4月18日付Globali「南シナ海情勢近況-北朝鮮問題尻目に事態は動く」の中で、“米国シンクタンクは今月、中国の沿岸警備隊(中国海警)の警備艇3隻が、昨年12月から今年2月の間、60日以上にわたりマレーシアのボルネオ島沖に居座って、領有権問題で争うマレーシアを威圧していると発表した”と報じた。そして中国は、従順さを示すドゥテルテ大統領と違って、何かと批判的なローレンザーナ国防相が、南沙(スプラトリー)諸島内のフィリピン実効支配の島に軍人らと訪問したことに対して、中比首脳間合意を損なうと威嚇した。また、中国は、南シナ海海洋資源探査のための深海潜水艇の技術開発を着々と進めている。
4月23日付フィリピン
『インクワイアラー・ネットニュース』:「国防相のパグアサ島訪問で駐留部隊の士気高揚」
フィリピンのデルフィン・ローレンザーナ国防相は4月21日、フィリピンが40年余り実効支配している、南沙諸島内のパグアサ島(英語名シトゥ島)を訪問したが、駐留部隊は士気が上がると歓迎した。
同島を含めた9つの島嶼には、フィリピン軍兵士数十名-主に海軍、空軍、沿岸警備隊の兵士が3ヵ月毎の交替で駐留しているが、同島には未舗装の滑走路、粗末な港や宿泊施設等しかなく、約100名の住民も含めて過酷な住環境である。...
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4月23日付フィリピン
『インクワイアラー・ネットニュース』:「国防相のパグアサ島訪問で駐留部隊の士気高揚」
フィリピンのデルフィン・ローレンザーナ国防相は4月21日、フィリピンが40年余り実効支配している、南沙諸島内のパグアサ島(英語名シトゥ島)を訪問したが、駐留部隊は士気が上がると歓迎した。
同島を含めた9つの島嶼には、フィリピン軍兵士数十名-主に海軍、空軍、沿岸警備隊の兵士が3ヵ月毎の交替で駐留しているが、同島には未舗装の滑走路、粗末な港や宿泊施設等しかなく、約100名の住民も含めて過酷な住環境である。
今回の訪問に当り同国防相は、未舗装の滑走路の舗装含めて、同島のインフラ整備に少なくとも16億ペソ(3,200万ドル、約35億円)の予算を計上したことと、同島を観光地化する計画であることを発表した。
同日付アジア
『アジアン・コレスポンデント』紙:「中国、フィリピン軍幹部の南シナ海島嶼訪問に苛立ち」
中国外交部の陸慷(リゥ・カン)報道官は、ローレンザーナ国防相、エドワルド・アノ空軍大将他軍幹部がパグアサ島を訪問したことについて、非常に憂慮しており不快な事態だと表明した。
今回の行動は、中比首脳間で合意した、両国の領有権問題について対話で解決していくとの取り決めに反することだとも非難した。
一方、同国防相は、搭乗していた飛行機がパグアサ島に向かう途中、同島近くのスビ礁(中国が人工島建設済み)駐留の中国部隊から、中国領空内に侵入しているので速やかに立ち去るよう警告があったが、フィリピン領を訪れるための通常の手段だとして無視したとコメントした。
一方、4月24日付中国
『チャイナ・デイリィ』(
『新華社通信』配信):「中国製深海潜水艇“蛟竜(チャオロン)”、南シナ海での探査活動前に潜航試運転」
中国製有人深海潜水艇“蛟竜”が4月22日、南シナ海での深海探査活動に移る前に、海南島(ハイナン)三?市(サンヤ)沖で18分間の潜航試運転を実施した。
同潜水艇の南シナ海における潜水活動は、中国の第38回海洋科学探査計画(4ヵ月実施予定)の第2段階のものである。また、第3段階として同潜水艇は、ヤップ海溝(編注;フィリピン海南部の最深8,946メーターの海溝)及びマリアナ海溝(北西太平洋マリアナ諸島東にある、世界最深10,911メーターの海溝)において深海探査活動を行う予定である。
なお、同潜水艇は2012年6月、マリアナ海溝において7,062メーターの潜水(編注;日本の“しんかい6500”が1989年に達成したのは6,527メーター)に成功している。
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