トランプ大統領、自身のことは棚に上げて反政府運動取締りのイラン政府を非難【米・英・イランメディア】(2017/12/30)
ドナルド・トランプ大統領は、自身に刃向ったり、批判したりする人たちを徹底的に攻撃する。しかし、イラン政府が、物価高等の不満からデモ行進を行った市民を逮捕した事に対して、平和的活動を弾圧するものと非難するツイートを掲載した。相変わらず、自分のことを棚に上げるのが得意である。
12月29日付米
『メディエイト』オンラインニュース:「トランプ大統領、イラン政府への抗議活動家を支援して“イラン政府は市民の抗議の声を聴くべき”とツイート」
12月28日に始まったイラン政府への抗議行動は、段々と他の大都市にも広がっている。
そして、例によって、ツイート好きなドナルド・トランプ大統領は12月29日夜半、抗議行動をする人たちには“反対の声を挙げる権利”があるとツイートした。...
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12月29日付米
『メディエイト』オンラインニュース:「トランプ大統領、イラン政府への抗議活動家を支援して“イラン政府は市民の抗議の声を聴くべき”とツイート」
12月28日に始まったイラン政府への抗議行動は、段々と他の大都市にも広がっている。
そして、例によって、ツイート好きなドナルド・トランプ大統領は12月29日夜半、抗議行動をする人たちには“反対の声を挙げる権利”があるとツイートした。
また、同大統領は、平和的に抗議行動をしている市民を、イラン政府がどのように扱っているか、世界は注目しているとも強調した。
『AP通信』によると、イラン政府に抗議するデモ行進をしていた人たちのうち、行き過ぎたスローガンを叫んでいると同政府が判断した52人を逮捕したという。
12月30日付英
『ザ・テレグラフ』紙(
『AFP通信』配信):「ドナルド・トランプ大統領、抗議活動家を逮捕したイラン政府に対して“世界は注目している”と非難」
イラン第2の都市のマシュハド(イラン北東端)で12月28日、同政府に抗議デモを行った市民52人が逮捕された。そして翌日、抗議デモは首都テヘランからカーマンシャー(イラン西端)まで広がっていった。
イラン政府を非難するトランプ大統領の12月29日ツイートに続いて、ホワイトハウスも、イラン政府の汚職や海外テロ組織への資金提供に抗議した市民のデモは、平和的なものだったとの報告を受けていると表明した。
また、米国務省のヘザー・ナウアート報道官も、平和的なデモを行った市民を逮捕したことから、米政府としてイラン政府を非難するとした上で、国際社会がイラン政府に対して、市民の権利の擁護と汚職の絶滅を強く要求していくことを望むとの声明を出した。
同日付イラン
『イラン・ヘラルド』紙:「米政府、イランの平和的デモを行った市民逮捕を非難」
米国務省は12月29日、イランの指導者らは、歴史も文化もあったイランを経済的に疲弊し落ちぶれた国にしてしまったとした上で、彼らは暴力、殺戮、そして大混乱を世界にばら撒いていると非難した。
イランの独立系メディア
『ファーズ・ニュース』は、イラン西部のカーマンシャーで12月29日、約300人の市民が集まり、600人の犠牲者を出した11月の大地震の被災者への救済や、政治犯の釈放を求めてデモを行ったところ、警察が突入してきたと報じた。
イランの治安担当のモーセン・ハメダニ氏は、警察はデモ中止に従おうとしなかった数人を一時的に拘束したと語った。
一方、それに先立つ12月28日、第2の都市のマシュハドで数百人の市民が、物価高に抗議してデモ行進を行ったところ、52人が逮捕された。これに対してモハンマド・ラヒム・ノルージアン市長は、警察は違法デモを中止するよう“最大限の寛容”を以て対応したが、一部の人がこの制止を聞かずに破壊行動に出たため、止む無く逮捕したものだと表明した。
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米・英・ロシア・イランメディア;米ボーイング、トランプ大統領就任前にイラン向け航空機商談成約(2016/12/14)
トランプ次期大統領は、日本が推す環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から離脱すると宣言して日本を脅し、中国が核心的利益(注後記)として決して譲れないとしてきた「一つの中国」原則に疑問を呈して中国を怒らせている。同様に、イラン核合意で40年振りに欧米との関係を復活させたイランにしても、トランプ氏が大統領選中“イラン核合意破棄”と述べていたことに戦々恐々だったとみられる。そこで、大統領就任前に既成事実を作ってしまおうと、国営イラン航空が米ボーイングと新型航空機商談を駆け込み成約した。
12月12日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「イラン航空、米ボーイングと160億ドルの航空機商談成約」
「●国営イラン航空と米ボーイングは12月12日、80機の航空機商談を締結。
●2018年からの10年間で737型機50機、777型機30機、合計166億ドル(約1兆9,000億円)を引き渡す大型商談。
●本商談は、1979年のイラン革命以降最大規模。
●オバマ政権は9月、本商談取進めを容認していたが、共和党が多数派の下院議会が11月、同商談を妨げる法案を可決し、上院の審議・採決待ち。...
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12月12日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「イラン航空、米ボーイングと160億ドルの航空機商談成約」
「●国営イラン航空と米ボーイングは12月12日、80機の航空機商談を締結。
●2018年からの10年間で737型機50機、777型機30機、合計166億ドル(約1兆9,000億円)を引き渡す大型商談。
●本商談は、1979年のイラン革命以降最大規模。
●オバマ政権は9月、本商談取進めを容認していたが、共和党が多数派の下院議会が11月、同商談を妨げる法案を可決し、上院の審議・採決待ち。
●これに対してオバマ大統領は、来年1月20日の任期までに同法案の署名を求められたら拒否する旨発言。
●ただ、トランプ次期大統領は選挙戦中、“イラン核合意”を最悪の協定と非難。」
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「米ボーイング、イラン航空向けに総額166億ドルの航空機80機を成約」
「●米ボーイングは12月12日、同社及び全米50州にわたる1万3,600社以上の同社供給先・取引先(150万人以上の雇用創出)は、本商談によって米航空産業が依然世界をリードしていることを証明でき誇りに思うとし、かつ、本商談に伴い数万人の新規雇用が生まれると声明。
●ただ、本商談の発表直前の先週、トランプ次期大統領が、ボーイングが受注している大統領専用機エア・フォース・ワン2機のコストが40億ドル(約4,600億円)以上に膨張していて看過できないため、契約をキャンセルするとツイートしたばかり。」
同日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)テレビニュース』:「イラン、40年振りに米ボーイングと170億ドルの商談成約」
「●イラン航空の航空機は、数十年に及ぶ欧米の経済制裁によって、全く更新できずに老朽化していたため、米ボーイングとの契約締結はイランにとって欧米市場への門戸開放。
●なお、同航空は欧州エアバスとも総額250億ドル(約2兆9,000億円)の118機の商談を進めており、成約間近。
●ただ、ボーイングとしては、欧州エアバスと競争していくため、イランや中国向け商談は必要不可欠。」
同日付イラン
『イラン・ヘラルド』紙:「米ボーイング、80機・166億ドルのイラン向け商談成約」
「●イランのアッバス・アホウンディ運輸相は12月12日、契約署名式典で、イラン航空業界にとって“歴史的な日”とコメントし、また、本契約によってイランに8,000人の新規雇用をもたらすと付言。
●イランが最後に航空機を250機購入したのは、1979年のイラン革命以前の話で、以降は経済制裁もあって、スペアパーツ等が手当てできず、現在就航中なのは僅か162機。
●なお同相は、米国の政権が交代しようと、本契約が支障なく履行されるものと期待しているともコメント。」
(注)核心的利益:中国が、自国の本質的な利益に直結するとし、自国を維持するために必要と見做す、譲ることの出来ない最重要の事柄、自国にとっての利益のこと。中国語表記では核心利益。
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