【時流】
米国・日中の貿易障壁に注目(4月1日)
米国通商代表部は、世界各国の貿易障壁に関する年次報告書(貿易障壁報告書)を取りまとめ、中国による鉄鋼などの過剰生産や、日本の自動車市場の非関税障壁などに懸念を示し、貿易赤字の削減を目指す姿勢を強調した。
日本については農産物市場に「重大な障壁」があるとして、牛肉や豚肉、コメなどの市場開放を求めているほか、自動車市場について「さまざまな非関税障壁が市場の開放を妨げている」として、去年米国大手自動車メーカー、フォードが販売の低迷によって、日本の事業から撤退した事例を挙げている。
中国については、鉄鋼、アルミニウム業界への中国政府の支援が過剰生産を招いた結果、大量の製品が輸出され、米国企業が損害を受けていると懸念を示した。
トランプ政権では、特に中国への対応を重視する姿勢を示しており、貿易不均衡の改善に向けて制裁の強化などに乗り出すか注目されている。
日本にとっては、部品を含む自動車と農産物の市場開放を迫られることになり、TPP(環太平洋貿易協定)時の交渉よりも手強いことになる。
また、中国に関しては、来週行われる米中首脳会談の行方がますます注目されることになった。
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