JPモルガン・チェース最高経営責任者(CEO)のジェイミー・ダイモン氏は4日、年次株主書簡で、世界の金融情勢について暗い見通しを示し、ウクライナ戦争、インフレの高騰、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響が数十年続くかもしれないと警告した。
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『デイリーメイル』によると、ダイモンCEOは書簡で、世界は「重要かつ相反する3つの力の合流」に直面しており、それが世界経済の見通しを不確実なものにしていると述べた。そして、現在起こっていることは、「今後数年間の経済と今後数十年間の地政学に重大な影響を与える可能性が高い」と警告した。そのうえで、アメリカが「実力を取り戻す」ために、強いリーダーシップを発揮することを求めた。
「ウクライナでの戦争は、問題を抱えた世界では常に国家の安全保障が最大の関心事となることを思い起こさせる。...
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『デイリーメイル』によると、ダイモンCEOは書簡で、世界は「重要かつ相反する3つの力の合流」に直面しており、それが世界経済の見通しを不確実なものにしていると述べた。そして、現在起こっていることは、「今後数年間の経済と今後数十年間の地政学に重大な影響を与える可能性が高い」と警告した。そのうえで、アメリカが「実力を取り戻す」ために、強いリーダーシップを発揮することを求めた。
「ウクライナでの戦争は、問題を抱えた世界では常に国家の安全保障が最大の関心事となることを思い起こさせる。平和な時代であってもそうであることを二度と忘れてはならない。また、誤った安心感に騙されることも二度とあってはならない。権力は真空を嫌う。アメリカの強力なリーダーシップがなければ、混乱が蔓延する可能性が高いことは、誰の目にも明らかになっているはずだ」。ただし、「世界は、傲慢なアメリカが皆に指図することを望んでいるのではなく、アメリカが同盟国と協力し、妥協することを望んでいる」とダイモン氏は指摘している。
ダイモン氏はまた、米政府の経済問題への対応について「誤った解釈に陥り、現実を直視することから目をそらしている。問題を正しく定義していない。もし、問題の診断を誤れば、必ずや解決策も誤るだろう。」と非難した。また、「政策はしばしば理解しがたいもので、連携がとれておらず、政策決定には先見性がなく、望まれる結果も特定されていない。」と指摘し、「規制は、良いインフラを適時に建設する能力を劇的に阻害している。高速道路の建設コストは、規制による経費のためだけに、20年間で3倍以上になった」と非難した。
さらに、「米国政治は機能不全に陥っており、そのため、最も優秀で有能な人たちが政府で働きたがらない。政府には経済学者や学者、終身雇用の政治家がたくさんいて、彼らはベストを尽くそうとしていることは知っているが、企業を含む社会のあらゆる部門のリーダーから、さらなる頭脳、能力、経験を必要としている。問題を解決するためには、並外れた幅広いリーダーシップが必要だ」と述べた。
米ニュースサイト『ショアニュース・ネットワーク』によると、ダイモンCEOは、「ウクライナ戦争が世界秩序を危うくする以前から、私たちは例外的で巨大な世界的課題に直面していた。核拡散(これは今でも人類にとって最大のリスクであり、ウクライナ戦争によってさらに顕著になった)、サイバーセキュリティへの脅威、テロ、気候変動、自由で公正な貿易への圧力、社会における広大な不公平などである」と指摘した。「これらの問題を解決するために不可欠なのは、米国の強力なリーダーシップである」とし、「アメリカのグローバル・リーダーシップは、世界にとってもアメリカにとっても最善の道である。」と述べ、「指導者は、なぜそうなのかを国民に明確に説明する必要がある」と述べている。
また、ダイモン氏は書簡の中で、経済における自由な企業活動を促進することで、米国が国際的な競争力を維持するよう呼びかけている。「自由とその兄弟である、適切に規制された自由企業が答えである。制約のない資本主義や、企業が自らの地位を維持したり、高めたりするために政府や規制を利用する縁故資本主義ではない」とくぎを刺した。
民主党の大規模な支出政策に関しては、「民主党は、ワシントンに送られたお金が大規模な無駄なプログラムに使われ、最終的に地域社会にほとんど価値あるものをもたらしていないという共和党の正当な懸念を認めるべきだ。良い政府は必要だが、政府がすべてに対する答えではないことを認めるべきである。」と指摘している。
米『ニューヨーク・ポスト』は、ダイモン氏は書簡の中で、ロシア・ウクライナ戦争、パンデミックからの回復、インフレの激化に対処するための連邦準備銀行(FRB)の取り組みの3つが、世界経済にとって「前例のない」影響をもたらしていると指摘していることを伝えている。
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