【風の流れ】
「大統領令」は便利な宝刀か(1月24日)
米国のトランプ大統領は23日、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)から離脱するための大統領令に署名した。トランプ氏は労働者にとって良いことだと述べた。
トランプ氏は、大統領に就任すると真っ先に「オバマケアーの撤廃」に向けた大統領令に署名をした。
合衆国憲法で規定された大統領の執行権に基づく命令で、議会の審議抜きで発令が可能であり、公約実現に迅速に取り組む姿勢を支持者にアピールできる利点がある。
トランプ氏は即効性があり、PR効果が高いこの命令を今後も便利に使ってゆくものと考えられる。
この大統領令は、オバマ前大統領も下院が少数派に転落した後、政策実現の為に多用した。
法律と同等の力を持ち、迅速に法的束縛力を持つので、大統領にとっては極めて便利な執行命令である。
ただし、議会での立法措置や予算化が必要な政策課題になると当然、効果には限界が出てくる。
トランプ氏は、この大統領令を立法や予算処置の必要のない、「TPP離脱」等の外交的課題に、これからも機動的に利用してくると考えられる。
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