米国大統領選挙・民主党の有力候補者政権交代を訴え(7月25日)
米国・トランプ大統領の野党・民主党の議員に向けた差別的な発言が問題となる中民主党の有力候補者が、全米有数の人権団体の総会で「トランプ大統領は差別主義者だ」などと非難を強め、政権交代を訴えた。
サンダース上院議員は「トランプ大統領は人種差別主義者で病的虚言者だ」、バイデン前副大統領は「大統領はわれわれを分断してきたが米国はこのような国ではない」とコメントした。
トランプ大統領が日韓の仲介を示唆(7月20日)
(落としどころがみえない日韓の応酬)
日本政府の韓国への輸出規制強化を巡り、韓国国内では日本製品ボイコット運動が広がり、日本製品の不買や日本への旅行をキャンセルするなどの動きが広がっている。日韓関係がこれまでで最悪の状態になっているといっても過言ではない。文大統領は日本に強硬姿勢を示すことで韓国国内での支持率が上がっているため、上げた拳を簡単に降ろすことはできない。15日には「日本が徴用工問題に経済を持ち込んだことは全く賢明でなく、結局は日本経済に大きな影響が及ぶことになる」と強く警告した。...
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(落としどころがみえない日韓の応酬)
日本政府の韓国への輸出規制強化を巡り、韓国国内では日本製品ボイコット運動が広がり、日本製品の不買や日本への旅行をキャンセルするなどの動きが広がっている。日韓関係がこれまでで最悪の状態になっているといっても過言ではない。文大統領は日本に強硬姿勢を示すことで韓国国内での支持率が上がっているため、上げた拳を簡単に降ろすことはできない。15日には「日本が徴用工問題に経済を持ち込んだことは全く賢明でなく、結局は日本経済に大きな影響が及ぶことになる」と強く警告した。韓国は日本が日韓請求権協定に基づき求めていた仲裁委員会開催の手続きの期限に対しても、ゼロ回答で、これについて河野太郎外相は、韓国の駐日大使を呼び強く抗議した。一方、韓国外務省は、「河野外務大臣の態度こそ無礼だった」と反論した。7月23日にはWTOの一般理事会が行われる予定で、韓国側は「日本の輸出規制は世界のサプライチェーンに悪影響を及ぼす」との主張を国際社会に展開するとみられている。ただ、韓国のこの主張はあながち間違っているとは言えない。日本が韓国に輸出する規制対象の3品目のうち、「フッ化水素」の一部は中国に輸出されており、サムスン電子やSKハイニックスの中国工場で使われているため中国の半導体生産、世界の半導体市場にも大きな影響を与える可能性もあるのだ。一方日本政府は8月にも韓国を「ホワイト国」からはずすものとみられる。8月24日にはGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の申告期限を迎えるが、韓国政府はGSOMIAの破棄をちらつかせている。今、現在、GSOMIAはほぼ形骸化した状態にあるとはいえ、GSOMIAが破棄されれば北朝鮮問題にも大きな影響が出てくることは避けられない上、米韓同盟にもかなりの打撃となるとみられる。
(トランプ大統領が日韓の仲介を示唆)
こうした中、トランプ大統領が、ホワイトハウスで「私は文大統領が好きだし、安倍首相とは特別な関係にある。もし日韓が共に私に(仲裁を)望むのなら、関与することは私の本業だ。文大統領から関与を頼まれた」と日韓の仲介を匂わせる発言を記者団に対して行った。これまで米国は日韓のもめごとは当事者同士で解決すべきだとのスタンスだったが、180度態度を変えた。直接の要因はトランプ大統領が指摘したように米韓首脳会談での文大統領の要請が今回のトランプ氏の発言につながったとみられるが、トランプ大統領としてもこのまま日韓の関係の悪化が長期化すれば北朝鮮との交渉も立ちいかなくなり、ひいては大統領選挙にも影響を与えるという計算が働いた可能性がある。さらに言うなら日本と韓国に対してはもめ事を解決してやったという形で恩を売り、両国に対してもディールの材料と考えている節も感じられる。トランプ大統領が今後、日韓の問題にどういうタイミングでそのような形で介入してくるのかに注目して見ていきたい。
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トランプ氏のむきだしの自由主義と日本はどう向き合うべきか(7月6日)
トランプ大統領が共和党候補として大統領選に出馬表明を行った。スローガンは「キープアメリカグレート」である。
「グレート」とくると日本人は安直かつ理想主義的に「偉大な」と、訳しがちである。トランプ氏の言う「キープアメリカグレート」を正確に訳すのならば良い意味も悪い意味も含んだ、なんでもありのニュアンスがある。例えば集会に少ししか人が集まらなくても超満員ということにしてしまったり、自分に都合の悪いことを書くメディアを「フェイクニュース」とラベリングしたり、10億円かかった軍事パレードについても3億円と平気で嘘ぶき、SNSや金の力など利用できるものは何でも力づくで利用し、やりたいことをやるむきだしの自由民主主義をトランプ氏が行動として見せてくれていると考えるべきではないか。...
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トランプ大統領が共和党候補として大統領選に出馬表明を行った。スローガンは「キープアメリカグレート」である。
「グレート」とくると日本人は安直かつ理想主義的に「偉大な」と、訳しがちである。トランプ氏の言う「キープアメリカグレート」を正確に訳すのならば良い意味も悪い意味も含んだ、なんでもありのニュアンスがある。例えば集会に少ししか人が集まらなくても超満員ということにしてしまったり、自分に都合の悪いことを書くメディアを「フェイクニュース」とラベリングしたり、10億円かかった軍事パレードについても3億円と平気で嘘ぶき、SNSや金の力など利用できるものは何でも力づくで利用し、やりたいことをやるむきだしの自由民主主義をトランプ氏が行動として見せてくれていると考えるべきではないか。
積み上げて行くボトムアップ型外交から直感的で型破りなトップダウン型外交への転換であり、米国の政治はリベラル系大統領から大きく保守系大統領に入れ替わる振り子のようなダイナミズムが存在する。
米国は大統領が銃で暗殺されるような予想もつかないようなことも平気で起きる国である。こういった国の生んだ大統領であるトランプ氏と互角に渡り合うためには、日本人の現実認識は少々甘すぎる可能性がある。このままでは、日本人の自由民主主義ではそもそもトランプ氏に対抗できない可能性があり、まずはトランプ氏の行動様式をよく見て、むきだしの自由民主主義の凄みをつかみ取るところから始めるしかないかも知れない。
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新たなタイプの大統領像の誕生(7月5日)
先日、トランプ大統領がツイッターで金正恩委員長に呼びかけ、それをきっかけに板門店で両者が会談したことは記憶に生々しい劇的な事であった。
トランプ氏はこれまでの米国大統領とは、キャラクターが違い、ツイッターを用い自分で、難しい首脳会談を設定して行く、新たな主導者像を打ち立てたとも言える。
そのことだけでも、大変なことだが、2月のハノイでの米朝首脳会談で決裂した際も、トランプ大統領は金正恩委員長との人間関係だけは壊さず、次の機会へのチャンスを残した。...
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先日、トランプ大統領がツイッターで金正恩委員長に呼びかけ、それをきっかけに板門店で両者が会談したことは記憶に生々しい劇的な事であった。
トランプ氏はこれまでの米国大統領とは、キャラクターが違い、ツイッターを用い自分で、難しい首脳会談を設定して行く、新たな主導者像を打ち立てたとも言える。
そのことだけでも、大変なことだが、2月のハノイでの米朝首脳会談で決裂した際も、トランプ大統領は金正恩委員長との人間関係だけは壊さず、次の機会へのチャンスを残した。
トランプ氏のこうした手法については、賛否両論があるが、ある意味では新たなタイプの大統領像が確立したとも言えるのではないだろうか。
確かに、危険をはらんだ首脳外交ではあるが、首脳同士の友好的な人間関係を維持し、次のチャンスを作るといった手法はこれまでなかったのではないだろうか。
熟練した外交官から見れば、誠に危なっかしく見えるだろうが、現在までの結果から見れば、大きな成果を作ってきているとも言える。
これからも従来型の手法で、積み上げて行くトップ外交も残るのであろうが、新たな外交手法を持った大統領が生まれたことは確かでもある。
そして、この先もこうした手法を使う大統領が、米国では出てくる予感を感じる。
ツイッターなどの新たなメディアが浮上してきた現代とこれからでは、必ずしも従来型の手法だけが有効ではなく、新たな手法を考える政治主導者が出てくる可能性があっても不思議はない。
そういう意味では、両手を上げて歓迎するわけではないが、新たなタイプの米国大統領の出現と、更に真新しい手法を持った新タイプの大統領が誕生しないとも言えない。
そうした時代に向けて、我々は頭の切り替えを急がなければならないのかも知れない。
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3回目の米朝会談アピール・非核化進展求める声も(7月2日)
トランプ大統領は日本と韓国訪問から帰国して一夜明けた1日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との3回目の首脳会談についてツイッターに「多くの人が注目した。すべての人にとって良いことが起きるだろう」と投稿した。
トランプ大統領は、今回、ツイッターを通じて自ら会談を呼びかけ、韓国と北朝鮮を隔てるパンムンジョムで北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と3回目の首脳会談を行って非核化協議を再開させることで一致した。...
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トランプ大統領は日本と韓国訪問から帰国して一夜明けた1日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との3回目の首脳会談についてツイッターに「多くの人が注目した。すべての人にとって良いことが起きるだろう」と投稿した。
トランプ大統領は、今回、ツイッターを通じて自ら会談を呼びかけ、韓国と北朝鮮を隔てるパンムンジョムで北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と3回目の首脳会談を行って非核化協議を再開させることで一致した。
これについて、米国では非核化に向けた協議再開のきっかけになるとして評価する声がある一方、野党・民主党からは記念撮影だとの批判やこれだけで終わらせてはならないとくぎを刺す意見も出ている。
両首脳が会談でどのような議論を交わしたが詳しいことは分かっていないが、両者の立場の隔たりを埋める実質的な協議はこれからで今後、非核化に向けた具体的な進展を求める声が高まりそうだ。
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