シンガポール、1年間拘束された中国スパイを条件付きで釈放(2021/12/22)
シンガポール人のディクソン・ヨウは、中国工作員としての活動を行っていたとして米国で逮捕され禁固刑を受けた。刑期を終え、シンガポールに帰国したところシンガポール当局によって昨年12月に拘束されたが、その約1年後、条件付きで釈放された。
シンガポールのニュースサイト
『インデペンデントSG』によると、40歳のヨウは、米国で14ヵ月の実刑判決を受け、2020年12月30日にシンガポールに帰国後、内務省の国内安全局(ISD)によって拘束された。
香港の『サウスチャイナモーニング・ポスト』と米『エポックタイムズ』によると、シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策学院の博士課程に在籍していたヨウは、2015年にオンラインの専門家のネットワークサイトを通じて、海外から声をかけられ、その後、中国で開催された学術シンポジウムに招待され、そこで報告書を書くように持ちかけられたという。...
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『インデペンデントSG』によると、40歳のヨウは、米国で14ヵ月の実刑判決を受け、2020年12月30日にシンガポールに帰国後、内務省の国内安全局(ISD)によって拘束された。
香港の『サウスチャイナモーニング・ポスト』と米『エポックタイムズ』によると、シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策学院の博士課程に在籍していたヨウは、2015年にオンラインの専門家のネットワークサイトを通じて、海外から声をかけられ、その後、中国で開催された学術シンポジウムに招待され、そこで報告書を書くように持ちかけられたという。ヨウはその後、2016年から2019年にかけて、「相当額」の金銭と引き換えに、外国の依頼人から与えられたさまざまな仕事を遂行し、情報を調達し、主に世界および地域の地政学的問題や開発について報告書を提供するなどしていた。2018年には架空のコンサルタント会社を立ち上げ、専門家向け交流サイト「リンクトイン」に偽の求人情報を掲載した。400枚以上の履歴書を受け取り、その多くは米国政府や軍に雇用され、機密情報にアクセスする権限を持っている人たちだったという。その中から、中国の工作員に役に立つ情報を提供してくれそうな人物達を選んでレポートを依頼していたという。また、海外からの依頼人の指示のもと、自身も機密情報により触れやすい官職につこうと試みたが、採用されることはなかったという。
ISDは、シンガポールを標的にしたり、シンガポール人を代理人として使って外国の利益を追求したりしようとする試みは目新しいものではないが、今回の事件は、ソーシャルメディアの普及によって、外国の情報機関が海外からでも潜在的な諜報員を見つけ出し、育て、養成することが容易になったため、その脅威がより顕著になったことを示していると述べている。「この脅威は、他のいくつかの国でも広く顕在化しており、退職した公務員や、機密情報にアクセスできる民間部門の個人が、ソーシャルネットワーキングサイトを通じて外国の諜報機関に狙われている。シンガポールの人々は、ソーシャルメディアのプロフィールを使って魅力的なビジネスやキャリアの機会を提供したり、機密情報を入手しようとしたりする外国のエージェントがもたらすこうした危険に警戒し続ける必要がある」と警告している。
『インデペンデントSG』によると、米司法省の国家安全保障局のジョン・デマーズ司法長官補佐は、「中国政府は、無防備なアメリカ人から機密情報を入手するために、さまざまな二枚舌を使っている。そのような計画の中心的存在であったヨウは、キャリアネットワーキングサイトと偽のコンサルティング会社を使って、中国に関心がある可能性のあるアメリカ人を誘い出した。中国政府がアメリカ社会の開放性を悪用しているもう一つの例だ」と説明している。
ISDによると、ヨウが接触した個人との面談やその他の関連調査からの情報は、本人が開示または認めた内容をほぼ裏付けているとし、彼が外国人エージェントとしてもたらす脅威は効果的に無効化されたと判断されたと説明している。そのため、「拘束を続けるに値する」安全保障上の脅威をもたらすことはないと判断したという。ただし、勾留命令はまだ有効であり、ヨウが釈放の条件のいずれかにでも従わない場合、内務大臣は釈放を取り消し、再び勾留することができる。
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COP26:ロンドンでの会食の為にプライベート・ジェット利用した英首相に批判集まる(2021/11/05)
英国のボリス・ジョンソン首相は、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開催されているグラスゴーからロンドンまでプライベート・ジェットで移動し、高級会員制クラブでテレグラフ社の元同僚たちと再会のディナーを楽しんだと報道されている。野党である労働党から「驚異的な偽善」だと批判されている。
ジョンソン首相は、COP26の開会セレモニーで、世界の指導者たちは地球温暖化を食い止めるために「最後の機会であり、今すぐ行動する必要がある。今日、気候変動問題について真剣にならなければ、子供たちの時代には手遅れになってしまう。」と発言していた。
しかし、英メディア『イブニング・スタンダード』と『インデペンデント』によると、ジョンソン首相は、気候会議が開催されているスコットランドからプライベート・ジェットを使ってロンドンに移動し、デイリー・テレグラフの元編集者チャールズ・ムーアとのディナーを楽しんだ。...
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ジョンソン首相は、COP26の開会セレモニーで、世界の指導者たちは地球温暖化を食い止めるために「最後の機会であり、今すぐ行動する必要がある。今日、気候変動問題について真剣にならなければ、子供たちの時代には手遅れになってしまう。」と発言していた。
しかし、英メディア『イブニング・スタンダード』と『インデペンデント』によると、ジョンソン首相は、気候会議が開催されているスコットランドからプライベート・ジェットを使ってロンドンに移動し、デイリー・テレグラフの元編集者チャールズ・ムーアとのディナーを楽しんだ。
首相はグラスゴーで開催されている会議を午後6時20分に出発し、午後7時16分にロンドン・スタンステッド空港に到着した後、男性専用のプライベートクラブ「ギャリック・クラブ」の夕食会に合流した。
今回のジョンソン首相の移動方法について、労働党のアネリーズ・ドッズ議長は「驚異的な偽善」だと述べ、「気候危機に対処するために行動を起こすとなると、保守党用のルール、そしてそれ以外の国のためのルールと分かれているようだ」と批判した。首相はCOP26の冒頭で、参加者たちに「目に見えない息苦しいCO2の毛布で地球を覆うのはやめよう」とも呼びかけていた。
首相官邸はこれまで、「時間的な制約」により、首相は4時間半の列車の旅をすることはできないと説明していた。首相官邸の広報担当者は、「すべての移動は、安全性と時間的制約を考慮して決定されている。首相は、可能な限り持続可能な航空燃料を使用した。このサイズでは世界で最も二酸化炭素排出量の少ない航空機の一つを使用した。英国は、移動を含めたCOP26の運営に関連するすべての二酸化炭素排出量を相殺する」と弁明している。
なお、米『ブライトバート』によると、今回のCOP26には英首相以外にも米国、フランス、カナダ、ドイツ、日本、インド、オーストラリア、イスラエルなどの国の首相たちがそれぞれプライベート・ジェットを利用して気候会議に参加したことが欧米メディアで報じられている。
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