侍メジャーリーガー総決算2015〈投手編〉(11月3日)
1日、ロイヤルズが30年ぶりのワールドシリーズ制覇を果たし閉幕した今年のMLB。優勝にこそ絡めなかったものの日本人メジャーリーガーたちにとっても話題豊富なシーズンであった。まずは投手陣から振り返ってみよう。
まず勝ち頭は12勝を挙げた田中将大(27)。MLBデビューから連続二桁勝利は流石の貫録。2年目のジンクスを感じさせなかったが、防御率は3点台に、被本塁打も昨年より大幅に増加した。10月には肘の骨棘除去手術に踏み切っている。...
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1日、ロイヤルズが30年ぶりのワールドシリーズ制覇を果たし閉幕した今年のMLB。優勝にこそ絡めなかったものの日本人メジャーリーガーたちにとっても話題豊富なシーズンであった。まずは投手陣から振り返ってみよう。
まず勝ち頭は12勝を挙げた田中将大(27)。MLBデビューから連続二桁勝利は流石の貫録。2年目のジンクスを感じさせなかったが、防御率は3点台に、被本塁打も昨年より大幅に増加した。10月には肘の骨棘除去手術に踏み切っている。8月に野茂以来日本人二人目のノーヒットノーランの偉業を成し遂げた岩隈久志(34)。規定投球回には届かず9勝に終わったが、今年契約満了を迎えるマリナーズの首脳陣に対し存在感をアピールした格好だ。日本人最年長・上原浩治(40)も8月までに25セーブを挙げる好調ぶりだったが、打球を右手首に受け骨折。シーズン途中で欠場となったのは実に残念だった。その上原に代わってレッドソックスの抑えを任されたのは田澤純一(29)だが、ベンチの期待に応えることが出来ず、9月には休養を命じられてしまった。渡米以来怪我に悩まされている和田毅(34)は今年も左肩の故障に泣かされた。日本球界復帰(古巣ホークス?)も囁かれているが果たしてどうなるだろうか。
そして3月のオープン戦初登板で肘の違和感を覚え、わずか12球で今季を終えたダルビッシュ有(29)。トミージョン(腱移植手術)後の経過は良好とのこと。来季のカムバックに期待したいが、身内のスキャンダルなどグラウンド外も騒がしい。またあの怪腕で嫌な風評を吹き飛ばしてもらいたいものだ(野手編に続く)
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王者を覚醒させるキャプテンシー(11月1日)
国内3大タイトルの1つJリーグ・ヤマザキナビスコカップ決勝。鹿島アントラーズが、ガンバ大阪を3-0で下し、3年ぶり6度目の優勝を飾った。これでJリーグクラブ中最多を更新する17冠目。2ndシーズンから指揮を執る石井監督体制で最初のタイトルをものにした。
MVPに選ばれたのは小笠原満男だ。今年J1通算450試合出場を達成した36歳のキャプテンがピッチにその存在感を示した。常勝軍団・鹿島にあって小笠原自身も14のタイトル獲得を経験している。...
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国内3大タイトルの1つJリーグ・ヤマザキナビスコカップ決勝。鹿島アントラーズが、ガンバ大阪を3-0で下し、3年ぶり6度目の優勝を飾った。これでJリーグクラブ中最多を更新する17冠目。2ndシーズンから指揮を執る石井監督体制で最初のタイトルをものにした。
MVPに選ばれたのは小笠原満男だ。今年J1通算450試合出場を達成した36歳のキャプテンがピッチにその存在感を示した。常勝軍団・鹿島にあって小笠原自身も14のタイトル獲得を経験している。アントラーズの黄金期=小笠原満男の歴史ともいえよう。そのチームの統率力は抜きんでており、「神様みたいな人」と語る現ブンデスリーガ・シャルケの内田篤人をはじめ、チームメイトからの信頼は絶大。また、「東北人魂を持つJ選手の会」発起人の一人で、出身地岩手の被災地などでボランティア活動も続けるなど、社会貢献でも影響力が大きい。
アントラーズは2009年の優勝を最後にJリーグ王者からは遠ざかり、今期の1stステージも8位に終わった。かつての絶対的な強さが薄れつつある危機感を一番痛切に感じていたのは彼だったろう。試合前「この試合をきっかけにしたい」と語っていた小笠原。アントラーズは残り2試合を残して現在2位。やはり王者復活はこの男の活躍を抜きにしては語れない。最終盤に向け、この圧倒的なキャプテンシーを持つボランチから目が離せなくなりそうだ。
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野球「ワールド・シリーズ」への第一歩(10月31日)
圧倒的な強さで二連覇を達成したソフトバンクホークス。「真のワールドシリーズをやれるといいなと思う。願わくば挑戦状を叩きつけたい」試合後、孫正義オーナーはメジャーリーグとの世界一決定戦という壮大な夢を語った。日米プロ野球王者の対決というのは孫オーナーの昔からの持論。確かにホークスが、ロイヤルズやメッツと戦うというのは胸が躍る話だ。実現すれば日米の野球ファンの注目を集めることだろう。
一方、日本プロ野球機構は2005年から韓国リーグや台湾リーグの優勝チームらとの国際大会「アジアシリーズ」に参加している。...
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圧倒的な強さで二連覇を達成したソフトバンクホークス。「真のワールドシリーズをやれるといいなと思う。願わくば挑戦状を叩きつけたい」試合後、孫正義オーナーはメジャーリーグとの世界一決定戦という壮大な夢を語った。日米プロ野球王者の対決というのは孫オーナーの昔からの持論。確かにホークスが、ロイヤルズやメッツと戦うというのは胸が躍る話だ。実現すれば日米の野球ファンの注目を集めることだろう。
一方、日本プロ野球機構は2005年から韓国リーグや台湾リーグの優勝チームらとの国際大会「アジアシリーズ」に参加している。ほかに中国、オーストラリア、イタリアのチームも参加し、その規模は徐々に広がりを見せてきていた。だが昨年は開催地の台湾側の事情で中止。今年も11月に国別対抗戦・プレミア12が初開催されるため開催が見送られている。残念ながら大会自体も日本国内での盛り上がりはいま一つというのが正直なところである。
サッカーの世界では、FIFAクラブワールドカップが開催され、全世界のクラブチームが世界一を目指すシステムが出来上がっている。アジアシリーズの価値が高まれば、野球でも同様の大会を実現することができるかもしれない。
ちなみにアジアシリーズ2011でホークスは日本チームとして初めて優勝を逃している(優勝は韓国・サムスンライオンズ)孫オーナーには、そのリベンジも含め、アジアシリーズのブランド化に尽力してほしい。それがいつか必ず真の世界一決定戦に繋がるであろうから…
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新たに始まる「栄光の架け橋」(10月30日)
グラスゴーのアリーナの頂上に日の丸が掲げられた。28日、体操の世界選手権男子団体総合で、日本が見事優勝を果たした。1960年から78年にかけてオリンピック・世界選手権で負けなしだった日本男子体操陣。10連覇を果たしたフランス・ストラスブール大会以来、世界選手権では実に37年ぶりの栄冠だ。
イギリスへの出発前、世界選手権個人総合5連覇中の内村航平は「団体総合の金メダルしか見ていない」と強い決意を語った。...
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グラスゴーのアリーナの頂上に日の丸が掲げられた。28日、体操の世界選手権男子団体総合で、日本が見事優勝を果たした。1960年から78年にかけてオリンピック・世界選手権で負けなしだった日本男子体操陣。10連覇を果たしたフランス・ストラスブール大会以来、世界選手権では実に37年ぶりの栄冠だ。
イギリスへの出発前、世界選手権個人総合5連覇中の内村航平は「団体総合の金メダルしか見ていない」と強い決意を語った。前回2014年の中国・南寧大会では、5種目目まで首位を保ちながら、最終種目の鉄棒で大逆転を許し、僅差で中国の6連覇を許してしまった。その悔しさがエースを奮い立たせていたのだろう。
しかし、予選の床運動で頭部を強打するアクシデントに見舞われた内村。鉄棒ではまさかの落下もあり、悲願の優勝達成にも、「内容には納得できない」と反省の弁が口をついた。
30日はいよいよ個人総合6連覇に挑むこととなる。ややコンディションが心配ではあるが、今回の大会には初めて2人の娘が妻とともに応援に駆けつけているという。体操ニッポン復活の悲願達成を果たし、重圧から解き放たれたエース。個人種目では存分に栄光の曲線を描き出してほしい。
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空のキャンバスに描く明日(あした)(10月29日)
現在イギリス・グラスゴーで開催中の体操世界選手権。27日、女子団体決勝が行われ、日本は169・887点を挙げ、5年ぶりに5位入賞を果たした。すでに予選を6位で通過しているため、リオ五輪の切符は手にしており、3大会連続での出場となる。
今回の女子代表は鶴見虹子(23)が5月にアキレス腱断裂で療養中のなか、7人中6人が10代という若い布陣で大会に臨んだ。そのフレッシュなメンバーを引っ張るのは寺本明日香(19)。...
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現在イギリス・グラスゴーで開催中の体操世界選手権。27日、女子団体決勝が行われ、日本は169・887点を挙げ、5年ぶりに5位入賞を果たした。すでに予選を6位で通過しているため、リオ五輪の切符は手にしており、3大会連続での出場となる。
今回の女子代表は鶴見虹子(23)が5月にアキレス腱断裂で療養中のなか、7人中6人が10代という若い布陣で大会に臨んだ。そのフレッシュなメンバーを引っ張るのは寺本明日香(19)。中京大学2年生の彼女は身長142cmと今回の代表メンバーの中でも最も小柄だが、2013年ワールドカップ東京大会で日本人女子選手初の個人総合優勝を飾った頼れるエースだ。
体操選手は両親などが体操選手という環境が多く、家族に勧められて始めたという者が多い。ところが彼女は子供のころから鉄棒が大好きで、近所の公園でいつも遊んでいたという。両親に懇願して体操を習い始めたという根っからの体操少女。しかし、学校の授業ではなんと体育が苦手だったというエピソードにも驚かされる。そのエリートらしからぬ親しみやすさも彼女の魅力だろう。
これまで女子体操界をリードしてきた鶴見が年内復帰を絶望視されているなか、寺本にかかる期待は大きい。明日に向かって高く、美しく羽ばたけ寺本明日香!
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