フランス、米IT大手に対抗するためのクラウド国家戦略を発表(2021/05/19)
フランス政府は17日、オンラインに保存されたデータの保護を強化する方法として「クラウド国家戦略」を発表した。グーグル、アマゾン、マイクロソフトの独占状態に直面しているフランス政府は、欧州の機関や企業にとってより高いセキュリティ基準を備えた経済的、法的条件が整った環境作りを行いたいと考えている。
仏ラジオ局
『ヨーロッパ1』は、フロッピーディスク、USB、ハードディスクを経て、データ保存先として今日最も広く普及しているクラウドだが、それは、アメリカのグーグル、アマゾン、マイクロソフトの三社に独占されていると伝えている。この分野において、フランスは、取り返しのつかない後れを取ったことを理解し、第3の方法である「信頼できるクラウド」の導入を試みようとしている。
ルメール経済・財務相は17日、「クラウドは目に見えないものだ。...
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『ヨーロッパ1』は、フロッピーディスク、USB、ハードディスクを経て、データ保存先として今日最も広く普及しているクラウドだが、それは、アメリカのグーグル、アマゾン、マイクロソフトの三社に独占されていると伝えている。この分野において、フランスは、取り返しのつかない後れを取ったことを理解し、第3の方法である「信頼できるクラウド」の導入を試みようとしている。
ルメール経済・財務相は17日、「クラウドは目に見えないものだ。しかし、それは私たちの経済の基礎となるもので、企業の発展やデータの価値を高めることを可能にするものだ。」と述べ、アメリカ企業による独占に対し、フランス政府が「経済的、技術的な観点から」解決していくための戦略を明らかにした。
フランスの戦略は、3つの柱に基づいている。第一の柱は、「信頼できるクラウド」というラベルの制度の導入だ。これは、フランスにサーバーを置き、最高水準のデータ保護を約束する欧州のクラウド企業に与えられるラベルになる。グーグル、アマゾン、マイクロソフトは、「クラウド法」によって、米国政府の要請があれば、米国外も含めて自社のサーバーに保存されているすべてのデータにアクセスすることができる。ルメール経済・財務相は、「我々はこの治外法権を拒否し、この法律から身を守るつもりだ」と説明した。
国家戦略の第2の柱は、データ保存の観点から国家主権を守ることができる国内企業の支援である。すでに5つのプロジェクトが決定しており、総額1億ユーロ(約130億円)の予算が投入される。KPMG社が現在530億ユーロ(約7兆円)と見積もっている欧州のクラウド市場は、2030年までに5倍から10倍に拡大すると言われており、この投資は大きなインパクトがあると見られている。
クラウド国家戦略の3つ目の柱は、クラウドを公共サービスでも利用するというものだ。アメリー・ド・モンシャラン国家変革・公務員相は、「行政を21世紀に適合させる必要がある」と述べ、「クラウドを利用することで、新しいデジタル公共サービスを、より早く、より俊敏に、より低コストで、より反復的に開発することができる」と語った。
スイス紙『ラジェフィ』によると、公共部門のすべてのプロジェクトはデフォルトでクラウドが保存先として設定され、今後、EU域外の法令適用のリスクから保護されている国家のクラウドを経由するか、「信頼できるクラウド」と認定されたプロバイダーを経由することになる。「機密データを扱うデジタル製品は、それがフランス国民の個人データであれ、フランス企業の経済データであれ、国の公的機関に関連するアプリであれ、必ず国内部のクラウドか、信頼できるクラウドとして認定されたクラウドにホストされ、EU域外のあらゆる規制から保護されなければならない」と政府は警告している。
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フランス、次世代「スマート自転車」市場が急成長(2021/05/17)
フランスは、2年前の公共交通機関での大規模ストや、昨年からのコロナ禍による感染防止対策の影響、あるいは環境保護への意識が高かまっていることから、自転車通勤を行う人が急増している。自転車市場が好調な中、更なる快適さを提供するための次世代自転車の開発のための技術競争が始まっている。
仏金融紙
『レゼコー』によると、ベルギーの新興企業「Cowboy」が最近発表した、2つのモデルがマスコミを賑わせている。ブレーキがフレームに完全に組み込まれている革新的なデザインで人気を集めているだけでなく、今までにない機能性も注目を集めている。
トルクが50%向上され、バッテリーによる走行距離は最大70kmとなっている。米IT系ニュースサイト『テッククランチ』によると、自転車はギアチェンジの必要がなく、クランクを回すだけでエンジンが始動するようになっている。...
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仏金融紙
『レゼコー』によると、ベルギーの新興企業「Cowboy」が最近発表した、2つのモデルがマスコミを賑わせている。ブレーキがフレームに完全に組み込まれている革新的なデザインで人気を集めているだけでなく、今までにない機能性も注目を集めている。
トルクが50%向上され、バッテリーによる走行距離は最大70kmとなっている。米IT系ニュースサイト『テッククランチ』によると、自転車はギアチェンジの必要がなく、クランクを回すだけでエンジンが始動するようになっている。また、ステムにはワイヤレス充電装置が設置されており、スマートフォンを自転車に設置することで、自転車に内蔵されているバッテリーからワイヤレスで充電することができる。
また、同社のアプリを通して、運動量や位置情報に加え、お天気情報や空気のきれいなルートを提案してもらえる。乗り手は、「Cowboy」社の自転車愛好家たちとチャットをしたり、ランニングアプリ「Strava」のようにゲーム感覚で競い合うこともできる。
カウボーイ社のエイドリアン・ルース社長は、「私たちの使命は、都市で生活をする人々が、他の交通手段よりも速く、安全に、楽しく移動できるようにすることです。街中の散策、健康維持など、五感とのつながりを取り戻し、自転車に乗る、というシンプルなスリルを再発見することができます」と述べている。
マルセイユを拠点とする新興企業「iWeech」は、可能な限り使いやすいハイテク自転車を開発している。iWeechの自転車は、ギアチェンジのためのボタンは1つもなく、クランクセットに搭載されたセンサーによって自動的にギアチェンジが行われる。また、バッテリーの充電量に応じて、電動アシスト機能を発揮する。
仏ラジオ放送局『ヨーロッパ1』によると、「自転車のテスラ」と称される「Angell」が開発したスマート自転車も人気を集めている。開発者のシモンシニ氏は、スマート自転車には「可能な限り安全性を高めるために、多くの電子機器やソフトウェアが投入されている。」と説明している。例えば、転倒してしまった場合、自転車がそれを検知し、乗り手が30秒以内に自転車のタッチパネルをタッチしないと、事前に登録した緊急連絡先に自動的に電話をかけてくれる。また、盗難に備えてアラームが作動するように設定したり、盗まれてしまった自転車を遠隔操作でロックしたり、GPSで追跡することも可能となっている。「Angell」は、2020年9月以降、2,500人から3,000人の人々が購入しており、今後はフランスだけでなくドイツ、イギリス、スペイン、イタリアにも販売を拡大していくことが予定されている。
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