国連“AI兵器・対応急がれる”決議採択(12月25日)
AI(人工知能)を使って兵器が人間の関与なしに攻撃目標や方法を判断して攻撃する自律型致死兵器システム「LAWS」は、戦場で使われれば民間人の犠牲などを深刻化させるおそれがあると指摘されている。
国連総会では22日、この自律型致死兵器システムについて、世界の安全保障に与える影響に懸念を示し対応が急がれるとしたうえで、グテーレス事務総長に課題をまとめて報告するよう求める決議案が提出された。
採決の結果、日本や米国など152か国の賛成で採択されたが、ロシアやインドなど4か国が反対し、中国や北朝鮮、イスラエルなど11か国が棄権した。...
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AI(人工知能)を使って兵器が人間の関与なしに攻撃目標や方法を判断して攻撃する自律型致死兵器システム「LAWS」は、戦場で使われれば民間人の犠牲などを深刻化させるおそれがあると指摘されている。
国連総会では22日、この自律型致死兵器システムについて、世界の安全保障に与える影響に懸念を示し対応が急がれるとしたうえで、グテーレス事務総長に課題をまとめて報告するよう求める決議案が提出された。
採決の結果、日本や米国など152か国の賛成で採択されたが、ロシアやインドなど4か国が反対し、中国や北朝鮮、イスラエルなど11か国が棄権した。自律型致死兵器システムについて国連総会で決議が採択されるのは初めてで、各国でAIを利用した兵器システムの開発が進む中、具体的な規制につながるか注目されている。
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イスラエルで何が起きているのか(10月9日)
7日、ハマスがイスラエルを3000発のミサイルで攻撃し、イスラエルとハマスは事実上の戦争状態に突入した。双方の死者は既に1100人を超え、大勢のイスラエル人がハマスの人質となっている。
米国が仲裁したイスラエル‐サウジアラビア国交正常化交渉は暗礁に乗り上げた格好である。バイデン大統領は「私はハマスに、そして世界と世界中のテロリストに米国はイスラエルとともにあると言いたい。政権の姿勢は揺るぎない」と、世界に向けて米国のメッセージを発信、地中海に空母「ジェラルドフォード」や駆逐艦、戦闘機部隊などを派遣することを明らかにした。...
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7日、ハマスがイスラエルを3000発のミサイルで攻撃し、イスラエルとハマスは事実上の戦争状態に突入した。双方の死者は既に1100人を超え、大勢のイスラエル人がハマスの人質となっている。
米国が仲裁したイスラエル‐サウジアラビア国交正常化交渉は暗礁に乗り上げた格好である。バイデン大統領は「私はハマスに、そして世界と世界中のテロリストに米国はイスラエルとともにあると言いたい。政権の姿勢は揺るぎない」と、世界に向けて米国のメッセージを発信、地中海に空母「ジェラルドフォード」や駆逐艦、戦闘機部隊などを派遣することを明らかにした。
一方、ハマスを支援してきたとされるイラン・ライシ大統領は「この勝利を祝福すべき」と言ったとされ、今回のイスラエルに対する大規模攻撃の背後にはイランがいるとされる。イランの精鋭部隊である革命防衛隊が中心となり、事前にハマス、ヒズボラらのメンバーによる綿密な会議が重ねられ攻撃は計画されたとされている。
イスラエルとガザ地区の間にある厳重に警備された国境を数十人のパレスチナ戦闘員を通過させ、数千発のミサイルがガザからイスラエルに発射されることを許すなどということは世界有数の諜報機関「モサド」を擁するイスラエルにとってかつては考えられない事態である。
今回の事態を招いた要因として考えられるのは、まずは象徴的な意味合いとして第4次中東戦争(ヨム・キプール戦争)の50周年であることが大きい。この戦争はイスラエルに対してアラブが最後の先制攻撃を行ったものとして語り継がれている。
次にハマスの指導者も挙げたが、東エルサレムの丘にあるイスラム教の聖地アル・アクサ・モスクに多くのユダヤ教徒が訪問したことに対しイスラム教徒が脅威に感じているという宗教的要因が考えられる。
さらに言うなら、米国とサウジアラビアに対する反発がある。イスラエルとパレスチナの和平を米国が仲介した1993年の「オスロ合意」ですら守られず死文化しているにも関わらず、パレスチナを飛び越した形でイスラエルとサウジアラビアの橋渡しを米国が担おうとしており、この流れに反発するハマスなどの勢力にイランが手を貸したと考えれば自然である。中東の盟主になりたいイランとしては中東でサウジが力を持つことを阻止したいという思惑がある。
今回のすべての攻撃を可能にしたのが分断されたイスラエルの国内状況といえる。昨年12月に就任したネタニヤフ首相がはじめた強権的な司法改革の問題によって、イスラエルが国家として二つに分断されている状況になっていたことが大きな要因である。インテリジェンス的にも隙だらけの状態になっていたものと考えられる。
ハマスのイスラエル攻撃は世界の安全保障のタガが外れつつあることを象徴しているもののように見える。現段階ではこの間隙を突いてこうした戦争が同時多発的に起こらないことを願うばかりである。
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IPEF閣僚級会合始まる(9月9日)
日本、米国、インド、オーストラリアなど14か国が参加する新たな経済連携の枠組みIPEF(インド太平洋経済枠組)の閣僚級会合が西村経済産業大臣が出席して米国・ロサンゼルスで始まった。
影響力を拡大させる中国を念頭に脱炭素化への移行など世界経済が直面する課題について交渉開始を宣言できるかが焦点。
スウェーデン・フィンランド・NATO加盟へトルコと初会合(8月27日)
北欧のスウェーデンとフィンランドがNATO北大西洋条約機構への加盟を目指す中、加盟を条件付きで認める姿勢を示しているトルコと両国による初めての会合が開かれた。
スウェーデンとフィンランドはロシアによるウクライナへの侵攻を受け軍事的中立を転換してNATOへの加盟を申請した。
両国の加盟には30のNATO加盟国すべての批准が必要となるがこのうちトルコはテロ組織と見なす少数民族クルド人の武装組織のメンバーを両国が受け入れ支援しているとしてメンバーの引き渡しに向けた法的な枠組みを確立するなどの条件を付けている。...
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北欧のスウェーデンとフィンランドがNATO北大西洋条約機構への加盟を目指す中、加盟を条件付きで認める姿勢を示しているトルコと両国による初めての会合が開かれた。
スウェーデンとフィンランドはロシアによるウクライナへの侵攻を受け軍事的中立を転換してNATOへの加盟を申請した。
両国の加盟には30のNATO加盟国すべての批准が必要となるがこのうちトルコはテロ組織と見なす少数民族クルド人の武装組織のメンバーを両国が受け入れ支援しているとしてメンバーの引き渡しに向けた法的な枠組みを確立するなどの条件を付けている。
こうした中、3か国の政府関係者による会合が26日、フィンランドで初めて開かれた。
フィンランド外務省によると引き渡しを実行に移すための具体的な方策について今後、協議を継続していくことで一致した。ただ、トルコのボズダー法相は会合を前に「両国から引き渡しも公式な反応もない。このままではNATO加盟プロセスの前進はない」と述べけん制する姿勢を示していて、今後の協議がスムーズに進むかが焦点だ。
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オーストラリア北部・多国間軍事演習始まる(8月20日)
オーストラリア空軍による多国間の軍事演習がオーストラリア北部で始まった。
演習にはこれまでで最も多い17か国が参加し、このうち日本と韓国、ドイツは初めての参加となった。専門家はヨーロッパを含む多国間での連携が今後、海洋進出を強める中国への抑止力強化につながると分析。
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