【時流】
日米・新エネルギー戦略(2月22日)
トランプ大統領になって米国のエネルギー政策が変わろうとしている。その動きに対して、日本でもエネルギー資源を安定的に確保する戦略を検討し始めた。トランプ政権下でエネルギー政策の転換が見込まれる米国から低コストで資源を調達する方策を検討する動きが出てきた。
NHKの22日朝の報道によると、「外務省が主な資源国の在外公館の担当者のほか、資源関連の団体、企業の関係者などを集め毎年開催している会議の中で、米国から低コストで資源調達していく上で、石炭の増産が進むかどうかがポイントという見方が示された」と伝えた。
「さらに2020年までにはシェールガスの生産拡大により米国が天然ガスの世界最大級の輸出国になるという見通し」を示したという。
また独立行政法人・石油天然ガス金属鉱物資源機構の幹部は2020年代半ばまで天然ガスの国際価格の低迷が予想されるとし、安定した調達先の見極めにはコスト競争力を見ることが重要との認識を示したと伝えている。
こうした外務省を中心とする日本の反応は早く、トランプ大統領に変わって、大きな変化を生み出すと予想されている中で、それを見据えたビジョンを作り戦略を建てていく検討がスタートしたのは評価できる。
日本のエネルギー政策は、従来は原子力発電政策に力を入れてきたが、東日本大震災によって、見直しを迫られている。
現在は火力発電などを強化することで、需要を補っているが、そのために貿易収支が赤字になることもある。
コストが安く、安定供給が可能な米国からの資源調達は、対米貿易黒字を削減する事にも繋がる妙手であると思う。
当然、中国も同様な戦略を考えていると思われるので、安倍トランプ蜜月関係を生かして、米国と早く交渉に入るべきである。
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