【風の流れ】
動き始めるトランプ貿易戦略(3月10日)
米国の通商政策などについてトランプ大統領に助言する国家通商会議のナバロ委員長は8日、米国の有力紙ウォールストリートジャーナルのインタビューで「米国が多額の貿易赤字を抱えているいずれの国も、一定の期間、製品ごとに、または業界ごとに我々に協力する必要がある」と述べた。
更に、日本には関税や非関税障壁の撤廃を働きかけるとしたうえで「貿易相手国が、米国のとうもろこし、化学製品、潜水艦、それに航空機などを多く買えば、貿易赤字の削減が達成される」と述べ、日本やドイツを名指しして、米国製品の購入を求めていく考えを強調した。
最も多額の貿易赤字を抱える中国については、このインタビューで具体的な言及はしなかった。トランプ大統領も、米国の経済成長を後押しするため「米国の製品を買い、米国人を雇用することを指針とする」という考えを示していて、今後、米国製品の購入拡大に向けた圧力が強まることも予想される。
トランプ大統領の貿易政策が具体的に始動する前触れともみられる、ナバロ委員長のこうした発言は、いよいよ米国第一を標榜する政策が動き始めると見るべきである。
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