イタリアは、ドイツに次ぐロシアのガス消費国である。しかし、長年にわたってエネルギー供給源の多様化に取り組まなかったために、大きな代償を払っている。ロシアのウクライナ侵攻が、エネルギー需要の半分にガスを使用し、その半分をロシアから輸入しているイタリアに大きな影響を与えているのだ。現在、価格の高騰が続いているため、ガスの供給が制限されるのではないかと危惧する声が出ている。
米
『ブライトバート』によると、再生可能エネルギーを推進し、温室効果ガスの排出削減に取り組むイタリアの団体「京都クラブ」のディレクター、セルジオ・アンドレイス氏はスウェーデンの放送局SVTの取材に、ローマ市長のロベルト・グアルティエリ氏がすでにガスの配給制限をほのめかしていると語った。同放送局によると、夏の間、オフィスや家庭でエアコンが使えなくなる可能性があるという。しかし、イタリアの夏の気温は、南部では平均して32℃に達し、シチリア島では昨年8月に48.7℃を記録している。また、商売を営む人々は、ガスの供給不足のビジネスへの影響を懸念している。
こうした中、対ロシア制裁を支持するマリオ・ドラギ首相はイタリア議会で、ガス不足による負担を軽減するために、イタリアが石炭火力発電所を再開する可能性があると述べた。しかし先週、エネルギー移行相のロベルト・チンゴラーニ氏は、イタリアがロシアのガス供給から独立し、他のエネルギー源で代替できるようになるには、最低でも3年はかかると述べた。
『ロイター通信』も、イタリアは毎年ロシアから約300億立方メートル(総ガス輸入量の約40%)のガスを輸入しており、ロシアのウクライナ侵攻を受けて急ピッチでエネルギー供給の多様化を目指していると伝えている。
チンゴラーニ氏は上院の前で、直近及び中期的には、アルジェリアからのガス輸入や石炭や石油を燃料とする発電量を増やし、北欧からの電力輸入の増加や、液化天然ガス(LNG)の使用量を増やすなどの対策を講じていると伝えた。特にLNGが豊富なカタールも注目されている。イタリア当局はまた、浮体式LNGターミナルを12ヶ月から18ヶ月後に設置する方向で動いているという。
イタリア以外のヨーロッパの他の国々もロシア産ガスへの依存から脱却しようと動いている。こうした動きを受けて、米国からの欧州への液化天然ガスの出荷が増加している。米『ウォールストリート・ジャーナル』によると、バイデン大統領は先週、ブリュッセルで欧州連合の指導者たちと首脳会談を行い、ヨーロッパのロシア産エネルギーからの脱依存について話し合った。米国は、少なくとも2030年まで、年間500億立方メートルのLNGをヨーロッパに出荷することを目標としており、EUがロシアから受け取るガスの約3分の1を供給することが明らかになった。EUは昨年、米国から過去最高の220億立方メートルのLNGを輸入していた。
イタリアのマリオ・ドラギ首相は「一国の判断に左右されるようなことはあってはならない。私たちの繁栄だけでなく、私たちの自由が危機に瀕している」と述べている。
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アップルのメッセージアプリ「iMessage」で、Androidユーザーからのメールの背景の色がiPhoneユーザーとは違うことが注目を集めている。グーグルは、iPhoneからのメッセージとAndroidスマートフォンからのメッセージを差別化していることで、若者の間で流行を生み出すだけでなく、社会的排除につながる言動を助長していると非難している。
米技術系ニュースサイト
『ザ・ヴァージ』によると、米国の若者の間で人気の高い「iMessage」は、iPhoneの場合、Androidスマートフォンから送信されたメールは緑色の吹き出しで表示し、Appleデバイス間でやり取りされたメールは青色の吹き出しで表示される。一見大したことのないように見えるこの違い。グーグルは、アップルがiMessageサービスでAndroidユーザーを二流市民にする意図的な戦略を取っているとして非難している。
仏メディア『BFMTV』によると、青い吹き出しは、スマートフォンの選択に影響を与えるための手段となっており、顧客が忠誠心を持ち続けるように促すというアップルの戦略を裏付けていると伝えている。アップルはかつてiMessageを、Android端末でダウンロード可能なアプリとして提供することを検討していたが、その後、差別化する方針に切り替えた。
その結果、アメリカのティーンエイジャーの間では、色の区別はステータスシンボルとなっており、時には差別的な言動を招くようになっているという。例えば、グレースという学生は、ウォールストリート・ジャーナル紙の取材に対して、Androidを使用しているためiMessageを持っていないことを謝る人が出てきていると語っている。そして、「アップルの宣伝なのか、それとも特定のグループに所属していないからなのか分からないが、人々は緑の吹き出しを好ましく思わず、否定的な反応をしている」と指摘している。
別の24歳の学生は、気になる相手との会話で、相手の吹き出しが緑色で表示されているという理由だけで、友人や妹から「メッセージが緑色!気持ち悪い」と言われたという。
こうした現象はティーンエイジャーにとどまらない。30歳以上を対象としたデートアプリのある男性ユーザーは、女性から「ああ、あなたは緑の吹き出しの使用者ね」と、何度か言われたことがあり、「その後、何人かは返事をしなくなった。」と体験談を語っている。
ソーシャルネットワークでは、緑の吹き出しのユーザーは、時代遅れの人だという見方がされるようになっている。若い世代ではiPhoneを持っていないことが社会的な排除にもつながっている。長年Android携帯を所有していたマイルス・フランクリンさんは、高校時代に、iMessage専用のモバイルゲーム「ゲームピジョン」が流行っていたという。友人たちが全員参加していた中、スマートフォンがAndroidだったという理由で「初めて」グループから排除されたという。数年後、iPhoneを購入したと述べている。
アップルの独占的機能は吹き出しの色だけではない。幅広い層から支持されているオプション機能を提供しており、ユーザーの顔の動きを反映するアニメーションキャラクターを作成する機能「メモジ」などが人気を集めている。また、iMessage独自の機能として、複数のiPhoneユーザー間でチャットグループを作成することができるが、Androidユーザーは参加することができない。
こうした機能は、特に若い世代に人気が高く、今やiphoneは若いユーザーにとって不可欠なものとなっている。一方で、アンドロイドユーザーにとっては排他的なものとなっている。1月初旬、アメリカのティーンエイジャーを対象に行われた調査の結果、87%がiPhoneを所有していることが明らかになった。
仏誌『レゼコー』は、このようなユーザー間の差別化戦略が、若年層における圧倒的なiPhone購入率に貢献したと伝えている。Consumer Intelligence Research Partners社の最新の調査によると、米国の消費者の40%がiPhoneを使用している一方で、18歳から24歳の若者では、iphoneのスマートフォンユーザーは70%以上を占めていることが判明した。
グーグルのヒロシ・ロックハイマー副社長は、「iMessageによる囲い込みは、アップルの戦略を証明している。同調圧力や脅迫を製品販売の手段として利用することは、人間性と公正さをマーケティングの中心に据える企業にとって不誠実なことだ。これを改善するための基準は現在、存在している」とツイートしている。
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