【時流】
G20は漂流するのか (3月19日)
今回のG20は、保護主義的な政策を掲げる米国のトランプ大統領の就任で、これまで通り自由貿易を進める方針で協調できるかが焦点となった。
発表された声明には、これまで盛り込まれてきた“あらゆる形態の保護主義に対抗”との文言は盛り込まれず、トランプ政権に配慮した形となった。
その米国は、今回の声明を評価する一方で、参加国からは不満の声も上がった。
会議に先立ち、米国側に“保護主義には対抗していく必要がある”と伝えていた麻生副総理兼財務相は、7月のG20サミットに向けて、貿易をめぐる議論が続くとの認識を示した。
トランプ政権発足後初のG20で、世界経済の成長に向け“保護主義を認めず”との理念が後退し、協調体制に影を落とす結果になった。
米国・ムニューシン財務長官は「今回の文言は、自由で公正な貿易を推進するものになっている」、フランス・サパン財務相「これまでに合意し取り組んできたことが、米国のせいで声明に入れられなかった」、麻生副総理兼財務相「自由貿易の重要性はG20で共有されたと考えている」と述べた。
果たして、G20はこの先どのような成果を出してゆくのか、はたまた漂流してゆくのか、7月に向けて各国は改めて考え方を整理する必要性が生じている。
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