【風の流れ】
トランプ次期大統領により米国はどう変わるか。そして日本は (1月1日)
今年の世界を占うにあたって、米国のトランプ次期大統領の動向が大きなファクターを占めることに、多く人は同意するであろう。
米国第一主義を掲げるトランプ氏とその閣僚人事候補を見ると、最早米国が自由や民主主義といった価値観で世界をリードしてゆくとは思えない。
大統領選挙中に当選狙いで、公約したものもあるが、我々日本人としては、公約をそのまま実行に移された時のことを想定し、その答えを考えておかなければ、じたばたすることになり、浅慮での結論を出すことになり、大きなリスクを負いかねない。ところで先ず「安全保障」の問題が気になる。
米国の同盟国であり、自国の軍事力では自らを中国や北朝鮮、ロシアから守れない日本は大きなリスクを抱えることになる。
先ず、米国が日本に駐留している軍事費を全部負担しろと言ってくる可能性がある。
ここは日本も、米国にも利益があることなので、全部は持てないということになるだろう。そうすると負担割合の議論になる。
トランプ氏は、NATO(北大西洋条約機構)の加盟国に対して、GDPの2%に軍事費を引き上げるべきだと、主張していることから推測すると、同様なことを日本にも要求してくることになる公算は高い。現在年間の予算5兆円余りである日本の防衛費は10兆円に跳ね上がることになる。
現在、専守防衛の立場の日本も、攻撃型の防衛体制を敷かざるを得ない可能性も出てくる。
米国が戦う戦争には、同盟国として共に戦うことを求められることもあり得ると見なくてはならない。
その時日本はどう応え、どう対応してゆくのか、日本の行く末を含んで、こうした重く重要な課題について、今から考えて行かなければならない。
トランプ時代は、日本にとっては重い課題を強いられる時代となるかも知れない。
戻る