【Globali】
米・英国メディア;ISと有志連合の戦いの行方は?(2015/12/14)
イスラム過激派組織イスラミックステート(IS)が仕掛けたと言われる、パリ等での一連の無差別テロ事件を契機に、IS拠点に対して、米国主導の有志連合軍に英国、フランスはもとより、ロシアも協調して空爆を仕掛けている。その成果の一環として、ISの最も高い地位にあり、経験豊富なメンバーの一人である財務トップを殺害することに成功したと米国防総省が発表した。しかし、一方でISは、石油の密売や銀行の略奪などで15億ドル(約1,800億円)もの多額の資金を得ているとの情報もあり、ISと有志連合との戦いは依然果てしがないとみられる。米・英国の最新記事は以下のとおり。
12月11日付米
『NYSEポスト』NY証券取引ニュースは、「ISの財務トップが空爆で死亡」との見出しで、「米国防総省のウォーレン報道官は12月10日、米国主導の有志連合による最近の空爆によって、ISの財務トップであるアブ・サレハ容疑者が殺害されたことが確認できたと発表した。同報道官はまた、IS強奪グループの主犯格のアビ・マリアム容疑者と、兵士・武器補給部隊を率いるアブ・ラフマン容疑者も殺害されたと述べた。...
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12月11日付米
『NYSEポスト』NY証券取引ニュースは、「ISの財務トップが空爆で死亡」との見出しで、「米国防総省のウォーレン報道官は12月10日、米国主導の有志連合による最近の空爆によって、ISの財務トップであるアブ・サレハ容疑者が殺害されたことが確認できたと発表した。同報道官はまた、IS強奪グループの主犯格のアビ・マリアム容疑者と、兵士・武器補給部隊を率いるアブ・ラフマン容疑者も殺害されたと述べた。アブ・サレハ容疑者は、ISの中で最も高い地位にあり、しかも経験豊富なメンバーの一人であり、彼の率いる財務部隊は、石油密売によって5億ドル(約600億円)以上を稼ぎ出し、イラクとシリアの銀行から10億ドル(約1,200億円)近い資金を略奪し、また、支配地域の住民から数百万ドル(数億円)を搾取していたという。」と報じた。
同日付米
『CNBCニュース』(
『ロイター通信』記事引用)は、「米高官、ISの密売石油はシリア/アサド政権や一部はトルコ向けと証言」との見出しで、「訪英中の米財務省のズビン次官代理(テロ・金融犯罪担当)は12月10日、ISは毎月4千万ドル(約48億円)を石油密売で稼いでおり、その大部分がアサド政権に供給されている。同政権とISはお互いに殺し合いをしているのに、裏では石油取引を行っていると公表した。同氏はまた、ISが密売する石油の一部は、クルド人自治区やトルコにも流れているとした。トルコがロシア戦闘機を撃ち落とした際、プーチン大統領は、トルコがISから密売石油を購入していると非難し、エルドアン大統領の息子が石油密売取引に絡んでいると暴露したが、トルコ側は真っ向から否定している。」とし、「ズビン氏は、ISに打撃を与えるためには、トルコ国境での石油や武器の流入を厳しく取り締まる必要があり、トルコ側にその責任を全うするよう求めるとも述べた。」と伝えた。
一方、同日付英
『デイリィ・エクスプレス』紙は、「IS、シリアの偽造パスポートを増刷してテロリストを国外派遣」との見出しで、「米国家安全保障局調査部が明らかにしたところによると、ISがシリアのデリゾール(北東部の都市)を支配したが、そこにはパスポート発行事務所があって多くのブランク・パスポートと発行機器が残されていたため、シリアの偽造パスポートがいくらでも増刷可能だという。同部によると、シリアの偽造パスポートを持ったISのテロリストが、米国等に入国している可能性があるとしている。」と報じた。
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