【時流】
オバマ大統領の米国の歴史を変えた8年とトランプ政権へ (12月28日)
時が熟したのか、日米関係が良好であるからか、それとも米国大統領がオバマ氏であるからかは分からないが、ハワイを訪れていた安倍首相は、オバマ大統領と共に旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を追悼する施設を訪れ、献花し黙とうをささげることができた。
このあと安倍首相は所感を発表し、不戦の誓いを堅持していく決意を表明したうえで、日米の和解の意義を強調し、世界の平和と安定に米国と協力して取り組んでいく考えを示した。安倍首相は、「パールハーバー」から75年、歴史に残る激しい戦争を戦った日本と米国は、歴史にまれな深く強く結ばれた同盟国となった、と所感で述べた。その後安倍首相とオバマ大統領は、最後の日米首脳会談に臨んだ。
オバマ大統領に関する評価は、分かれるがこの8年の実績は、米国にとって極めて大きなものだったと言える。
日本にとって特に印象深い出来事は今年広島を訪問し、核の廃絶を訴えたことだった。また就任最初の歴史的な演説として、核の廃絶を訴えたプラハでの演説を思い出す。更にはベトナムとの和解、キューバとの雪解け、そしてイラクやアフガンからの撤兵を目指したことだった。
米国大統領の歴史上、これだけの過去を平和裏に清算しようとした人物がいただろうか。弱腰大統領と言われ続けたが、大きな実績と成果があったことは事実である。
だからこそ、日米のわだかまった心情も溶解してゆけるチャンスを作り出せたとも言える。
このようにオバマ大統領の任期の最後に、日米首脳が共にハワイを訪れることができたことは、日米関係は歴史を乗り越え新たな段階に入ったと言えるが、来月以降トランプ次期大統領のもとで、日米関係は試練を迎えるとの見方も出ている。
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