【時流】
トランプ氏の外交戦略と日本の処し方(1月23日)
トランプ大統領は、今月27日に初めての首脳会談を英国のメイ首相と行うと発表した。
21日にはメキシコのペニャニエト大統領、カナダのトルドー首相と相次いで電話会談を行った。
歴史的な結びつきが強い英国と欧州での外交の基盤を作ろうと考えての一手だと考えられる。
更に、電話会談はNAFTA(北米自由貿易協定)の見直しに向けて、具体的な話し合いに入るきっかけとみられる。
またトランプ大統領は22日、イスラエル・ネタニヤフ首相と電話で会談し、来月上旬ホワイトハウスで首脳会談を行うことを明らかにした。電話会談でトランプ大統領は、軍事や情報活動などの分野で密接な関係を持つことが重要であると強調した。
一方日本の安倍首相との会談は、現在予定されていない。
トランプ大統領から見れば、安倍首相との会談は、ロシアや中国との会談の後でも良いと考えているかもしれない。
具体的交渉内容は、「日米貿易交渉」と「日本の軍事費」のかさ上げが主な議題になると予想されるが、今の段階でのプライオリティは低いと見られている可能性は高い。
ドイツ・メルケル首相との会談はいつ頃になるか、注目の一つである。フランス・オランド大統領は次の大統領選に出馬しないので、後回しになる可能性もあるが、EUとの関係から比較的早期になる可能性もある。
ロシア・プーチン大統領は「数か月後にお会いしたい」という意味深長な言い回しで、会談に期待をしているようだが、シリア情勢やIS(イスラミックステート)の動き次第で早くなる可能性もある。先ずは国務長官や国防長官レベルでの会談が行われるのではないか。
中国・習近平主席との会談が焦点であるが、どこかの国際会議か国連で最初の首脳会議が行われる可能性が強いと見る。
既に、国務長官や補佐官等が動いていると考えられる。
そう考えると、安倍内閣や国会、そして政治は、すぐにでもトランプ大統領が持ち込んでくると思われる「難問」にかかわる意見の集約を急ぐべきであると考える。
日本のメディアも「大統領就任」から早くシフトして、「日米貿易交渉と日本の軍事費」に関する議論を開始するべき時ではないだろうか。
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