トランプ米大統領の米国第一主義に押され、隣国カナダとの貿易関係がこじれ始めている。就任100日を前にトランプ大統領は米国農家を支援するため農務省に特別部会を設置する大統領令に署名した。26番目となる大統領令は農務長官にパーデュー氏が就任した数時間後のことだった。カナダが乳製品原料の輸入に関税をかけたことで、米国ウィスコンシン州などの農業州の酪農品が売れずに打撃を受けているという。一方米国は、カナダ産木材の輸入に最大24%の関税を適用する事を発表。ロス商務省長官は、「良き隣人がルールに従うとは限らない。カナダとの材木や乳製品をめぐる貿易摩擦は北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉が必要なことの表れである」等と述べ、カナダと米国の貿易交渉が激しさを増すと見られる。
カナダ政府は、カナダへの米国産乳製品の輸入が大幅に上回っており米国に有利な点、またカナダ産木材の輸入に関税を適用すれば建築材の高騰で米国消費者への打撃が大きい点などを挙げ米国の強硬姿勢に対応する構えでいる。
4月25日付米国
『USAトゥデイ』は「カナダに強硬姿勢:トランプが地方おこしの大統領令に署名」との見出しで以下のように報道している。
「トランプ大統領は、地方農家の競争力強化のための大統領令に署名した。ホワイトハウスでの署名の際、農業関係者に、「米国の国境州は畜産品が売れず困っており、これ以上我慢ならない。」と述べた。
この大統領令もトランプのこれまでの慣例どうり、特別委員会を設置し、180日以内の報告書提出を促し規制緩和を促すもので、農務長官のサニー・パデュー氏を特別委員会の委員長に指名した。...
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4月25日付米国
『USAトゥデイ』は「カナダに強硬姿勢:トランプが地方おこしの大統領令に署名」との見出しで以下のように報道している。
「トランプ大統領は、地方農家の競争力強化のための大統領令に署名した。ホワイトハウスでの署名の際、農業関係者に、「米国の国境州は畜産品が売れず困っており、これ以上我慢ならない。」と述べた。
この大統領令もトランプのこれまでの慣例どうり、特別委員会を設置し、180日以内の報告書提出を促し規制緩和を促すもので、農務長官のサニー・パデュー氏を特別委員会の委員長に指名した。
商務省がカナダ輸入材木に最大24%の懲罰的関税を発表したタイミングと重なったこの大統領令。カナダが米国にひどい仕打ちをしてきたのを理解していない。皆カナダは素晴らしく礼儀正しいと勘違いしている。私はカナダが好きだが、ずっと米国の政治家はカナダに出し抜かれてきた。米国農家は政府の支援を受ける権利がある。」と農業関係者に述べている。
今回の大統領令は26番目で、就任100日目も迎える今週は他にも保護地区、退役軍人、エネルギー関連の大統領令が予定されている。」
4月24日付米国
『デイリーコーラー』は「トランプが農業問題に対処する新たな大統領令」との見出しで以下のように報道している。
「農業特別委員会設置の大統領令は、指名から3ヶ月を経て上院で圧倒的多数で承認されたパデュー農務長官就任の数時間後に署名された。
この大統領令により、オバマ政権時代2011年に設置されたの「農村評議会」は閉会となる。トランプ政権によると、「これ(評議会)は高尚な目的をもっていたが非正規で米国農村の経済成長に特化するものでなかった」という。対してトランプのタスクフォースは農務省外の機関への提案を行うもので、環境保護庁などの機関の規制に悩まされている米国農家を支援するものだという。オバマ政権はブロードバンド普及などの農村のインフラ整備をしたが、トランプ政権は経済支援で最も効果的な農業そのものに焦点をあて雇用創出を促す策をとるのだという。
NAFTAを撤退するというトランプの貿易政策を不安視する農業団体もあるが、月曜トランプ大統領はカナダの木材に20%の関税を課すと発表した。同氏は カナダの「不公平」な貿易に苦言を示してきたが、特にカナダ政府が限外ろ過乳(チーズなどの加工乳生産を効率化する)の国内生産者を保護する関税を課したことで米国農家の生産が落ちていることへの不満をあらわにしている。」
4月25日付カナダ
『ハフィントンポスト・カナダ』は「米加貿易交渉劇が泥沼化する中、NAFTA交渉に言及」との見出しで以下のように報道している。
「トランプ米大統領は近日NAFTA交渉に関しカナダへの不平を並べている。当初より拡大した乳製品や木材、医薬品特許までもが交渉対象となるだろう。
ロス米商務相は、複数メディアに対し「木材や乳製品での貿易摩擦はNAFTAが機能していないことの表れだ」と述べた。何故隣国カナダをやり玉に挙げるのか聞かれロス氏は、「普段は良い隣人だが、彼らがルールに従っているとは必ずしも言えない」と述べた。
カナダ政府は、米国との交渉で以下の点で反論しようと試みている。「乳製品」に関しては、米国に俄然有利なシステムとなっており、米国からの(カナダへの)輸入が年間5.5億ドル。一方輸出は1.1億ドルのみ。
またカナダ産木材の輸入に関税をかければ、米国消費者への打撃が大きく、木材価格の高騰により平均的な家の建築費が3600ドルも上昇するという。」
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