【時流】
空母で牽制し合う米中(1月5日)
中国中央テレビは「遼寧」の艦隊が2日南シナ海で行った訓練の様子を伝えた。訓練が行われた海域は明らかになっていない。「遼寧」の艦隊は先月初めて西太平洋に出た後、台湾をまわって中国南部の海南島に寄港していた。
今回の訓練について中国国防省は「海域を超えて艦隊を運用するのが目的で、総合能力を高める重要な一歩になった」としている。中国は南シナ海での海軍の存在感を高め、対立する米国をけん制する狙いもあるとみられる。
一方、米国海軍は原子力空母カールビンソンを中心とした空母打撃艦隊を西太平洋に派遣する。トランプ次期大統領が就任する今月20日前後に南シナ海周辺で米中の空母が対峙し、緊張が高まる可能性がある。
オバマ政権が、最終段階で、対中国への軍事的対抗戦略を打ったとも言える。
考えようによってはオバマ政権から、トランプ次期政権への引継ぎと見ることもできる。
今後中国は、南シナ海や東シナ海、そして西太平洋での海洋進出と国防範囲の拡大を進めて行き、近い将来米中が睨み合う状況が想定される事態となってきた。
日本に地理的にも近い、この地域での今回の動き、トランプ次期大統領は安全保障面で、中国とどう対峙してゆくのか、注目の動きである。
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