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特集 風の流れ
2017年02月21日(火)
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【風の流れ】
トランプ氏が狙う・米ロによる世界秩序確立のシナリオ(1月9日)

トランプ次期米大統領の動きを分析すると、オバマ政権時の「米中による力のバランス」から「米ロによる世界秩序の確立」に大きくシフトさせようと考えているフシが見える。 オバマ氏は、ロシアには経済的圧力をかけ、一方中国との対話に力を入れ、「中国の核心的利益」を容認した。それにより南シナ海での中国の埋め立てや空母遼寧の台湾東南部の巡行を許した。その挙句、中国は北朝鮮による核やミサイルの開発を結果として許し続け、今日の危険な状態を招いたとも言える。 また、貿易面でも中国の圧倒的な出超を許し続けた。確かにオバマ氏が政権に就いた2009年は、リーマンショックの直後であった為、中国の60兆円に近い財政投資の力を活用しなければならなかった事情も背景にはあるにしろ、結果として中国の経済力が飛躍的に伸び、その力が軍事力やAIIB(アジアインフラ投資銀行)の主導権を通じて、中国の国力を大幅に押し上げたという事実は大きい。 しかもトランプ氏から見れば、中国はシリアなどの中東や欧州での安定に寄与出来ず、唯々経済的利益を貪り続け、その力を背景に世界でのプレゼンスを高めることだけに使っている。 一方ロシアを見ると、シリアやIS(イスラミックステート)での問題解決のパートナーとして、軍事力の行使を含めて、少なくても問題解決の相手として使える対象である。更にはウクライナ問題やテロ事件の阻止についても話し合える存在ではないだろうか。 そして最も重要なポイントは、「核とミサイルの保有数」を考えると、米ロが圧倒的で、この2か国の動き次第では世界の安全保障が変わってくるという事実だ。 勿論、ロシアの北朝鮮に対する軍事的圧力は、圧倒的なものとなる。 もう一つ重要な課題としては、「エネルギー問題」がある。ロシアの「原油とLNGの埋蔵量と生産量」と米国の影響下にある中東のそれと米国におけるシュールガス埋蔵量を考えると、世界のエネルギー問題は、米ロの主導権の下に支配できる可能性があることである。経済面では、米国にとって中国よりもロシアの方が御しやすい面も見過ごせない。 以上のことで、トランプ氏がプーチン氏と蜜月時代を築き、これまで勢力を伸ばしてきた「中国」や「EU」「日本」との国際的バランスを保つよりも、よりシンプルで効果的な構造と考えてもおかしくはない。その枠組みで中国の経済・軍事面での台頭を抑える戦略も出てくる。 このシナリオへの日本の対応はどうなるのか。


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