フィリピン大統領、南シナ海覇権に言及(2021/04/21)
フィリピンのドゥテルテ大統領はテレビ演説で、中国が領有権を主張している南シナ海問題について、「中国が石油掘削を開始したら、我々との合意の一部なのかと中国に問うだろう。それが合意の一部でなければ、こちらも同海域で石油を掘削する」等と述べ、中国が石油や鉱物資源の採掘をした場合は、フィリピン海軍の軍艦を派遣すると警告している。
4月20日付香港
『サウスチャイナ・モーニングポスト』は「血の争いとなるだろう:フィリピンのドゥテルテ氏が南シナ海へ軍を派遣し領有権を主張すると警告」との見出しで以下のように報道している。
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領はテレビ演説で、南シナ海の石油や鉱物資源をめぐり、「軍艦派遣の用意がある。だが、覇権の主張は暴力に繋がらない。我々が領有権を主張すれば、血みどろの争いとなるだろう。...
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4月20日付香港
『サウスチャイナ・モーニングポスト』は「血の争いとなるだろう:フィリピンのドゥテルテ氏が南シナ海へ軍を派遣し領有権を主張すると警告」との見出しで以下のように報道している。
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領はテレビ演説で、南シナ海の石油や鉱物資源をめぐり、「軍艦派遣の用意がある。だが、覇権の主張は暴力に繋がらない。我々が領有権を主張すれば、血みどろの争いとなるだろう。」と述べた。3月南シナ海に数百隻の中国船が確認されて以来、領有権問題に関した初の言及となった。
ドゥテルテ氏は「現時点では漁業への関心はそれほどない。争うほどの漁獲量があるとは思えない。」と述べ、沿岸警備船5隻を派遣し追跡するとした。一方、「我々の石油を採掘し始めたら、中国へ告ぐ、これは合意のもとなにかと。これが合意のうちでなければ、私はそこで石油を採掘する。中国が石油を取るなら、我々は行動にでる」とし、中国が海底資源を採掘すれば、「領有権を主張するため灰色の軍艦を派遣する」と述べている。
ドゥテルテ氏は2016年就任以来、中国との同盟関係を求め、関係悪化を避けてきた。大統領はフィリピンが中国を阻止することはできず、中国の動きに対抗することは戦争のリスクとなるとの姿勢を示してきた。しかし、2国間の緊張関係はここ2週間で高まり、フィリピンは中国からのコロナワクチン供給に感謝を示し、友好的なスタンスを保ちながらも、軍艦を派遣し、繰り返し中国の派遣主張に抗議してきた。
同日付ロシア『スプートニク』は「中国が石油採掘しない限りは争わないとドゥテルテ氏」との見出しで以下のように報道している。
オランダ・ハーグの仲裁裁判所は2016年、中国の海洋進出を巡り主張に法的根拠がないと判断した。しかしその後も中国は数百の中国船をフィリピンの排他的経済水域に集結させてきた。
フィリピンの大統領は、中国の軍事的脅威についてテレビ演説で19日、「戦争以外に方法はない。」とし、自国の軍艦を配備すると警告した。「紛争は勝敗のつかない血みどろの戦いになる」とも言及。公に中国船の集結に言及したのは初めてのこととなる。
フィリピンの外務省は、たびたび中国の軍事配備に抗議の意を示してきた。最後は2020年に国連総会で中国の領有権主張を否定したが、それ以降、この問題には沈黙を続け、国連が強制しても中国は西フィリピン海から撤退しないのではないかとの懸念を示してきた。フィリピンは、攻撃を受けた場合には、アジアにおける古くからの米国の同盟国として、米比相互防衛条約を発令することも視野に入れている。
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菅総理、米国バイデン大統領と会談の可能性(2021/03/09)
バイデン米大統領が、パンデミックの状況次第だが、早くて4月中にも菅総理をホワイトハウスに招き、首脳会談する方向で調整しているという。実現すれば訪米する初の外国首脳となる。対面の首脳会談の調整は、バイデン政権の外交政策が一部通常に戻りつつあることを示している。
3月7日付米国
『アクシオス』は「日本の首相がホワイトハウス初訪問との情報」との見出しで以下のように報道している。
関係筋によるとバイデン大統領が日本の首相を4月にもホワイトハウスへ招待する予定、就任後初の外国首脳の訪問となる。菅総理への招待は、米国の同盟国や中国等の敵対国へ太平洋地域における戦後の日米同盟が有効であるとのメッセージを送るものとなる。
大統領執務室で外国首脳と対面での会談を行うということは、パンデミック下のバイデン政権の外交政策が一部正常に戻っていることを表すものとなる。...
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3月7日付米国
『アクシオス』は「日本の首相がホワイトハウス初訪問との情報」との見出しで以下のように報道している。
関係筋によるとバイデン大統領が日本の首相を4月にもホワイトハウスへ招待する予定、就任後初の外国首脳の訪問となる。菅総理への招待は、米国の同盟国や中国等の敵対国へ太平洋地域における戦後の日米同盟が有効であるとのメッセージを送るものとなる。
大統領執務室で外国首脳と対面での会談を行うということは、パンデミック下のバイデン政権の外交政策が一部正常に戻っていることを表すものとなる。だが会談開催は未定で、状況によっては晩春にずれ込む可能性もあるという。
今月バイデン氏は初の首脳会談となる4か国外相会合(日本、インド、オーストラリア)にオンラインで参加予定。オーストラリアのモリソン首相は会合は、インド太平洋地域の平和と安全における協力を確認する場だとしている。新華社通信によると、7日中国の王毅外相はこれは「組織政治」であり「選別的多国間外交」だとしてこの会合に懸念を示している。
トランプ前大統領を初訪問したのは、英国のテリーザ・メイ首相で(2017年1月27日)、昼食と合同記者会見が行われた。オバマ元大統領も日本を最初の首脳会談(麻生元総理)の相手に選んだ一人。執務室に招待したが昼食会や合同記者会見は行われなかった。トランプ元大統領は安倍元総理をマーララゴに招待し、一緒にゴルフも行った。国内問題でも課題を抱えている菅総理だが、米国側から公式会食に招待され会見の写真にも納まることができるかが注目される。
3月9日付香港『サウスチャイナ・モーニングポスト』は「バイデンと菅、4月ホワイトハウス訪問で調整」との見出しで以下のように報道している。
米国メディアによると、来月にもバイデン氏と菅氏の会談が行われる予定だという。日本は会談をできるだけ早く開催したいとしている。具体的日程はコロナ禍の状況に依るものとされ、晩春にずれ込む場合もあるという。
テンプル大学アジア研究学ジェフ・キングストン学長は、「日本にとり、バイデン氏が菅氏を初の外国首脳としてホワイトハウスへ歓迎する映像は、中国、北朝鮮、ロシア、ミャンマーをけん制するうえで重要な外交上の強みとなる。一方、バイデン政権が前大統領と違い、米国の同盟関係を再構築しようとすることを示すこととなる。」としている。
両首脳は初の4か国外相会合にも出席予定。その数日後には、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が日本と韓国を訪問予定。バイデン政権発足以来、米国の外交と国防高官の初のアジア訪問となる。
菅氏はバイデン就任後すぐに電話会談を調整し、米国から領土問題で日本を支援するとの声明を引き出していた。
アジア大学国際関係学の伊藤教授は、「尖閣諸島に関して、米国が明確な立場を公言し、中国の勢力拡大への懸念を新たに示すことを期待する」としている。
米国はすでにミャンマーへの制裁を課しているが、ミャンマーに圧力を加えすぎると、中国への接近を加速させるとの懸念がある。総じてバイデン氏は、日本が望むような中国の抑え込みを含め、アジアでの米国の存在感を再度示そうとしているとみられる。
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