日付米
『NBCニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「WB、2016年世界の経済成長率を2.9%に下方修正」との見出しで、次のように報じた。
「・WBは1月6日、2016年の世界全体の経済成長率見通しを、2015年6月の前回予想の3.3%から2.9%に下方修正。
・中国経済の減速や、原油などの資源安の影響で、新興国の経済が想定以上に伸び悩むとみたため。
・新興国全体は、2015年実績の4.3%より若干上昇し4.8%の見通し(但し、前回予想は5.4%)。中国については、2015年の6.9%より6.7%に下がると予想(前回予想は7.0%)。
・米国景気は堅調とみて、2015年の2.5%より若干上昇し2.7%の見通し(前回予想は2.8%)。」
1月7日付英
『UKニュース』は、以下のように伝えた。
「・先進国の経済成長見通しは2.1%と、2015年実績の1.6%より上昇するも、前回予想より引き下げ。
・新興国の内、ロシアとブラジルは引き続き景気後退(マイナス成長)とみるが、中国は6.7%、インドは7.8%と、前回予想より若干引き下げたが、いずれも高い成長率と予想。」
同日付ロシア
『スプートニク』国際ニュースは、次のように報じた。
「・世界経済見通しは2.9%と、前回予想の3.3%より引き下げたものの、2015年実績の2.4%より高い成長率を予想。
・米国は2.7%、ユーロ圏も1.7%成長と予想。」
同日付アフリカ
『オール・アフリカ』ケニア・オンラインニュースは、以下のように伝えた。
「・世界の貧困層の40%以上は途上国に存していて、その途上国の2015年の成長率は鈍化し、2016年も同様とみる。
・但し、米国の利上げや世界各地での緊張激化などの逆風があるものの、世界全体では2015年の2.4%より高く、2.9%の成長率と予想。」
同日付中国
『グローバル・タイムズ(環球時報、人民日報英文版)』は、
『新華社通信』記事を引用して次のように報じた。
「・世界全体、特に中国を含めた新興国の経済成長見通しは、エネルギー資源を含めた価格の安定、高成長が期待される国の今後の展開、更に、中国について言えば、消費及びサービス産業の成長へのシフト実現にかかっている。」
なお、WBが発表した2016年経済成長率の主な数値は以下のとおり。
<2016年>(昨年6月予想)
・世界全体 2.9% (3.3%)
・日本 1.3% (1.7%)
・米国 2.7% (2.8%)
・ユーロ圏 1.7% (1.8%)
・中国 6.7% (7.0%)
・インド 7.8% (7.9%)
閉じる
その他の最新記事