【風の流れ】
フリン大統領補佐官の辞任の衝撃と背景(2月14日)
ホワイトハウスは13日、安全保障政策を担当するフリン大統領補佐官が辞任したことを明らかにした。
フリンは補佐官就任前の去年12月、ロシアの駐米大使と電話で会談し、この中でロシアに対する制裁をめぐって協議したかどうかについて、当初協議していないと説明した。
しかし米国メディアは実際には制裁をめぐる協議が行われていたと伝えていた。フリンは公表された辞表の中で「私はロシアの駐米大使との電話会談について軽率にも不完全な情報をペンス副大統領などに報告した。私はトランプ大統領とペンス副大統領に謝罪し、大統領らも受け入れた」と、辞任の理由を説明した。
フリンは国防情報局の長官も務めた米国陸軍の退役中将で、去年の大統領選挙では早くからトランプを支持し、側近の1人とされ、日米首脳会談などにも同席していた。米国メディアも、トランプ大統領に最も長く仕えてきた最側近の辞任により激震が走っていると伝えるなど、政権発足からわずか3週間余で大統領の側近が辞任したことはトランプ政権にとって大きな打撃となり、今後の外交、安全保障政策に影響が出るのではないかと懸念する声が出ている。
12月29日、当時のオバマ大統領が、大統領選挙中に起きた民主党へのサイバー攻撃を理由に、ロシア外交官35人を国外追放する等広範囲な制裁処置を発表した直後に、まだ民間人であったフリン氏が電話で、ロシア大使に「トランプ政権発足後に制裁を見直す意向を伝え、対抗処置をとらないように働きかけた」疑いを持たれている。
しかもこの時の通話が米国情報機関に録音されていたとされている。
昨年11月には、安倍首相がトランプ氏と会談した際にフリン氏が同席し、日本政府はフリン氏と意見交換する等、期待を寄せていただけに、今回の辞任劇による衝撃は大きいとみられる。
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