【時流】
トランプ政権と日ロ関係(12月15日)
いよいよ今日、安倍首相とロシア大統領・プーチン氏が首脳会談を行う。
安倍首相とすれば、選挙区の地元山口で温泉に浸かりながら、打ち解けて「ゆったりした雰囲気で」日本の立場を理解してもらおうと考えているのだろう。
プーチン氏にしてみれば、山口という田舎の温泉は、「どんな感じであるのか」興味は津々であると思う。
だが、その内心はロシアの経済を何とか立て直したいとの思いが強く、それにはどう日本を引き込んでゆけば良いのか、様々思惑を凝らしていると考えられる。
安倍首相の本音は、本人のロシアに対する友好の念とプーチン氏との親交を背景に、北方領土の返還を促そうと考えているだろう。
だが、日本の本音ばかりをしては話が進まなくなるので、先ずは日本からの経済協力を先行させて、具体的な議論を展開し、最後には日ロの友好関係を謳い上げ、「領土問題と平和条約を早期に解決しよう」という宣言で終わるのではないだろうか。
来年1月20日から、いよいよトランプ政権が動き出す。はっきりしてきたその布陣を見れば、まさに「強い米国」を作る戦略が垣間見られる。
既に親ロシアのシリア政権は、トランプ氏とテロリストと戦うなら協力するとし、「アレッポを完全制圧」した。米ロ関係はオバマ政権よりは劇的に改善するだろう。
シリアの内戦が終結すれば、ユーロッパにおける難民問題も解決へと向かう可能性も出てくる。
このように、トランプ政権が始動し始めると、従来の世界の構造がガラッと変わって行くことになる。
その新秩序の中で、日本はどうロシアと向かい合ってゆくかを決めてゆく必要が出てくると考えられる。
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