世界最大のクルーズ客船、「奴隷労働」のキューバ人を雇っているとして告発される(2022/02/01)
1月26日、キューバの人権団体は、キューバ政府が海外に派遣された医師、芸術家、スポーツ選手、教師、船舶職員などを「奴隷」として扱っているとして告発した。キューバは現在、与党共産党による独裁体制が敷かれている。
仏紙
『ル・モンド』によると、2019年5月にハーグの国際刑事裁判所(ICC)とジュネーブの国連に、110人の医師に関するキューバ当局による「奴隷制度」を訴える文書が提出された。文書は、医療従事者たちが、キューバの外交とその経済にとって不可欠な収入源となっている「海外派遣団」に、ボランティアとして自主的に参加しているわけではない現状を指摘していた。派遣された人の給料の90パーセントは共産党政府に支払われ、許可なく結婚することが禁じられ、「脱走」すると8年間入国禁止となるなど、多くの制約があった。...
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仏紙
『ル・モンド』によると、2019年5月にハーグの国際刑事裁判所(ICC)とジュネーブの国連に、110人の医師に関するキューバ当局による「奴隷制度」を訴える文書が提出された。文書は、医療従事者たちが、キューバの外交とその経済にとって不可欠な収入源となっている「海外派遣団」に、ボランティアとして自主的に参加しているわけではない現状を指摘していた。派遣された人の給料の90パーセントは共産党政府に支払われ、許可なく結婚することが禁じられ、「脱走」すると8年間入国禁止となるなど、多くの制約があった。その後、2020年までに、600以上の新しい証言が追加された。
そして今回、1月27日に、マドリードの囚人擁護団体、「ラテンアメリカの開放と発展のためのセンター」、そしてキューバ反体制組織の「キューバ愛国同盟」が、国際刑事裁判所(ICC)と国連に、1100以上の証言に基づく新たな告発文書を提出した。文書は、これまで約4万人の専門職に就くキューバ人がキューバから逃げ出し、入国禁止になっていると報告している。そして、現在5千人から1万人の「脱走者」たちが我が子に会うことができないでいるという。今回の文書は、クルーズ船で雇用され、奴隷同様の労働条件に置かれている乗組員(キッチンアシスタント、客室係、受付係、技術者等)らの証言を集めている。
匿名を条件に『ル・モンド』紙の取材に応じたキューバ人によると、イタリア系のジュネーブに本社を置くヨーロッパ最大のクルーズ会社「MSC」子会社、「MSC Crociere」の船で働いていたという。2019年に9カ月間過ごしたクルーズ船には100人ほどのキューバ人が働いていたと推定している。
MSCがキューバ人を雇用するには、船員の募集と訓練を担当する国家機関、Selecmarを通さなければならないという。Selecmarは、国際労働機関(ILO)が定めた協定を尊重していると反論しているが、文書に掲載された雇用契約書によると、キューバ人従業員の基本給の80%がSelecmarに支払われているという。訴状に添付された2つの契約書によると328ユーロから408ユーロ(約4万2千円から約5万3千円)になる。
米『ボイス・オブ・アメリカ』は、海外での仕事が、キューバ政府にとって有利な収入源となっていると伝えている。共産党政府には海外から毎年85億ドル(約9774億円)がもたらされる。これに対し、観光は年間29億ドル(約3335億円)の収入にとどまる。
文書によると、海外で働くキューバ人の約41%が、任地で性的暴行を受けたことがあると答えている。人権団体は、キューバ政府はキューバの国際任務の一部を構成する専門家の基本的権利を侵害していると主張している。
中南米やアフリカを中心に世界60カ国で働くキューバ人医師は推定3万人で、キューバ当局は、一度海外に出た彼らの離反を阻止するために厳しいルールを策定しているという。エクアドルで8年間働いたキューバ人医師、ダヤミ・ゴンザレスは、キューバ政府からの任務から降りたいと申し出た際、脅迫を受けたと証言している。
米国のアントニー・ブリンケン国務長官は、キューバや北朝鮮などでの人身売買に対処する連邦タスクフォースを立ち上げるよう呼びかけた。仏ニュースサイト『ユーロニュース』によると、欧州議会の副議長の一人であるディタ・チャランゾヴァは、このような恥ずべき制度はヨーロッパでは許されないという。「「欧州連合はキューバと枠組み協定を結んでいるが、この協定の批准プロセスにおいて、強力な人権条項を条件としたのは、実は欧州議会だった。今こそ、この協定をきちんと履行し、実施する時だと思う。そして、こうした実態は、欧州連合が強制労働を禁止する緊急性があることを示していると思う。」と語っている。
スペインの欧州議員ジョルディ・カナス氏は、「キューバは自由な国というより、奴隷農園のようなものだ。キューバは、お金を生み出すために国民を奴隷のように扱っている。」と非難している。
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欧州:行動規制を緩和する国々が出てくる一方で、各地でワクチンパスへの反対デモも(2022/01/24)
ヨーロッパの主要経済圏では、患者数や入院者数の急増する中、ここ数週間導入されていたコロナ規制の撤廃が始まっている。一方で、ワクチンパスを導入する欧州諸国で反対デモが続いている。
米メディア
『エポックタイムズ』によると、英国のボリス・ジョンソン首相は、イングランでは1月27日から、公共の場でマスクを着用したり、一部の会場に入場する際にワクチン接種を証明したりする必要がなくなることを発表した。ジョンソン首相は先週、ブースター接種キャンペーンが進んでいることと、より厳しい規制となる「プランB」に対する国民の反応とを鑑みて、イングランドでは「プランA」に戻し、「プランB」の規制を27日から失効させると述べた。...
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米メディア
『エポックタイムズ』によると、英国のボリス・ジョンソン首相は、イングランでは1月27日から、公共の場でマスクを着用したり、一部の会場に入場する際にワクチン接種を証明したりする必要がなくなることを発表した。ジョンソン首相は先週、ブースター接種キャンペーンが進んでいることと、より厳しい規制となる「プランB」に対する国民の反応とを鑑みて、イングランドでは「プランA」に戻し、「プランB」の規制を27日から失効させると述べた。首相は、オミクロン株の感染拡大が今や全国的にピークを過ぎたことを示唆するデータをもとに「内閣は、規制が失効すれば、政府はどこにおいてもフェイスマスクの着用を義務付けないという結論を出した」と語った。
近隣のアイルランドでは22日、新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあることを踏まえ、屋外や屋内のイベントでの定員制限を含む、ほぼすべてのコロナ関連の行動規制を撤廃した。時短や社会的距離を置くための措置も解除された。アイルランドのミホル・マーティン首相は、「春がやってくる。これほど楽しみにしていたことはなかったかもしれない。人間は社会的な存在であり、私たちアイルランド人は人一倍社交的です。この春を楽しみにしながら、私たちは再びお互いに会い、笑顔を見せ、歌う必要があります」と述べている。
フランスのジャン・カステックス首相も先週、フランスの新型コロナウイルスの患者数と入院者数が改善されていると主張し、数週間以内に規制を撤廃し始めると述べた。仏経済紙『レゼコー』によると、カステックス首相は、すべての地域でデルタ株が減少していること、重症化する危険がデルタよりも低いオミクロン株が主流となっていること、ワクチン接種が進んでおり、ワクチン接種パスの発効が近いことから、行動規制を段階的に緩和していくことを明らかにした。同紙は、規制緩和の早めの発表は、フランス政府がいかに敏感であるかということを表していると同時に、相次ぐコロナの波に直面するフランス国民の疲弊を懸念していることも示している、と報じている。いくつかの世論調査で、フランス人の過半数が健康危機への対応について行政を信頼していない、という結果が見られたという。
行動規制が緩和される国がある一方で、ワクチンパスを導入している国々では市民による反対デモ運動が行われている。仏放送局『ユーロニュース』によると、フランスでワクチンパスの導入に反対する人々は、施行2日前の22日、フランスのいくつかの都市でデモ行進を行い、ワクチン接種者と非接種者の間に政府が「アパルトヘイト」を課していると糾弾した。警察の発表によると、首都パリでは、午前中に黄色いベストが行進し、午後は、15時ごろから数百人がデモ行進を行った。また、南仏のエクサンプロバンスでは700人、モンペリエでは950人、マルセイユでは1200人がデモに集まったという。
12歳以上の83%以上がワクチン接種を終えているスウェーデンでも、22日、ストックホルムとヨーテボリで反ワクチンパス集会が開催され、何千人もの人々が参加したという。デモ参加者は、「自分の体をどうするか、自分で決められるようにしなければならない」と訴えている。スウェーデンでは12月1日にワクチンパスが導入されている。
その他、ヘルシンキ(フィンランド)、グラスゴー(スコットランド)、ビルバオ(スペイン)でも同様のデモが行われた。なお、仏公共メディア『フランスアンフォ』によると、ベルギーでは23日、首都ブリュッセルで約5万人のデモ隊が行進し、コロナ関連の行動規制に抗議した。これまでの行進より規模が大きくなったデモ行進には、「自由のための世界的なデモ」連合や「自由のためのヨーロッパ人」連合などの主催者が、他のヨーロッパ諸国からのデモ参加者を招待し、オランダ、ポーランド、ルーマニアの国旗も行列の中に見られたという。
集会に参加した複数のジャーナリストがソーシャルネットワークに投稿した画像によると、集会は活動家と警察の間で衝突があり、欧州機関の近くに集まった群衆を鎮めるために催涙ガスや放水銃が使用され、デモ隊は警察車両を襲ったという。ベルギー警察は、このデモで、約70人が逮捕されたと報告している。警官3名とデモ参加者12名が入院したが、命に別状はないという。また、警察の車やEUの建物など、広範囲に及ぶ物的損害が報告された。EUのジョゼップ・ボレル外相は、覆面をした犯人が外務本部のガラス扉を壊したことを受けて、「無意味な破壊と暴力」だと非難した。
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