トランプ大統領の支持率が更に下落<米・英メディア>
トランプ大統領が、環太平洋経済連携協定(TPP)に続いて、気候変動対策に関わるパリ協定からも離脱を宣言し、オバマ前大統領のレガシーをことごとく打ち壊そうとしている。ただ、米市民はロシア・ゲート疑惑を問題視している模様で、パリ協定離脱宣言前の世論調査であるが、更にその不支持率が上昇している。
5月31日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「ドナルド・トランプ大統領の支持率低下する一方、弾劾手続き支持者が増加」
5月31日にリリースされた米政治メディア
『ポリティコ』/モーニング・コンサルトの世論調査によると、回答者のうち43%が議会に対してトランプ大統領の弾劾手続き開始を求めており、前回調査の38%より増えている。ただ、弾劾不要とする支持者も、前回の46%より若干減少したが45%いる。...
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5月31日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「ドナルド・トランプ大統領の支持率低下する一方、弾劾手続き支持者が増加」
5月31日にリリースされた米政治メディア
『ポリティコ』/モーニング・コンサルトの世論調査によると、回答者のうち43%が議会に対してトランプ大統領の弾劾手続き開始を求めており、前回調査の38%より増えている。ただ、弾劾不要とする支持者も、前回の46%より若干減少したが45%いる。
政党支持者別内訳は、民主党支持者の71%が弾劾手続きを支持しているのに対して、共和党支持者の76%はその必要はないとしている。
また、同大統領の支持率については、世論調査会社ギャラップの直近の調査結果では、支持率が41%であるのに対して、不支持率は53%となった。オンライン世論調査の“538”の調査結果も、支持率39.1%、不支持率54.8%となっている。
なお、
『フォックス・ニュース』は先週、同大統領支持率は40%となっていると報道したが、今回の特徴として、選挙時に支援グループにいた白人や低学歴市民の支持率が下がっていると付け加えた。
一方、同日付米
『ハフィントン・ポスト』オンラインニュース:「世論調査で、トランプ大統領が米国を代表して話すことに最も嫌悪感を抱いていることが判明」
モンマス大世論調査機関(ニュージャージー州在の私立大学内に本部を置く2005年創設の組織)の直近の調査によると、トランプ大統領が米国を代表して話すことで損失を被るとした人が61%にも上り、米国のためになると考えた人の33%を大きく上回っていることが判明した。
また、ショーン・スパイサー大統領府報道官の場合は、損失42%・有益28%、ケリーアン・コンウェイ大統領顧問は、損失40%・有益28%となっており、唯一、マイク・ペンス副大統領のみが損失29%・有益53%と支持されていた。
同調査機関のパトリック・マレー代表は、大統領自身の発言等に多くの人が嫌悪感を抱いている以上、その補佐役の発言にも批判が高まるのは止むを得ないことだとコメントした。
なお、本調査は、5月13日・15~16日の間、合計1,002人の成人に対して、インターネット・電話で直接インタビューして得たとしている。
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Eメールの発明者、トムリンソン氏が死去
SNS全盛の現在、Eメールを送る機会は減っているかもしれない。しかしながら、現在でも世界には39億のEメールアカウントが存在し、ビジネスだけでも一日に1000億のメールが送受信されるという。そんな中、Eメールを世界に先駆けて開発したトムリンソン氏が先週土曜日に心臓発作のため74歳で亡くなった。各メディアは次のように報じている。
3月6日付
『フォックス・ニュース』(米)は1971年にトムリンソン氏が世界で初めて個々のパソコン間でやり取りできるEメールのシステムを発明したと報じる。それまでは、同種のパソコンを使用する限られた者同士がメッセージを送受信できるシステムが存在していたのみだという。世界で初めて送られたEメールは、アーパネットシステムを経由して送られたという。アーパネットシステムとは、世界で初めて運用されたパケット通信ネットワークであり、今日の世界的インターネットの起源ともいえるものである。...
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3月6日付
『フォックス・ニュース』(米)は1971年にトムリンソン氏が世界で初めて個々のパソコン間でやり取りできるEメールのシステムを発明したと報じる。それまでは、同種のパソコンを使用する限られた者同士がメッセージを送受信できるシステムが存在していたのみだという。世界で初めて送られたEメールは、アーパネットシステムを経由して送られたという。アーパネットシステムとは、世界で初めて運用されたパケット通信ネットワークであり、今日の世界的インターネットの起源ともいえるものである。
当時はパソコンの個人所有者はほとんどおらず、個人レベルのEメールが爆発的に増えるまではその後数十年かかることになる。現在では当たり前のように使われる@(アットマーク)も、トムリンソン氏がパソコンのキーボード上にあるものから拝借したものだという。@(アットマーク)はEメールではユーザー名とドメイン名をつなぐ役割を果たすが、もともとは単価を表す記号である(例えば@30ドルなら、単価30ドルという意味を表す)。トムリンソン氏がこのマークを用いたのは便宜上、どのパソコンにも存在するキーで、アドレスの文字には用いられないためだったという。@(アットマーク)は2010年ニューヨーク近代美術館(MOMA)の建築・デザインの永久コレクションにトムリンソン氏の名前と共に登録されている。
トムリンソン氏はマサチューセッツ工科大学およびレンセラー工科大学を卒業、その後Eメールの発明によりインターネット界で殿堂入りを果たしている。氏はその偉業にもかかわらず、生涯控えめで謙虚な人物であったといわれている。
晩年はマサチューセッツで小型の羊を飼いながら、のんびりと暮らしていたという。また興味深いことにEメールのヘビーユーザーではなかったという。
同日付
『CNNニュース』(米)は「斬新なものから必要なものへ」と、Eメールが移り変わっていったことに言及する。Eメール発明当初、それは斬新であり、まだごく少数の人にしか使われなかった。一台のコンピュータは一部屋を占めるほどの大きさのものもあり、価格も当時20万ドルから30万ドルと相当高価であった。その後80年代後半から90年代前半にかけてパソコンが一般社会に普及し、通信サービスの拡大とともにEメールが一般市民にも広まっていった。
トムリンソン氏は、2012年雑誌の取材に対して、「当時は電話という連絡手段があったが、電話に出る人が必要となる。留守番電話に返信できるサービスは、ごく一部の人にしか利用できない値の張るサービスだった。そこで、パソコンのネットワーク上に気軽にメッセージを残せる方法を考えた」と語っている。
様々なソーシャルメディアやスマホの無料通信アプリが発達した今日、Eメールの重要性は低下していくのか。周囲を見渡してみると、プライベートではソーシャルネットワークでのやりとりは気軽で、画面や機能に工夫が施されたアプリも多く、Eメールの使用は低下の一途をたどっているといえるだろう。ただ、Eメールではデータが各自のPCなどに保存、蓄積されるのに対し、ソーシャルネットワークでは、ネットワーク上の特定の場所に情報が保存されるという相違点があり、Eメールの方が情報流出のリスクは少ないといえそうだ。Eメールの機能をより向上させようとする試みも行われており、IBM 社のVerse(バース)やマイクロソフト社のDelve(デルブ)といった商品も展開されている。これらは多量に届くメールを、使用者個人の傾向に基づいて、ユーザーが優先すべき情報やタスクをピックアップして提示してくれるシステムであり、メールの受信ボックスをただの箱から整理整頓された箱にカスタマイズしてくれるものとして注目を集めている。ビジネスではこれからもEメールは使われ続けると考えられる。
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