英国、新型コロナウイルス感染症の家庭用医薬品としてイベルメクチンを検討
抗寄生虫薬として広く使用されているイベルメクチンが、新型コロナウイルス感染症に対する家庭用医薬品として有効かどうかを、英国で研究されることが発表された。50歳以上の治療薬として考えられており、入院患者の減少や早期回復をもたらすことが期待されている。
英
『イブニング・スタンダード』によると、イギリスの研究者たちは、寄生虫による感染症に対処するために使用される薬剤を、新型コロナウイルス感染症に感染した患者の早期治療法として使用できるかどうかを検討する。
イベルメクチンは、実験室での分析ではウイルスの複製を減少させ、パイロット試験では、軽症の患者の体内のウイルス量の減少と症状の発症期間の短縮をもたらしたという。
オックスフォード大学のナフィールド・プライマリー・ヘルス・ケア学科のクリス・バトラー教授は、「イベルメクチンは、世界中で容易に入手でき、他の多くの感染症にも広く使用されているため、安全性の高い医薬品として知られています。...
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『イブニング・スタンダード』によると、イギリスの研究者たちは、寄生虫による感染症に対処するために使用される薬剤を、新型コロナウイルス感染症に感染した患者の早期治療法として使用できるかどうかを検討する。
イベルメクチンは、実験室での分析ではウイルスの複製を減少させ、パイロット試験では、軽症の患者の体内のウイルス量の減少と症状の発症期間の短縮をもたらしたという。
オックスフォード大学のナフィールド・プライマリー・ヘルス・ケア学科のクリス・バトラー教授は、「イベルメクチンは、世界中で容易に入手でき、他の多くの感染症にも広く使用されているため、安全性の高い医薬品として知られています。また、いくつかの研究で初期の有望な結果が得られたため、すでに複数の国で新型コロナウイルスの治療薬として使用されている」と指摘。また、「イベルメクチンの大規模試験を行うことで、新型コロナウイルスに対する治療効果や、その使用に伴う利益や害があるかどうかを判断するための確固たる証拠を得ることができると期待しています。」と述べている。
今回の試験では、参加者は、3日間の治療を受けた後、28日間の追跡調査を受け、英国の標準的な治療を受けた人と比較される。
英『インデペンデント』によると、これまでの臨床試験の結果にはばらつきがあり、効果が認められないものもあれば、軽症患者のウイルス量が減少し症状の発症期間が短縮したとして、効果が期待されるとする報告も上がっている。
しかし、大規模な無作為化対照試験による証拠がないため、イベルメクチンがコロナ治療に有効であると断言できないままとなっている。一方、ペルー、ボリビア、コロンビアなどの一部の国では、試験結果を待たずにイベルメクチンの患者への投与を推進している。
リーズ大学のウイルス学者ステフェン・グリフィン博士は、大規模臨床試験を通して、「この薬剤が抗ウイルス剤として再利用できるかどうかという疑問に最終的な答えを与えることになるでしょう」と述べている。
なお、4月には、喘息の治療薬ブデソニドが、病院での治療を必要としない軽症のコロナ患者の回復期間を平均3日短縮できることが発見されている。安価な吸入器で1日2回、最長14日間投与されるこの薬は、コロナに感染した場合に、一般医による処方を受けて自宅療養ができる治療法になることが期待されている。
英国ではこうした大規模臨床試験を通して、早ければ秋には、錠剤タイプの2つの治療薬が一般に販売できるようになる可能性が浮上してきた。
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アマゾン創業者が支援する企業、核融合発電所を英国に建設
アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾス氏が支援する企業が、英国に初の核融合プラントを建設し、クリーンエネルギーの現実的な供給源となる新技術の道が開かれようとしている。
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『インデペンデント』によると、「世界のエネルギーシステムを変革する」ことを望んでいるカナダの新興企業「ジェネラル・フュージョン」は、英国原子力公社が運営する核融合研究プログラムが進められているオックスフォードシャー州のカルハムに同社初の核融合発電所を建設する予定であることを発表した。
核融合とは、非常に高い温度で原子を結合させることで、星の動力源にもなっているものである。科学者たちは、化石燃料を燃やさずに済むため、有害な温室効果ガスの排出を避けられる低炭素エネルギー源として、広く普及することを期待している。...
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『インデペンデント』によると、「世界のエネルギーシステムを変革する」ことを望んでいるカナダの新興企業「ジェネラル・フュージョン」は、英国原子力公社が運営する核融合研究プログラムが進められているオックスフォードシャー州のカルハムに同社初の核融合発電所を建設する予定であることを発表した。
核融合とは、非常に高い温度で原子を結合させることで、星の動力源にもなっているものである。科学者たちは、化石燃料を燃やさずに済むため、有害な温室効果ガスの排出を避けられる低炭素エネルギー源として、広く普及することを期待している。
この開発には約4億ドル(約440億円)の費用がかかると言われており、英国の納税者を通して補助金を出しているが、政府はその金額を明言していない。核融合技術は、従来の核分裂とはことなり、何千年も残留する有害な放射性廃棄物を生み出すことのないクリーンなエネルギーを放出することが期待されている。
新しく建設される発電所は、商業用原子炉の70%の大きさになる予定で、どのように発電するのかを見せる、宣伝用の施設になる模様だ。ジェネラル・フュージョン社は、このパイロットプロジェクトで商業用発電所への道を開くことを期待している。来年建設が開始され、2025年には稼働する予定だ。
仏『レゼコー』によると、核融合の技術に特化したスタートアップ企業はジェネラル・フュージョン以外にも世界で約25社存在し、米国のTAE テクノロジーズやコモンウェルス・フュージョン・システムズが代表的な企業として挙げられる。また、核融合の技術そのものは公的な研究機関ですでに50年前から研究されているという。
なお、ジェネラル・フュージョンとは別に、世界35カ国が220億ドルを投じている核融合実験炉ITER(イーター)のプログラムも進められている。4年後に実験を開始する予定だったが、パンデミックのために延期される可能性があり、2035年以降に本格的な運転開始を予定している。1つの原子炉で1,000メガワット以上の発電量が期待されている。
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