※2022年2月、更新を終了しています
ボブ・ディランと米国・世界の現実(10月24日)
ノーベル文学賞受賞が決まったボブ・ディランに未だ連絡が取れず、選考委員会は困惑していることだろう。
ボブ・ディランが、ダイナマイトの発明によって巨額の富を得て、それを基金にした「ノーベル賞を貰うことは無い」との意見もよく聞く。
ボブ・ディランの「風に吹かれて」等の歌詞から考えると、反体制であり人道、平和、自由主義を標榜しているように感じる。
今、なぜボブ・ディランにノーベル文学賞が授与されるのだろうか。...
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ノーベル文学賞受賞が決まったボブ・ディランに未だ連絡が取れず、選考委員会は困惑していることだろう。
ボブ・ディランが、ダイナマイトの発明によって巨額の富を得て、それを基金にした「ノーベル賞を貰うことは無い」との意見もよく聞く。
ボブ・ディランの「風に吹かれて」等の歌詞から考えると、反体制であり人道、平和、自由主義を標榜しているように感じる。
今、なぜボブ・ディランにノーベル文学賞が授与されるのだろうか。そこには「現代の深い問題点」が見えてきているからではないだろうか。
例えば、米国大統領候補のトランプ氏が、あれだけ利己主義的な発言を繰り返していても、今だ一定の支持があるのはなぜだろう。
最後までは残れなかったが、民主社会主義者のサンダース氏があれだけ、若者からの支持を得たのはどうしてだろうか。
米国が、直面している社会問題の深さは相当なものなのではないだろうか。
貧富の差がますます増大し、加えて金融資本主義が根を張り、金を稼いだ人々に富が転げ込み、無条件にそうした人々が富と同時に支配層になって行く現実社会に、所得の低い人々は大きな不満を隠しきれなくなっているのではないだろうか。
さらに世界では、中東やアフリカが直面している大きな戦乱や大量の難民問題などにより、大きく動揺している。こうした状況に、ノーベル委員会はボブ・ディランに文学賞を授け問題をクローズアップしたかったのではないだろうか。
しかしこの時代に、ボブ・ディランが何を感じ、何を吟じたいのか、その時ノーベル文学賞を受賞する選択肢は果たしてあるのだろうか。
ある意味では、単純に受賞しない、ことこそがボブ・ディランの表現ではないのか。
今回の事で、世界の闇が照らされたとすれば、大きな前進ではないだろうか。
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クリントンvsトランプ価値観の相違(10月21日)
来月に迫った米国大統領選挙。このまま、民主党・クリントン候補優位に進むのか?終盤戦のヤマ場、最後のテレビ討論会を終え、共和党・トランプ候補の言動に批判が集まっている。
19日に行われた米国大統領選最後のテレビ討論会。トランプ候補の発言に批判が高まったのは「敗者が負けを認めることで国の団結が保たれてきた」との質問に「その時になったらお答えする。お楽しみに」との発言に、米国の主要メディアは民主主義を侮辱するものだなど批判的に報じるほか、民主党、共和党両党の議員から懸念や批判の声が上がっている。...
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来月に迫った米国大統領選挙。このまま、民主党・クリントン候補優位に進むのか?終盤戦のヤマ場、最後のテレビ討論会を終え、共和党・トランプ候補の言動に批判が集まっている。
19日に行われた米国大統領選最後のテレビ討論会。トランプ候補の発言に批判が高まったのは「敗者が負けを認めることで国の団結が保たれてきた」との質問に「その時になったらお答えする。お楽しみに」との発言に、米国の主要メディアは民主主義を侮辱するものだなど批判的に報じるほか、民主党、共和党両党の議員から懸念や批判の声が上がっている。これに対し、トランプ候補は「公正な選挙結果ならば受け入れる。疑わしい選挙結果であれば法的に訴える権利がある」と反論した。
更に、トランプ候補は、ロシアとの関係を良好なものにして、IS(イスラミックステート)と戦ってゆく方が得策だと主張し、クリントン候補は、ウィキリークスについて重要なことはロシア政府が米国に対する諜報活動に関与していると主張し、敵対意識を強く感じさせた。
クリントン候補は「国境を越えた送電網とエネルギーシステムを持ちたい」との考えを示し、トランプ氏は相変わらず、移民に対する厳しい考えや国境を堅固に守るといった意見を力説した。
トランプ候補をめぐっては過去に体を触られるなど次々訴える女性が現れるなど逆風が強まっていて、各紙の世論調査の平均値などクリントン候補がトランプ候補を6.4ポイントリードしている。
選挙戦はクリントン候補が優位に立つ中で最終盤を迎えている。
大統領選まで、あと3週間を残すだけになり、オハイオ州、フロリダ州などの各選挙区の具体的状況が気になり始めている。
最後のテレビ討論会については
Globaliを参照されたい。
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AI旋風と人間社会(10月20日)
毎日のように、AI、IoT、ビックデータなどがマスメディアでとりざたされている。
労働人口減少を迎えた日本の新たな救世主になるか、はたまた大量の失業者を生む原因になるのか、AIを搭載した武器が人間を殺傷する等、人類に危害を及ぼす危険はないのかと期待と疑問は尽きない。
そもそも、今回の第3次AIブームは、グーグルによって仕掛けられたものと言っても良い。
今年3月、人工知能(AI)の活躍はグーグルの子会社が開発した、アルファ碁が世界トップクラスのプロ棋士・イ・セドル九段(韓国)と対戦し勝利したことから始まった。...
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毎日のように、AI、IoT、ビックデータなどがマスメディアでとりざたされている。
労働人口減少を迎えた日本の新たな救世主になるか、はたまた大量の失業者を生む原因になるのか、AIを搭載した武器が人間を殺傷する等、人類に危害を及ぼす危険はないのかと期待と疑問は尽きない。
そもそも、今回の第3次AIブームは、グーグルによって仕掛けられたものと言っても良い。
今年3月、人工知能(AI)の活躍はグーグルの子会社が開発した、アルファ碁が世界トップクラスのプロ棋士・イ・セドル九段(韓国)と対戦し勝利したことから始まった。
新たに、デープラーニング(深層学習)という新たな手法によって、停滞していたAIの開発熱に火をつけた。
それからというものマスメディアを中心に、連日のごとくAI関連の情報が流布されてきた。
先ずは、自動車の自動運転システムが注目され、米国ではすでに、人間がハンドルを握っているものの、自動運転が随所で行われ、その便利さや改良すべき問題点も明らかにされている段階である。
また労働力の観点から言うと、ロボット技術の向上とAIが結び付き、介護や自動生産、自動倉庫、自動配送などに活用されてゆくことに期待が集まっている。
こうなると、気が早い人は、「シンギュラリティ(AIが優越する時代的ポイント)」を心配しだし、それによる失業問題等も話題になってきている。
これまでのAIブームも、突拍子もない能力を期待されたが、そこそこの飛躍で終わっている。
筆者の思いから述べると、「米国大統領候補のディベート」の同時通訳を是非AIで実現して欲しいと願っている。
2020年までに、そこそこのものが完成すると、日本にとっては素晴らしいオリンピックのレガシーになると期待している。
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オリンピックってなんだろう(10月18日)
18日午前に、羽田空港に到着したばかりのバッハIOC(国際オリンピック委員会)会長と小池東京都知事の会談の様子をテレビ放送を通じて視聴した。
直近のテーマは、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックのボート、カヌー・スプリント会場について、どのような形で決着するのか関心がある。
驚いたことに、会談の約30分間、全時間報道陣のカメラが回ったままで行われた。
東京の地上局3局が、まるで実況中継の様に、その会談の内容を生で放送した。...
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18日午前に、羽田空港に到着したばかりのバッハIOC(国際オリンピック委員会)会長と小池東京都知事の会談の様子をテレビ放送を通じて視聴した。
直近のテーマは、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックのボート、カヌー・スプリント会場について、どのような形で決着するのか関心がある。
驚いたことに、会談の約30分間、全時間報道陣のカメラが回ったままで行われた。
東京の地上局3局が、まるで実況中継の様に、その会談の内容を生で放送した。
小池氏側から、羽田に到着間際のバッハ氏に、公開での会談を要請したというものだったという。
事前報道では、冒頭の10分程度を報道陣に公開し、後は部屋のドアを締め切った中での会談になると聞いていたので、まず驚いた。
会談が終わった後も、バッハ氏は報道陣から15分ほど質問を受けて、それに答えていた。
バッハ氏は、東京がオリンピック・パラリンピックを招聘した原点に即した形で、開催するように要請し、コスト削減に向けた協議は、「東京都」、「IOC」、「大会組織委」、「日本政府」の4者によって会議するよう提案した。しかもできれば今月中にも会議を始めるよう促し、その基本はアスリートファーストであると説いた。
オリンピック・パラリンピックは、スポーツの祭典であるので、当然アスリートがその中心にいなくてはならず、招致したのは東京都であるので、費用の負担を含めて、その運営責任を全うしなければならない。同時に日本国で開催されるものであるので、国も相当の支援をすることになる。大会組織委は、その実行部隊としての役割を負うことになるが、それが終わった段階で、組織は解散することになっている。IOCは、勧進元として、過去の経験やノウハウを授けながら、成功に導く役割だ。
都民や国民の多額の税金を使って、アスリートの世界的祭典を開催するという原点が何より大切になるのではないだろうか。
それにしても、小池氏の提唱する「透明性のある都政」という意味では、今回の会談は大成功であったのではないかと思う。
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中国有人宇宙船打ち上げ成功の衝撃(10月17日)
中国は10月17日朝、宇宙飛行士2人を乗せた有人宇宙船“神舟11号”の打ち上げの成功を宣言した。発射から2日以内に、9月に打ち上げた宇宙実験棟“天宮2号”とドッキングさせ、同宇宙飛行士にこれまでで最も長い30日余り滞在させて、2022年の完成を目指す独自の宇宙ステーションの建設に必要な技術を高め蓄積する目的である。
現地ではインド訪問中である習近平国家主席の祝賀メッセージが読み上げられたほか、北京の指揮センターには李克強首相も現れて、技術者を労い、国家の威信をかけたプロジェクトである事を伺わせた。...
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中国は10月17日朝、宇宙飛行士2人を乗せた有人宇宙船“神舟11号”の打ち上げの成功を宣言した。発射から2日以内に、9月に打ち上げた宇宙実験棟“天宮2号”とドッキングさせ、同宇宙飛行士にこれまでで最も長い30日余り滞在させて、2022年の完成を目指す独自の宇宙ステーションの建設に必要な技術を高め蓄積する目的である。
現地ではインド訪問中である習近平国家主席の祝賀メッセージが読み上げられたほか、北京の指揮センターには李克強首相も現れて、技術者を労い、国家の威信をかけたプロジェクトである事を伺わせた。
神舟11号には空軍のパイロット出身の2人の宇宙飛行士が搭乗している。今後2日以内に宇宙実験室の天宮2号とドッキングする計画で、実験室に移って様々な科学的実験を行うとしている。
日本は米国、ロシア、カナダ及び欧州宇宙機関 (ESA) と協力して国際宇宙ステーションを運用しているが、その計画も2024年で終了すると見られている。
一方中国は、宇宙強国を目指し、軍主導で野心的な宇宙開発を進めて、18年には世界初の月の裏側への探査機の着陸や21年には火星への探査なども目標にしている。
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