妊娠により加齢が加速するとの研究(2024/04/09)
妊娠は女性の体に大きな影響を与えるが、最新の研究によると、妊娠期間中に、生物学的な加齢が加速している可能性があるという。
4月8日付英
『Guardian』:「妊娠で生物学的老化が加速するとの仮説」:
ある研究によると、妊娠により、生物学的な加齢が加速している可能性があるという。
米コロンビア大学の公衆衛生大学院の研究者らは、フィリピンの1735人の妊娠歴とDNAサンプルを長期的に観察し、妊娠が老化プロセスに与える影響を調査した。
DNAのメチル化と呼ばれるパターンに基づき、6つの異なる「生物学的年齢」を割り出した。...
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4月8日付英
『Guardian』:「妊娠で生物学的老化が加速するとの仮説」:
ある研究によると、妊娠により、生物学的な加齢が加速している可能性があるという。
米コロンビア大学の公衆衛生大学院の研究者らは、フィリピンの1735人の妊娠歴とDNAサンプルを長期的に観察し、妊娠が老化プロセスに与える影響を調査した。
DNAのメチル化と呼ばれるパターンに基づき、6つの異なる「生物学的年齢」を割り出した。825人を対象とした研究では、1回の妊娠ごとに2~3ヶ月生物学的年齢が加速していた。調査した6年間での妊娠回数が多い人ほど、加速傾向が高くまったという。社会経済的地位、喫煙、遺伝的差異、環境要因等を考慮しても、妊娠と生物学的年齢の関係性については同じだった。
米国立科学アカデミー紀要に掲載された同研究を行ったコロンビア・エイジング・センターのカレン・ライアン所長は、「我々の研究で、妊娠により加齢が進むことが確認された。その影響は若い、妊娠力のある女性でより顕著にみられた」としている。
同日付米『ワシントン・ポスト』:「妊娠により老化が加速する仕組み」:
妊婦の血中細胞内の遺伝子マーカーを調査した2つの最新研究によると、妊娠により、数ヶ月または数年、妊婦の細胞の生物学的年齢が増していたという。
一方で、出産後にそのプロセスがもとに戻り、妊娠期間よりも細胞が生物学的に若くなり、特に母乳を与えている場合に、それが顕著にみられたという。
8日、米国立科学アカデミー紀要に掲載された研究では、人工知能プログラムを使用し開発された「生物学的年齢」の「時計」を使い、血液サンプル中のDNAマーカーを分析。マーカーは、遺伝以外の要素である年齢、健康、生活に反応し変化し、「生物学的年齢」は、実際の年齢とは違う働きをする。
同じ年に生まれたフィリピン人女性のサンプルを調査したところ、この「生物学的年齢」は妊娠により、少なくとも7ヶ月高まる傾向が見られたという。
同様に、3月、国際科学誌.「セル・メタボリズム」に掲載された研究では、米国人女性119人の血液サンプルを使い生物学的年齢に関連した後成的変化を追ったところ、妊娠周期が経過するにつれ、血液細胞のDNAに2年ほどの加齢が確認されたという。
研究を行ったイェール児童研究センターのキーラン・オドネル博士は、「妊娠の自然ストレステストとしての影響が興味深いものだった」としている。
一方で、妊娠が終了してから3ヶ月以内に、殆どの場合で加齢現象が逆転。総じてDNAマーカーはすぐもとの若い状態に戻っており、特に授乳を行った場合に、明らかに生物学的年齢が最大8歳「若く」なったケースもみられたという。
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米、宇宙ゴミに罰金(2023/10/04)
米当局は、古い人工衛星である宇宙ゴミ(スペースデブリ)を軌道から離脱させなかったとして、米衛星放送大手に初めて罰金を科したという。近年、宇宙ゴミが軌道環境の安全を脅かす可能性があることから宇宙ゴミ除去問題の早急な対処が求められており、今後の同様のケースが増えるとみられている。
10月3日付米
『ワシントン・ポスト』:「宇宙ごみの取締強化、米連邦通信委員会が初めて罰金を科す」:
米政府は宇宙に危険を及ぼす可能性のあるゴミの除去の取り締まりを強化している。初めて、米連邦通信委員会(FCC)が、この宇宙ゴミに対してペナルティを科した。当局は事態の深刻さを知らせる「画期的な判例」になると期待している。
FCCの調査の結果、軌道上に衛星を「ライセンス契約条件よりかなり下方に」捨て置いたとして、衛星放送大手「ディッシュ・ネットワーク」に15万ドルの罰金が科された。...
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10月3日付米
『ワシントン・ポスト』:「宇宙ごみの取締強化、米連邦通信委員会が初めて罰金を科す」:
米政府は宇宙に危険を及ぼす可能性のあるゴミの除去の取り締まりを強化している。初めて、米連邦通信委員会(FCC)が、この宇宙ゴミに対してペナルティを科した。当局は事態の深刻さを知らせる「画期的な判例」になると期待している。
FCCの調査の結果、軌道上に衛星を「ライセンス契約条件よりかなり下方に」捨て置いたとして、衛星放送大手「ディッシュ・ネットワーク」に15万ドルの罰金が科された。
NASAによると、宇宙ゴミは軌道上で猛スピードで周回する今後使う用途のない人工物とされ、放棄ロケットやその部品、わずかな塗料の欠片でもスペースシャトルの窓を壊す可能性があるという。
FCCの執行局長は2日の声明で、「衛星の利用や宇宙経済活動が活性化するにつれ、責任の重みも増してくる。罰金は当局の権限とルールの重要性を明確にするものである」としている。
現在、地球の周りを6千の衛星が周回しており、軌道上には直径1~10cmのゴミ50万個が漂っているとされる。
ディッシュ・ネットワークは、「これまで安全性を守った衛星飛行を行ってきたが、FCCライセンシーとして責任を重大に受け止めている」とする一方で、当該衛星は、「2002年に打ち上げられた比較的古い探査機で、免除対象の最小限のゴミの範囲内にあるものだった。安全への懸念となる特定の証拠は示されていない」としている。
昨年バイデン大統領は、軌道上の衛星破壊実験の禁止を呼びかけ、政府は宇宙ゴミ(デブリ)除去プロジェクト「Orbital Prime」を立ち上げた。技術的にも資金的にも難しい中、政府と企業が連携しデブリ除去に取り組んでいる。
同日付英『BBC』:「米、ディッシュ・ネットワークに初の宇宙ごみ罰金」
米政府は、地球軌道上の宇宙ゴミで、企業に初めて罰金を科した。
ディッシュ・ネットワークは同社の衛星「EchoStar-7」を対象とした「コンプライアンス計画」に合意したとしている。
米連邦通信委員会(FCC)は現在の高度にある同社の衛星が地球軌道上の他の衛星への危険リスクとなると判断したという。「EchoStar-7」は2002年、地上3千6万キロ(2万2千マイル)の静止軌道へ打ち上げられた。186マイル更に上空に移動する予定だったが、2022年の任務終了期に、燃料不足により76マイルしか上昇出来なかった。
罰金15万ドルは、2022年1670万ドルとなったディッシュ・ネットワーク社の収益に対し、微々たるものであるが、罰金の前例ができたという意味では、今後衛星業界に与える影響は大きいとみられている。
1957年以降、1万個以上の人口衛星が打ち上げられ、その半数以上が現在使用されていないとされている。アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、10cm幅の空間に2.5万個以上の宇宙ゴミが存在しているとされ深刻な問題となっている。
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