米
『ニューヨークポスト』によると、シアトル中心部にあるアマゾンのオフィスには約1800人の従業員が配属されている。多くの従業員はパンデミックの影響でまだ在宅で仕事をしているものの、市内中心部での凶悪犯罪事件を考慮し、別の場所に代替のオフィススペースを構えることになった。アマゾンは声明で、「状況が改善され、安全が戻ったときにこの場所に従業員を戻すことができるようになることを期待している。」と述べている。
シアトル市内では、3月2日に15歳の少年が射殺され、犯人は現在まだ逃走中となっている。また、3月4日には、アマゾン・オフィスのすぐ近くで、ホームレスの男性が寝ている間に刺された。その1日後、ダウンタウン地区で連邦ビルへ車が突っ込み、ライフルを発砲した武装容疑者を警察が射殺した。こうした凶悪事件の発生を受け、シアトル警察は警官による定期的なパトロールを開始した。
米『ニューズウィーク』によると、最近の犯罪の急増により、クラウド技術会社のQumulo、地元の人気のパン屋さん「ピロシキ」など、他数多くの企業が閉店しているという。マクドナルドも、従業員の安全を確保できないとして、シアトルのダウンタウンにある店舗を閉鎖した。
英『デイリーメイル』によると、パン屋「ピロシキ」のオーナー、オルガ・サガンさん(38歳)は、銃撃事件の後、店を閉めるという厳しい決断を下した。サガンさんは、店の入り口が薬物使用者で常に塞がれているのに、シアトル警察は何も助けてくれなかったと述べている。「シアトルのダウンタウンで緊急事態が起こっていることを理解するのに、何回銃撃が起こればいいのだろう。ダウンタウンの通りは政府から見捨てられ、犯罪行為にさらされている。」暴力問題は「緊急であるにもかかわらず、対策が取られることなく、政治家たちは口先だけである。」と批判している。「ピロシキ」は、1992年以来、この地域で手作りの伝統的なロシアのペイストリーを提供してきた。
シアトル警察は2021年の年末報告で、市内の暴力犯罪が2020年に比べて20%増加し、14年ぶりの高水準となったことを報告した。2020年から2021年にかけて、銃撃・発砲通報は40パーセント、暴力犯罪は20パーセント、ホームレス関連の銃撃は122パーセント増加したという。
米ニュースサイト『デイリーワイヤー』は、暴力犯罪増加の背景には麻薬常習犯の増加があることを指摘している。シアトル中心街に通勤している住民は、ヘロインより強力な合成麻薬のフェンタニルは「どこにでもあり、簡単に手に入る。バスの中で吸っている人達がいる。どのバスにもそういう人たちが乗っている」とコメントしている。
連邦検察当局と最近の裁判所に提出された書類によると、フェンタニル関連の犯罪の増加により、違法な銃の所持も増加しているという。シアトル警察はこうした現状に対し、パトロールを強化し、警察官を増員した。これらの対策により状況は改善されたものの、近隣住民たちは、警察がいなくなれば、麻薬の売人がすぐに戻ってくると警戒しているという。
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世界中の専門家は、7日間の攻防を経て、すでに何千人もの犠牲者が出ているにもかかわらず、圧倒的な力の差となるはずだった武力行使に一定の抑制をかけてきたロシア軍の戦術、さらには弱点に疑問を呈している。
仏誌
『レゼコー』によると、専門家たちの最大の疑問は、ロシア参謀本部が長距離ミサイルや空挺部隊による攻撃で、敵の急速な崩壊を期待していたのかどうかという点である。もしそうであれば、失敗は明らかだという。ウクライナ軍が抵抗しているだけでなく、市民もその味方になり、都市中心部へのアクセスを封鎖している。これらは、欧米諸国と世論が一致して反対していることによっても助けられている。
元海兵隊大佐のミシェル・ゴヤ大佐は、ロシア軍は燃料供給の問題に悩まされ、多くの装備を道端に放棄せざるを得ない状況を述べ、ロジスティックスの問題を指摘している。...
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仏誌
『レゼコー』によると、専門家たちの最大の疑問は、ロシア参謀本部が長距離ミサイルや空挺部隊による攻撃で、敵の急速な崩壊を期待していたのかどうかという点である。もしそうであれば、失敗は明らかだという。ウクライナ軍が抵抗しているだけでなく、市民もその味方になり、都市中心部へのアクセスを封鎖している。これらは、欧米諸国と世論が一致して反対していることによっても助けられている。
元海兵隊大佐のミシェル・ゴヤ大佐は、ロシア軍は燃料供給の問題に悩まされ、多くの装備を道端に放棄せざるを得ない状況を述べ、ロジスティックスの問題を指摘している。2012年以降、ロシア軍は専門性の強化に努めているにもかかわらず、こうしたロジスティックス面で課題を抱えていることに専門家たちは驚きを隠せない。
元フランス空軍参謀長でNATOナンバー2のステファン・アブリアル将軍は、「奇妙な戦争だ」と述べ、「立ち往生した装甲車の周りでは、多くの一般市民が徒歩や自転車、自動車で移動しているのを見かける。キエフの北60キロに伸びたロシア軍の隊列が動かないのは、この兵站の失敗が原因だろう。ウクライナの空軍はほぼゼロになったのに、ロシア空軍が出てきていない。」と指摘している。アブリアル将軍は、ロシア空軍の消極性は、巻き添え被害への恐れ、依然として大量に存在する携帯型地対空ミサイル、あるいは識別しにくい、またはうまく隠れたターゲットなどを警戒しているのではないかと分析している。現在は、キエフ、さらには北東部の同国第2の都市ハリコフや、クリミアとドンバスを結ぶ戦略港湾マリウポルへの空爆が強化されており、専門家たちは、瞬時に勝利を得ることが出来なかったロシア参謀本部は、本来の強みである重砲を使う戦術に切り替えたと見ている。
次に、ロシア兵のモチベーションも疑問視されている。ロシアでは兵役は義務であり、徴兵制が戦闘員の3分の1を占めている。多くの青年は兵役を免除してもらっているが、反体制派の立場を取る者は免除されることはないという。軍隊は政権に反対する人々を、強制的に、しばしば残忍な手段で徴兵している。こうした裏事情が、ウクライナ人が撮影した車両の放棄など、ある種の「怠慢」を説明することができるのかもしれない。
米『ニューヨーク・タイムズ』は、米国防総省の高官が2日、ウクライナに侵攻したロシア軍の一部は、燃料や食料の不足に加え、戦闘を避けるために集団降伏したり、自分たちの車両を破壊したりしていると述べたことを伝えている。
同高官は、ロシア軍の一部の部隊は、驚くほど堅固なウクライナの防衛に直面した後、戦わずに武器を置いたと語った。ロシア軍のかなり多くの兵士は、訓練が不十分で、総攻撃の準備もできていない若い徴兵兵である。中には戦闘を避けるために、ガソリンタンクに意図的に穴を開けている車両も確認されているという。
こうした中、『ロイター通信』は、ウクライナ大統領の軍事顧問は2日、ロシアのウクライナ侵攻開始以来、7000人以上のロシア軍兵士が死亡し、上級将校を含む数百人が捕虜になっていると発表したと伝えている。
『ニューヨーク・タイムズ』は、軍事アナリストたちによれば、ロシアは前線近くに野戦病院を配備しており、ロシア軍部隊とモスクワの同盟国である隣国ベラルーシの病院とを往復する救急車も確認されているという。
NATOの最高連合軍司令官だったジェームズ・G・スタブリディス提督は、「4000人以上のロシア人が戦死したという多くの報告から、何か劇的なことが起きているのは明らかだ」と述べ、「もしロシアの損失がこれほど大きいのなら、プーチンは自国内で説明するのが難しいだろう」と指摘している。オバマ政権時代に国防総省のロシア・ウクライナ担当高官だったエブリン・ファーカス氏は、「戦場で倒れた仲間を置き去りにしているのは衝撃的だ」とし、やがて母親たちが我が子のゆくえを探すだろうと述べている。
ウクライナ当局は、ロシア人の家族が死亡または捕虜となった兵士に関する情報を追跡するためのウェブサイトを立ち上げている。ウクライナ内務省が作成したというこのサイトでは、捕らえられたロシア兵の映像や、負傷したロシア兵の映像が提供されているという。写真や動画は1日中変化している。
英『デイリーメイル』によると、ウクライナ国防省は2日、声明で、「捕虜になったロシア軍をウクライナ、キエフに引き取りに来る母親には引き渡すことを決定した」と述べた。声明とともに、ウクライナ人に降伏したロシア兵が泣き崩れながら母親と電話で話している動画を公開した。映像では、ロシア軍の若い兵士が武器を捨てた後、ウクライナの女性たちから温かいお茶をもらって飲み、軽食を食べながら、ウクライナの女性が差し出した携帯電話で母親とつながるや否や涙を流し、女性が若者を励ましてあげている様子が映し出されている。
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