EU、 ロシア産ガス依存脱却のためにガス備蓄量80%で合意(2022/05/20)
EU27カ国を代表する欧州議会と理事会は、加盟国が11月までに自国のガス備蓄量を「少なくとも80%」満たすことを義務付ける規則で合意に達したと発表した。
仏
『レゼコー』は、「今年の冬を暖かく過ごすことが出来るように、欧州委員会の最初の提案から2カ月足らずで、議会と理事会は19日、ガス備蓄の増強について合意に至った。」と報じている。欧州機関の合意では、加盟国は11月1日までに少なくとも埋蔵施設を80%満たすことが求められている。エネルギー供給を確保するため、次年度以降は90%に引き上げる。欧州委員会の試算によると、この90%という水準は、供給が途絶えた場合でも冬の需要を賄うことができることを想定している。...
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仏
『レゼコー』は、「今年の冬を暖かく過ごすことが出来るように、欧州委員会の最初の提案から2カ月足らずで、議会と理事会は19日、ガス備蓄の増強について合意に至った。」と報じている。欧州機関の合意では、加盟国は11月1日までに少なくとも埋蔵施設を80%満たすことが求められている。エネルギー供給を確保するため、次年度以降は90%に引き上げる。欧州委員会の試算によると、この90%という水準は、供給が途絶えた場合でも冬の需要を賄うことができることを想定している。
規模に対して過剰な生産能力を持つ一部の加盟国は、年間消費量の35%を上限として在庫を満たすことができる。一方、貯蔵能力のない9つの加盟国(キプロス、エストニア、フィンランド、ギリシャ、アイルランド、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、スロベニア)は、備蓄義務の財政負担を分担する仕組みで、他国と連帯協定を結んでガスの貯蔵量を確保する必要がある。
仏ニュースサイト『ルプログレ』によると、ドイツ、イタリア、オランダ、フランス、オーストリアの5カ国にある備蓄施設は、EU全体の容量の3分の2を占めているという。理事会は「加盟国は液化天然ガス(LNG)や代替燃料の在庫を含めることで、90%の目標を部分的に達成することができる」としている。
また、欧州議会と理事会は、「重要な貯蔵インフラに対する外部からの影響による潜在的なリスクを回避するため」、すべての備蓄施設運用者の認証義務化についても合意した。
欧州議会は、備蓄量を増やすためにロシアのガスを使うことを禁止する条項の導入を推進していたが、加盟国の拒否により、可能な限り供給の多様化を図ることをのみ求めることになった。また、この義務は2025年までしか続かず、それ以降は終了する。
5月17日時点のEUのガス備蓄量はフランス44%、ドイツ42%、イタリア45%、オランダ33%、オーストリア27%、スペイン65%と、大きな格差があるものの、平均41%(昨年同時期は34%)であった。
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ウクライナ支援:フランスが、現場で不足する軍事医療のノウハウを提供(2022/05/19)
ロシアの侵攻により、ウクライナでは多くの都市が紛争地と化した。医療従事者たちは、これまで見たことのない怪我への対応や経験したことのない大量の患者を次々と受け入れる事態に直面している。こうした中、ウクライナの医療時従事者たちが、トリアージの方法を含めた、戦時下での緊急医療の施し方について学ぶ機会をフランスが提供し始めた。
仏
『ユーロニュース』によると、ウクライナから9人の医師が、例外的にウクライナ当局から1週間のフランス滞在を許可された。シリア内戦において医療を施した経験を持つフランス人のラファエル・ピティ医師のもと、集中的に、密度の濃いトレーニングを受けることができた。ピティ医師は、これまで11年間に及び、3万4千人以上の看護師や救急隊員をシリアで育成してきた経験を持つ。「私たちが教えるのは、病院で治療を受けることが出来る手前の、被害者を安定させ、治療を待っている間の、救おうとするための手順だ」と説明している。...
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『ユーロニュース』によると、ウクライナから9人の医師が、例外的にウクライナ当局から1週間のフランス滞在を許可された。シリア内戦において医療を施した経験を持つフランス人のラファエル・ピティ医師のもと、集中的に、密度の濃いトレーニングを受けることができた。ピティ医師は、これまで11年間に及び、3万4千人以上の看護師や救急隊員をシリアで育成してきた経験を持つ。「私たちが教えるのは、病院で治療を受けることが出来る手前の、被害者を安定させ、治療を待っている間の、救おうとするための手順だ」と説明している。
麻酔医、蘇生医、救急医、外科医など、ウクライナの医療従事者の中から特別に選ばれた9人は、自国に戻った後、自らがトレーナーとなってウクライナ国内の医療従事者達を訓練していく。6月末にはウクライナ西部リヴィウにトレーニングセンターが新しく開設されるという。
仏紙『レゼコー』によると、ピティ医師は、紛争地帯では「素早く行動できることが必要だ」と述べている。「戦場で負傷した人の半数は、出血や窒息で最初の1時間以内に死亡する。そのため、この1時間の中で、被害者の死を防ぐことができる」対策を学ぶ必要があるという。
「戦時中の医療従事者というのは、時間的なプレッシャー、被災者の流入によるプレッシャー、現場の動きによるプレッシャーなど、常にさまざまなプレッシャーにさらされる。」反面、「病態はそれほど広範ではない。主に、火傷患者、圧死者、爆風、外傷を受けた手足、胸部、腹部、頭蓋骨」だという。
このトレーニングに参加したイゴール・デイネカさんは、「今、最も必要なのは医療機器と訓練を受けた人たちだ。医師だけでなく、戦場で活動するための訓練を受け、負傷者をどこでどのように避難させるかを知っている、広い意味での介護者だ」と述べている。
マリウポリ出身の麻酔蘇生医、アルテム・アハンツェフさんは、医療機器の面で「緊急に必要なのは止血帯」だと述べた。別の医師、イゴール・デイネカさんは、例えばトリアージの際に、絶対的緊急性と相対的緊急性を非常に迅速に区別することができる「超音波検査」の不足をあげている。ピティ医師は、今後「1台2500ユーロ(約34万円)のこの種の機器を購入し、すべての病院に設置できるよう寄付する予定だ」と述べている。
なお、ウクライナでは医療関係者は、ロシア軍にとって格好の標的となっているため、特に紛争地では身分を明かさないことが大切だという。
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