【時流】
トランプ政権発足から1か月(2月20日)
米国でドナルドトランプが大統領に就任してから20日で1ヶ月経った。
トランプ大統領はビデオ演説で、「我々は、必要のない規制を撤廃して国民の雇用を取り戻す措置を最初の数週間で行った」と述べ、経済面での成果を強調した。
トランプ大統領は就任後、TPPからの離脱を表明したほか、17日には米国企業が外国に工場を移転した場合「重い罰を受ける」と述べて、輸入製品に高い税をかける方針を改めて強調するなど保護主義的な姿勢を打ち出している。
一方、中東など7ヶ国の人の入国を禁止した大統領令をめぐっては、イスラム教徒を対象にした差別的な措置だとして抗議デモや提訴が相次ぎ、裁判所の決定を受けて執行が停止された状況になった。
さらに、トランプ大統領の側近で安全保障政策の要となるフリン大統領補佐官が、ロシアの駐米大使との会話をめぐって辞任に追い込まれるなど、米国メディアは混乱を招いた1ヶ月だったと伝えている。大半の世論調査でトランプ大統領の支持率は歴代政権に比べて低く、世論調査会社・ギャラップは「平均より20ポイントも低い。特に野党・民主党支持者からの支持がほとんどない」と分析している。
ここにきて不安視されるのは閣僚レベルの人事。承認された閣僚は15人中9人にとどまる。富豪が多く、利益相反の有無や、野党民主党の反対もあり、歴代政権に比べ承認のスピードは遅くなっている。
やっと就任後1か月経ったわけであるが、世界が驚き、ざわついた1カ月でもあった。波乱の幕開けと言っても良い。今後の見通しははっきり見えないが、世界はこのまま暴風雨の中を突き進むことになる。その先には何があるのか皆目見当がつかない状態である。
戻る