※2022年2月、更新を終了しています
混乱増すトルコテロ事件後(10月13日)
100人規模の死者を出したトルコ史上最悪のテロ事件で、安定していたはずのトルコが2極に分裂しそうな気配がある。
中東地域の国家としては、トルコはEUとも交流が盛んで、信頼できる国として定評があった。
そのトルコに何が起こったのか。
トルコは、IS(イスラミック・ステート)、シリア、イラクを支配するスンニ派問題、クルド人武装組織であるクルド労働党(PKK)、マルクス主義過激組織など安全保障上の問題を抱えている。...
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100人規模の死者を出したトルコ史上最悪のテロ事件で、安定していたはずのトルコが2極に分裂しそうな気配がある。
中東地域の国家としては、トルコはEUとも交流が盛んで、信頼できる国として定評があった。
そのトルコに何が起こったのか。
トルコは、IS(イスラミック・ステート)、シリア、イラクを支配するスンニ派問題、クルド人武装組織であるクルド労働党(PKK)、マルクス主義過激組織など安全保障上の問題を抱えている。
最大のきっかけは、トルコがシリアの内戦に関わったことだとの見方もある。
好景気を背景に一時は和平に動いていたエルドリアン大統領も対決姿勢を鮮明にし、後戻りできない状況にあると見られている。
特に、クルド族は、トルコ、シリア、イラク、イランに3千万人もの規模の人口を擁し、この地域で活発に活動している。
そのクルド族やIS、それにシリア、イラクが重なり合い、それに加えて米国、ロシアと今までにない混沌とした勢力図になっている。
トルコの混乱が今後、EUなどにも及ぶとすると、更に大規模な混乱がこの地域で起こる可能性が出てきた。
日本からは遠い地域であるが、このうねりのリフレクションを避けることは難しいと思われる。
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欧州・銀行の国債保有を規制(10月9日)
今朝の日経に「欧州、銀行に国債保有制限」という記事が掲載されていた。
ユーロ圏は域内の「銀行が持つ国債の残高」に上限を設けることが主旨と表現されていた。
率直に言って、日本の銀行が標的にされているのではないかと危惧した。
少し前にも、こうした内容の記事に触れたことがあったので、いよいよ本格的に始動するのかと身構えた。
我々日本人は、20年前に欧米による「BIS規制」によって、四苦八苦させられた経験がある。...
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今朝の日経に「欧州、銀行に国債保有制限」という記事が掲載されていた。
ユーロ圏は域内の「銀行が持つ国債の残高」に上限を設けることが主旨と表現されていた。
率直に言って、日本の銀行が標的にされているのではないかと危惧した。
少し前にも、こうした内容の記事に触れたことがあったので、いよいよ本格的に始動するのかと身構えた。
我々日本人は、20年前に欧米による「BIS規制」によって、四苦八苦させられた経験がある。
20行ほどあった都市銀行が、いまや3メガ銀行プラス数行になってしまった過去の苦い経験である。
今、日本の国債発行は、1000兆円に近い水準である。
しかも、ほとんど金融機関と保険・年金基金が保有している。
欧州のこの動きが、日本まで影響してくるのにはどの位かかるのだろうか。
5年か、10年か、日本もそろそろ対策を本格化しなくては、過去の過ちを繰り返すことになる。
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医学生理学受賞の背景(10月8日)
昨日のノーベル化学賞では、日本人の受賞はなかったが、大村氏、梶田氏と連日にわたる受賞で日本中が沸いている。
ここで、注目したいのは大村氏の医学生理学賞の受賞に関する背景について、フランスのメディアが面白い分析をしているので以下に取り上げてみたい。
仏紙ルモンドは「2015年のノーベル医学生理学賞は科学だけでなく政治的意味あいがあるとして注目し、選考機関であるスウェーデンのカロリンスカ研究所は、ノーベル賞授与によって、長年顧みられなかった熱帯の寄生虫疾患にスポットライトを当てた。...
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昨日のノーベル化学賞では、日本人の受賞はなかったが、大村氏、梶田氏と連日にわたる受賞で日本中が沸いている。
ここで、注目したいのは大村氏の医学生理学賞の受賞に関する背景について、フランスのメディアが面白い分析をしているので以下に取り上げてみたい。
仏紙ルモンドは「2015年のノーベル医学生理学賞は科学だけでなく政治的意味あいがあるとして注目し、選考機関であるスウェーデンのカロリンスカ研究所は、ノーベル賞授与によって、長年顧みられなかった熱帯の寄生虫疾患にスポットライトを当てた。新薬発見だけでなく、共同開発した米メルク社が失明を引き起こす河川盲目症撲滅のために無料で薬を提供した事にも触れる。WHOは前例のない寄付と讃え、『治療の大規模キャンペーンのお蔭で寄生虫疾患の大部分を制御できた。ノーベル賞の重要な選考基準である人類への貢献度はこの点でも大きいようだ。』と功績を評価する。」と論評した。
また、「現在の研究開発は、高収益市場における高価格のシステムに基づいているため、病気治療の供給になっていない」と指摘し、「2008年にノーベル賞を受賞したHIV感染の医薬と違い、寄生虫による疾患研究は資金不足」である現実に触れる。「今回の受賞を、発展途上国で無視されてきた患者のニーズに応じる研究開発を優先するための措置と持続可能な資金提供の形を喚起するもの」として受け止めるべきと提言する。現在でもマラリア感染者の50万人以上が死に至り、2013年の感染者数は2億人と見積もられ、アフリカの主な死亡原因のままで子供の死亡原因の9割を占めると論評している。
詳しくは、「テレビすべて」の「
Globali」に掲載しているので参照されたい。
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30年後の日本の科学者へ(10月7日)
ノーベル医学生理学賞の大村博士に続き、東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長のノーベル物理学賞の受賞が決定した。日本人の物理学賞受賞はこれで11人目となる。まさしくこの分野は日本のお家芸といえる。
その一方で次世代の研究者の育成については危惧する声もあがっている。少子化に加えて、子供の「理科離れ」の傾向が強まっているというのだ。科学の世界を目指す人材が減ることで、20年、30年後には日本の科学力の低下を招くのではないかという指摘である。...
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ノーベル医学生理学賞の大村博士に続き、東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長のノーベル物理学賞の受賞が決定した。日本人の物理学賞受賞はこれで11人目となる。まさしくこの分野は日本のお家芸といえる。
その一方で次世代の研究者の育成については危惧する声もあがっている。少子化に加えて、子供の「理科離れ」の傾向が強まっているというのだ。科学の世界を目指す人材が減ることで、20年、30年後には日本の科学力の低下を招くのではないかという指摘である。
だが、日本人の科学分野におけるノーベル賞受賞が増加したのは2000年代に入ってから。数々の科学者の研究や、その人物像が大きく取り上げられ、その姿に目を輝かせて感動した子供たちも決して少なくはないはずだ。
スポーツの世界でも海外で活躍する日本人のスーパースターに憧れて、その競技を始めたアスリートは多い。それは科学者を志す子供たちでも同様ではないか。小柴博士や益川博士の話を聴き、胸をときめかせた少年・少女もそろそろ大学生。国はこの機会を逃さず、将来のノーベル賞科学者の卵たちが研究に打ち込める環境をしっかりと整えてもらいたいと思う。
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日本人23人目のノーベル賞受賞(10月6日)
「科学者は人のためにやらなきゃだめだ」
今年のノーベル医学生理学賞に選出された大村智北里大特別栄誉教授は会見でそう語った。
大村博士が開発した「イベルメクチン」は貧しい国々に無償提供され、世界で3億人もの命を救ったとされる。大村博士はその特許で得た報酬で研究現場を支援する一方、地元・山梨県北杜市には美術館や温泉施設も開館させている。学術や文化の面で、世界にも日本国内にも大きな還元をもたらした、まさに「人のため」の研究である。...
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「科学者は人のためにやらなきゃだめだ」
今年のノーベル医学生理学賞に選出された大村智北里大特別栄誉教授は会見でそう語った。
大村博士が開発した「イベルメクチン」は貧しい国々に無償提供され、世界で3億人もの命を救ったとされる。大村博士はその特許で得た報酬で研究現場を支援する一方、地元・山梨県北杜市には美術館や温泉施設も開館させている。学術や文化の面で、世界にも日本国内にも大きな還元をもたらした、まさに「人のため」の研究である。
この大村博士の研究を製品化させたのはアメリカの製薬会社だった。ノーベル賞受賞の発表と同日、TPP環太平洋経済連携協定の大筋合意が発表。新薬の特許期間を巡っては激しい交渉が繰り広げられた。これから日本の医薬品開発も新しい局面を迎えることとなる。
世界への貢献と、地域への還元。大村博士の功績には、それらを両立し、繁栄させていくための大きな鍵が隠されているのではないだろうか。それこそが世界の「すべての人」を幸せにしてくれる。
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