浜離宮恩賜公園(第35回)
9月10日、その日は浜離宮恩賜公園にいた。...
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9月10日、その日は浜離宮恩賜公園にいた。
その公園の入り口は、東京五輪の準備のため至る処大規模な工事現場の中にあった。
築地を通る、例の環状2号線の工事もその一つであるのか、その一帯の現場は全体像が把握できないほどのものであった。
だが、公園への橋を渡ると、その雰囲気はガラッと変わった。
中に入ると、コスモス畑を通り、藤棚を抜け、汐入の池へと向かうと、悠久の屋敷庭園の雰囲気が辺りを包んでいった。
風流な形をした松や石の細工、それに加えて池に架かる木製の橋、そうした日本独特の造作を施した、「これぞ日本庭園」といった趣が漂っていた。
しかも、どこからも、近代的な高層ビルなどが顔を出し、「東京の庭園」の風情を感じさせてくれた。
時折、東京タワーの少し古びた構造物も顔を出し、東京の新旧がそこには揃っていた。
海沿いの憩いの場には、外国人たちが、今の東京の庭園を満喫するように、大きな手を一杯に開いて東京湾を覗いていた。
船着場には、時折遊覧船が接岸し、人々が乗り降りをしていた。
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新宿御苑(第34回)
9月2日、その日午後3時ごろ新宿御苑の「新宿門」から園内に入った。...
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9月2日、その日午後3時ごろ新宿御苑の「新宿門」から園内に入った。
うっそうとし、巨木が陽の光を遮っていた。
遊歩道から時々広々とした広場に出ると、この公園の広さを強く感じさせてくれた。
入り口で、手に取ったパンフレットを見ると、「日本庭園」「イギリス風景式庭園」「フランス式整形庭園」の3つの庭園から構成されているようだ。
行きかう人々の多くの中には、外国人が多いように感じられた。
日本庭園では、やはり池と木々と石灯篭が目立っていた。
中には、見かけない鳥の姿も確認できた。
蝉の声が大きく聞こえ、夏から秋への季節の移り変わりを感じさせた。
花を探したが、纏まったものは見られなかった。
帰りの電車で、パンフレットを見ると、「丸花壇」という表示を見つけた。
その辺りでは、サルビアなどの花が咲いていたのかも知れなかった。
9月のはじめというタイミングは、少し早かったのかも知れない。
フランス庭園ではバラの花壇があり、10月になると見ごろがやってくるようだ。
今回は、新宿門から日本庭園を回って、中央休憩所を通り、千駄ヶ谷門に抜けたが、大木戸門に寄った辺りに季節の花が群生している様だという事に気がついた。
大木に囲まれている中から、時折青空が垣間見え、その中に秋らしい白い雲が浮かんでいる様を楽しみながら、新宿御苑を後にした。
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パブリックビューイング候補地の日比谷公園で日本一の盆踊り(第33回)
8月26日、その日の午後6時ごろ、JR有楽町駅から日比谷公園へと歩いた。...
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8月26日、その日の午後6時ごろ、JR有楽町駅から日比谷公園へと歩いた。
日比谷の交差点では、浴衣姿の女性が目立った。
中からは、東京音頭であろうか、聞きなれた曲が太鼓の音と共に耳に入ってきた。
薄暗くなってきた、日比谷公園の中を、その音に引きずられるように歩いてゆくと、公会堂辺りで太鼓の音も極大になり、大勢の人々が時計と反対周りに、盆踊りを楽しんでる様子が見えてきた。
櫓の上でも、その下でも思い切りその太鼓をたたく演者の姿が見えた。
櫓のすぐ下では、白人の大柄の男性が、太鼓をたたき、時折せがまれてスマホにその姿を撮らせていた。
えらく精力的な外国人だなと思った。最近では日本男性でも、そこまで元気な輩には、なかなか巡り合えない。
大きな踊りの輪は、噴水を囲み幅5メートル位の帯状になって、大きな輪を描き、東京一の盆踊りは、盛況にあった。
踊っている人々を見ると、女性が3分の2ぐらいで、自然に老若男女が混ざって楽しんでいた。
その場から帰ってくる時に、公園の中から見る日比谷辺りのビルのネオンが、また一際都心の雰囲気を醸し出していることに気づいた。
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