世界が見るメルケル首相の訪日
メルケル首相が7年ぶりに来日、安倍首相との日独首脳会談や天皇陛下との懇談も行われた。首脳会談ではウクライナ問題での連携や、G7の話題、世界第3位と第4位である両国の経済関係の強化や歴史問題などが話し合われた。またメルケル首相はウクライナとアジア情勢、大震災と復興、G7の重点課題、戦後70年、テロとの戦い、脱原発などの幅広い分野についての講演(朝日新聞主催)を行った。各国はメルケル首相の訪日について取り上げたが、その内容は歴史認識問題に終始リンクさせる形の報道で、結果的に”ドイツは歴史に向き合ったが日本はどうしようとしているのか疑問”とのメッセージを、国際社会に発信した形になっている。各国は、メルケル首相の訪日について以下のように報じた。
3月9日付
『BBC』(英国)は「メルケル首相訪日、歴史問題に言及」との見出しで、「日本が隣国から過去の侵略行為を認めていないと非難される中、今年後半にも安倍首相は戦後70周年談話を発表することになっている。しかしその内容については、アジアに対する侵略に関する部分が、弱い表現に置き換えられるのではないかとの憶測が広がっている」と報じた上で、「メルケル首相は講演会の中で第2次大戦後のフランスとドイツの和解について言及し、”隣国フランスの寛容なふるまいもあったが、ドイツも真正面からナチスドイツの引き起こした過去と向き合った”と述べた」と婉曲的な表現で、メルケル首相が日本も歴史に向き合うよう促したことを報じ、「歴史の教訓は平和的手段で和解を見出していくことだ」とのメルケル首相の発言を紹介した。...
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3月9日付
『BBC』(英国)は「メルケル首相訪日、歴史問題に言及」との見出しで、「日本が隣国から過去の侵略行為を認めていないと非難される中、今年後半にも安倍首相は戦後70周年談話を発表することになっている。しかしその内容については、アジアに対する侵略に関する部分が、弱い表現に置き換えられるのではないかとの憶測が広がっている」と報じた上で、「メルケル首相は講演会の中で第2次大戦後のフランスとドイツの和解について言及し、”隣国フランスの寛容なふるまいもあったが、ドイツも真正面からナチスドイツの引き起こした過去と向き合った”と述べた」と婉曲的な表現で、メルケル首相が日本も歴史に向き合うよう促したことを報じ、「歴史の教訓は平和的手段で和解を見出していくことだ」とのメルケル首相の発言を紹介した。
3月9日付
『AP通信』(米国)は、「歴史修正主義者ではないかとの見方もある安倍首相が、終戦70周年記念談話の発表を準備している中、メルケル首相が来日し”ドイツは第2次世界大戦で自国が行った残虐行為に向き合う努力を行ったからこそ、現在の国際社会で尊敬される立場に復帰することができた”と発言した」と報じた。
3月9日付
『ロイター通信』(英国)は、メルケル首相が講演会で歴史問題に言及したことにからめて「日本の保守的政治家は、しばしば過去の(侵略行為に対しての)謝罪についての疑問を口にするが、これは中国と韓国との歴史問題が(日本にとっての)有利な外交カードになりうるからで、彼らはあえて緊張状態を持続させている」との一部の識者の見解を紹介した。
3月9日付
『ガーディアン』(英国)は日本に反省の色が見えないことについて、「(日本の一部の政治家達には)自国が行った侵略戦争を、自分たちに都合がいい形に表現することによって国内での支持を強化させたい思惑がある」との中国や韓国の首脳の見方を紹介した。
3月10日付
『中国網』(中国)は「ドイツのメルケル首相は、日本を訪問し、ドイツが歴史と真正面から向き合うことは、自分たちの国が第2次世界大戦後の国際社会に受け入れられるための前提条件であったと述べた」と伝えた。
3月10日付
『YTN』(韓国)は「日本を訪問したメルケル首相は、”ドイツは過去と正面から向き合った”と述べ、安倍政権に対して間接的に過去の歴史を直視することを注文した」と報じた。
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世界が見る与那国島の住民投票
沖縄県与那国島で、陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の是非を問う住民投票が実施され、即日開票の結果、賛成が過半数を占め、政府の配備推進を追認した形になり、過半数が沖縄の米軍基地に対して反対する意思を示した沖縄県知事選挙とは反対の結果になった。米軍普天間基地の辺野古への移設問題等で、沖縄の負担が重くなっているという県民感情が存在する一方で海洋進出をますます強める中国の動きがあり、与那国島を含む沖縄の地理的重要性が高まっているのもまた確かだ。各国は、与那国島の住民投票に関して以下のように報じた。
2月23日付
『ウォールストリートジャーナル』(米国)は、「賛成が過半数を占めた与那国島で行われた住民投票は、自衛隊施設の建設について住民の支持する姿勢を明確に示した」と報じた。
2月23日付
『ゲッティニュース』(米国)は、「一部の住民は強力な電磁波が発生する可能性があることや、島に基地があることで、島自体が狙われるとの理由で強固に反対していた」と伝え、「日本の軍事的な動きはアジア諸国の懸念を増大させている」と報じた。...
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2月23日付
『ウォールストリートジャーナル』(米国)は、「賛成が過半数を占めた与那国島で行われた住民投票は、自衛隊施設の建設について住民の支持する姿勢を明確に示した」と報じた。
2月23日付
『ゲッティニュース』(米国)は、「一部の住民は強力な電磁波が発生する可能性があることや、島に基地があることで、島自体が狙われるとの理由で強固に反対していた」と伝え、「日本の軍事的な動きはアジア諸国の懸念を増大させている」と報じた。
2月24日付
『連合ニュース』(韓国)は、「与那国島は、日本の有人島の中では中国と日本の間で領有権紛争が生じている尖閣諸島まで150キロと最も近い島であり、日本がここに沿岸監視部隊を新設することは中国の動きを牽制するための布石とみられており、中国が反発する可能性がある」と報じた。
2月24日付
『YTN』(韓国)は、「中国は、日本が尖閣での紛争に備えると同時に中国軍の太平洋進出を防ぐために、与那国島への自衛隊の配置を推進していると考えている」と伝えた。
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