【風の流れ】
複雑な中東情勢の中、サウジ派手な歓迎でトランプ氏迎える(5月22日)
米国のトランプ大統領は初の外遊先であるサウジアラビアで派手なもてなしで迎えられ、武器売却調印が行われた。
トランプ大統領は、イスラム過激派に対して結束するよう呼びかけた。今回の武器売却は、オバマ前大統領がイエメン市民に死者が出たことを懸念して決めた規制を覆すものであった。
米国がイランに規制解除したことを受けたサウジアラビアとの反目を修復するものであり、トランプ大統領は、イランへは強行姿勢である。
サウジアラビア外相は「イラン対策について話し合った」、ティラーソン国務長官は「ISを打ち負かすことは、戦場だけでなくサイバースペースで必要」と話した。
トランプ大統領は、大統領選では、サウジアラビアについて「女性蔑視、同性愛者殺害の国」とし、イスラム教徒入国禁止を公約していた。
サウジアラビアは、武器輸入国として世界最大で、軍事予算規模は米国、ロシア、中国に次ぐ世界4位である。
サウジアラビアが軍事予算を増やす背景には、隣国のイエメンの反政府勢力との戦いで必要な爆弾に加え、ペルシア湾沿岸でイランの対抗姿勢に対抗するための航空機や戦艦が必要なためである。また、イラン対策に米国の迎撃ミサイルシステム・THAAD購入を検討している。米国のもう1つの同盟国であるイスラエルは、これに反対している。
複雑な中東情勢である。
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