米・英・アルゼンチン・豪州メディア;国連の新事務総長選びの現況(3)(2016/08/31)
8月8日付
Globali「国連の新事務総長選びの現況(2)」の中で、“8月5日実施の、11人の候補者に対する第2回非公式予備選の結果、元ポルトガル首相のアントニオ・グテーレス氏が最高得票を得ている”と報じた。そして、第3回非公式予備選の結果も、グテーレス氏が最多票を得ており、いよいよ本命が絞り込まれてきている。
8月29日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「ポルトガルのグテーレス氏、国連トップに更に近づく」
「●国連安全保障理事会15ヵ国のメンバーが8月29日に実施した、第3回非公式予備選の結果、元ポルトガル首相のアントニオ・グテーレス氏(67歳)が11票の“支持”を集め、10人の候補者中連続してトップとなり、新事務総長就任の可能性が更に拡大。
●ただ、3票の“不支持”、1票が“意見なし”だったため、拒否権を有する常任理事国の1ヵ国でも“不支持”票を投じている場合、選出を阻まれる恐れ。...
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8月29日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「ポルトガルのグテーレス氏、国連トップに更に近づく」
「●国連安全保障理事会15ヵ国のメンバーが8月29日に実施した、第3回非公式予備選の結果、元ポルトガル首相のアントニオ・グテーレス氏(67歳)が11票の“支持”を集め、10人の候補者中連続してトップとなり、新事務総長就任の可能性が更に拡大。
●ただ、3票の“不支持”、1票が“意見なし”だったため、拒否権を有する常任理事国の1ヵ国でも“不支持”票を投じている場合、選出を阻まれる恐れ。
●今回、東欧出身の候補が善戦していて、2位がスロバキアのミロスラフ・ライチャーク外相の9票、3位がセルビアのビューク・イェレミッチ元外相の7票。
●また、同率3位にブルガリアのイリナ・ボコヴァ氏(女性、ユネスコ事務局長)が返り咲き。
●安保理は少なくともあと2回非公式予備選を行う予定だが、次回より、拒否権保有の常任理事国5ヵ国の投票用紙が区別されるため、“不支持”票を投じられた候補者は撤退を余儀なくされる。」
同日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』記事引用):「ポルトガルのグテーレス氏が予備選で3回連続トップ」
「●国連駐在外交官によると、スロバキアのライチャーク外相が2位と、前回投票時に下から2番目の得票から大幅アップしたことは予想外とコメント。
●前回3位で、女性候補の最高位となったアルゼンチンのスサーナ・マルコーラ外相は、5位に後退。
●国連事務総長はこれまで、アジア・アフリカ・中南米・欧州から順番に選ばれる慣習となっているが、ロシアを含めた東欧諸国が、今回は東欧から選出するよう強く主張。」
同日付英
『ザ・ガーディアン』紙:「アントニオ・グテーレス氏が国連事務総長選挙で地固め」
「●国連駐在外交官の話では、今回の投票で、ロシアもしくはその同盟国がグテーレス氏に“不支持”票を投じたと推測され、たとえ同氏が次回の非公式予備選でトップを維持したとしても、拒否権を有するロシアの反対で事務総長の道は閉ざされる可能性があるとコメント。
●英国のマシュー・ライクロフト国連大使は8月29日、得票数が伸びない候補者は撤退し、次回予備選では最終候補に絞り込むことが望ましいと発言。」
8月31日付アルゼンチン
『アルゼンチン・スター』紙:「元ポルトガル首相のグテーレス氏が国連新事務総長に1歩前進」
「●国連筋によれば、東欧出身の候補を推すロシアが、グテーレス氏に“不支持”票。
●前回予備選で最下位だったモンテネグロのイゴール・ルクシッチ氏が、今回予備選前の先週、撤退を表明
●現候補者10人は得票順に、①アントニオ・グテーレス(元ポルトガル首相)、②ミロスラフ・ライチャーク(スロバキア外相)、③イリナ・ボコヴァ(ブルガリア、ユネスコ事務局長)、④ビューク・イェレミッチ(元セルビア外相)、⑤スサーナ・マルコーラ(アルゼンチン外相)、⑥スルジャン・ケリム(元マケドニア外相)、⑦ヘレン・クラーク(元ニュージーランド首相)、⑧ダニロ・トゥルク(前スロベニア大統領)、⑨ナターリア・ゲルマン(元モルドバ外相)、⑩クリスチアーナ・フィゲレス(コスタリカ、元国連気候変動担当チーフ)。」
同日付豪州
『ザ・キャンベラ・タイムズ』紙(
『ロイター通信』記事引用):「元ポルトガル首相のアントニオ・グテーレス氏が国連新事務総長選抜レースで首位固め、ヘレン・クラーク氏は後退」
「●直近の第3回非公式予備選の結果、元ニュージーランド首相のヘレン・クラーク氏は7位に後退。
●同予備選は、安保理メンバー15ヵ国が全会一致するまで続けられる見込み。
●元豪州首相のケビン・ラッド氏も当初立候補を望んでいたが、ターンブル現首相の推薦を得られず断念。
●安保理は、拒否権保有の常任理事国5ヵ国の支持も含めて全会一致の候補者を絞り込み、10月開催の国連総会(加盟193ヵ国)で承認を求める考え。」
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米・フランス・アルゼンチン・ニュージーランドメディア;国連の新事務総長選びの現況(2)(2016/08/08)
7月21日付
Globali「国連の新事務総長選びの現況」で報じたとおり、今回から国連の事務総長について、過去の常任理事国5ヵ国による密室合意から脱却して、候補者全員を公けにした上で、国連安全保障理事会(15ヵ国)において数度にわたる投票を通じてある程度候補者を絞り、正式に国連総会で選出される運びとなっている。そしてこの程、11人の候補者に対する第2回目の非公式予備選の結果、元ポルトガル首相のアントニオ・グテーレス氏が最高得票を得ている。
8月5日付米
『AP通信』:「ポルトガルのグテーレス氏が国連事務総長選挙で首位」
「●国連安保理は8月5日、前回(7月21日)に続いて第2回目の非公式予備選挙を実施。
●首位は前回に続き元ポルトガル首相のアントニオ・グテーレス氏(“支持票”11票)、2位は元セルビア外相のビューク・イェレミッチ氏(同8票)で、前回3位からの躍進。
●続いてアルゼンチン外相のスサーナ・マルコーラ氏(女性)が、前回8位からの大躍進。...
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8月5日付米
『AP通信』:「ポルトガルのグテーレス氏が国連事務総長選挙で首位」
「●国連安保理は8月5日、前回(7月21日)に続いて第2回目の非公式予備選挙を実施。
●首位は前回に続き元ポルトガル首相のアントニオ・グテーレス氏(“支持票”11票)、2位は元セルビア外相のビューク・イェレミッチ氏(同8票)で、前回3位からの躍進。
●続いてアルゼンチン外相のスサーナ・マルコーラ氏(女性)が、前回8位からの大躍進。
●一方、前回3位だったユネスコ事務局長のイリナ・ボコヴァ氏(女性)は5位に後退。
●また、前回2位だった前スロベニア大統領のダニロ・トゥルク氏も4位に後退。
●グテーレス氏がもし“不支持票”がゼロだったならば、安保理として最終候補として推薦の見込みだったが、今回2票の“不支持票”が出ており、そのうち1票でも拒否権保有の常任理事国のものとの可能性が考えられることから、同様の非公式投票が続けられることになる。
●なお、前回最下位だった12人目の候補の元クロアチア外相のヴェスナ・プーシック氏(女性)は投票日直前の8月4日撤退を表明。」
8月6日付フランス
『ユーロ・ニュース』(1993年刊行の13言語による欧州合同ニュース、本社はフランス):「ポルトガルのアントニオ・グテーレス氏が国連事務総長選挙で“依然首位”」
「●現在の11人の候補の内女性は5人で、コロンビアを中心に約60ヵ国(国連全体の約3分の1)のグループが女性事務総長誕生を後押し。
●しかし、ロシアのヴィタリイ・チュルキン常駐代表は、上記のグループに入っている安保理事国4ヵ国(日本、スペイン、ウルグアイ、ベネズエラ)の中には、実際の投票では女性候補者に投票していない国があると暴露。
●なお、今年10月までに193ヵ国の国連メンバーに正式承認を求めることになるが、その前に、拒否権保有の安保理常任理事国5ヵ国の支持獲得が必須。」
同日付アルゼンチン
『アルゼンチン・スター』オンラインニュース:「国連事務総長選びで元ポルトガル首相がリード;女性候補は後退」
「●アルゼンチン外相で元国連事務総長付主任だったスサーナ・マルコーラ氏が3位(女性候補トップ)の得票。
●安保理の非公式投票結果は、参加メンバーからの非公式コメント等ですぐに明らかにされるが、どの国が誰に投票したか等含めて原則非公開方針を堅持。
●モーエンス・リュッケトスト国連総会議長(編注;デンマーク代表で今年9月までの任期の第70回総会議長)は、依然透明性が確保されておらず遺憾と強く非難。
●前回女性候補トップ(全体3位)だったブルガリアのボコヴァ氏は、米国から“不支持票”が出され、マルコーラ氏の場合は、今回は欧州出身という順番からアルゼンチンは対象外としてロシアが反対した模様。
●更に噂では、トップのポルトガルのグテーレス氏の“不支持票”2票のうち1票はロシアが投じたものと言われ、その理由が(何かとロシアと敵対する)北大西洋条約機構(NATO)の原加盟国出身のため。」
8月7日付ニュージーランド
『ザ・ニュージーランド・ヘラルド』紙:「国連事務総長第2回選挙でヘレン・クラーク氏後退」
「●前ニュージーランド首相のヘレン・クラーク氏は、“支持票”が前回の8票から6票に減り、代わって“不支持票”が5票から8票に増え、“意見無し”が2票から1票となった結果に大変失望と表明。
●第2回投票の波乱は、前回8位だったアルゼンチンのマルコーラ氏が3位(女性候補トップ)となったこと。」
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