【時流】
メキシコ大統領・米墨首脳会談中止決める(1月27日)
米墨首脳会談の突然の中止は、1月26日現地時間8時55分に打たれた、トランプ大統領のツイッター「企業と雇用が失われた。もしメキシコがこの不可欠な壁の費用を負担する意志がないなら、予定されている首脳会議は中止した方が良いだろう。」から始まった。
トランプ大統領は、米国とメキシコの国境沿いに3200キロに及ぶ壁を建設するとの大統領令に25日署名をし、米テレビ局の出演番組でも「その費用はすべてメキシコに支払わせる」と明言した。それに対しメキシコのペニャニエト大統領は国民向けビデオメッセージで「メキシコは支払わない」と声明を出した。
メキシコ国内では、「NAFTAからの離脱もやむを得ない」との声も出始め、対米関係を見直す機運も出ているが、メキシコは、経済の対米依存度が高く、少なくなったとはいえ、米国への不法入国者も年間で500万人を超えている。
更に、トランプ氏側近の報道官は、メキシコからの輸入品に20%の輸入税をかけ、その税金を壁の建設費用に充てるとまで言っている。
2月10日に向け調整が進んでいる日米首脳会談でも、トランプ氏は、米国第一主義をかざし、同盟国としての関係よりも自動車などの貿易不公平の是正を求めてくる公算が強い。
大統領就任以来のトランプ氏の行動を見ると、「妥協の欠片もない」一方的な要求の押し付けが目立っている。
はっきり「永久的離脱」と大統領令を出したTPPへの勧誘やこちらから大きな譲歩の材料がない状態で、日米首脳会談に臨むのは大変な危険が伴うと感じる。
トランプ氏は、これまでの国家首脳とは、全く違うタイプであることを認識してから付き合うべきだと考える。
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