【風の流れ】
トランプ発言の尻拭いに追われる閣僚ら(2月21日)
トランプ大統領の発言に各国から反発が起きている。トランプ大統領の側近たちはEU本部やイラクを訪れ、発言の火消しに追われている。
「EUから英国に続く離脱国が出るだろう」と発言していたトランプ大統領に対し、EUを軽視するものだとして反発が広がっている。
ヨーロッパを歴訪中のペンス副大統領は20日、「トランプ大統領はEUとの協力関係に深く関わっていく方針だ」と述べ、EU各国の払拭に努めた。
またペンス副大統領は20日、最終訪問地のベルギーの首都ブリュッセルを訪れ、EU本部でトゥスク大統領やユンケル委員長らと相次いで会談した。
トランプ大統領はこれまで「EUから英国に続く離脱国が出るだろう」などと発言していて、ヨーロッパではEUを軽視するものだとして反発が広がっている。
このためペンス副大統領は、20日の共同記者会見で「トランプ大統領はEUとの協力や協調を維持するため引き続き深く関与していく方針だ」と表明し、懸念の払拭に努めた。
これに対しトランプ政権への警戒感を示してきたトゥスク大統領は「米国がこれまでと同様、ヨーロッパの統合を明確に支持するよう期待する」と述べ、EUの政策や方針を尊重するよう、くぎを刺した。
EU各国はトランプ大統領がEUを批判する一方で、ロシアとの関係改善に意欲を示してきたことを注視していて、今後どのような対ヨーロッパ政策をとるのか慎重に見極めようとしている。
またトランプ大統領はイラクの石油をめぐってイラク戦争に勝利した米国の手中に置くべきだったなどと主張し、イラク政府は「石油は国民のものだ」などと反発していた。
20日、イラクを訪れたマティス国防長官は「われわれは石油を奪うためにイラクにいるのではない」と述べ、発言の火消しに追われた。
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